OKIグループでは、組織の中で自らの役割に応じて周囲の人を巻き込んで成果を創出する「自律型社員」を求めます。 「業務経験を通じた人財育成」と「研修・学習を通じた人財育成」を両輪として社員一人ひとりの自己成長を促進するとともに、誰もが成長の機会を得ることができ、適切に評価されるような仕組みとするため、以下の取り組みを行っています。そのために、「上司が部下育成の中心を担う」「会社は社員に挑戦の機会を与える」「会社は多様な学びを支援する」という3本の指針に基づき、仕事を通じた人財の育成に注力しています。
OKIグループでは、高い目標を設定し、実践することにより自己成長が促進されるという考え方に基づき、目標管理を徹底すべく仕組みを強化しています。常に行動指針を意識した業務遂行ができるよう、目標設定項目は行動指針を踏まえたものとするとともに、期初に設定した目標について、上司が四半期ごとに部下の活動の進捗を確認する1on1面談の実施を制度化しています。上司がタイムリーに目標管理を支援できるよう、2021年度には目標設定・実績を一元管理するシステムを導入しました。
新規事業創出と既存事業の変革を踏まえた目標設定を意識するための機会として、2018年よりOKI社長とOKI グループの社員が現場の課題などについて議論・意見交換を行う「イノベーション・ダイアログ」を継続的に実施しており、2020年度末までに669名が参加しました。トップが現場の声を聴き、対話の中で自らの思いを直接伝えることにより、経営者の視点も意識したより高い目標設定に向けた動機付けをしています。この取り組みはOKIのイノベーション・マネジメントシステム「Yume Pro」に基づく活動の一環であり、新たな価値創造創出の場にも位置づけられています。
OKIでは目標設定に対しての成果、そこに至るプロセスなどを公平・公正に評価するため、以下の取り組みを行っています。
行動指針の実践を促すため、2019年度より、前述の目標設定との連動とあわせ、行動指針の実践度合いを評価指標とする評価制度を運用しています。
評価に対する納得性を高め、「評価に基づいた処遇への理解」「強み・弱みの把握によるさらなる成長」「上司・部下の相互理解による組織マネジメントの改善」につなげるため、評価結果を上司から部下へフィードバックする面談を実施しています。また持続的な運用改善のため、年1回、面談の実施状況を確認するアンケートを実施しています。
評価者である上司の評価スキルやフィードバックの質の向上を図るための取り組みとして、評価の考え方やフィードバックの方法などを教育する「評価者研修」、評価者自身の行動の客観視や強み・弱みの明確化を目的とした「360度評価」を実施しています。
OKIグループは全社員が継続的に自己成長するためのキャリア形成の場を提供するとともに、キャリア開発支援・専門知識を習得できる機会としての研修体系を構築しています。
OKIでは社員一人ひとりが自律型社員として強い人財へと行動を変革していくことを目的に、自律的なキャリア形成を支援する場として、年に1回、上司とのキャリアデザイン面談を実施しています。
OKIグループでは、階層や職種などを問わず網羅的に研修が受けられる体制として、マーケティングやイノベーション、会計、語学などを学ぶ「共通ビジネススキル教育」、階層毎の役割を学ぶ「階層別教育」、さらには営業、技術、生産技能などの専門性を磨くための「専門・部門教育」を整備しています。各研修は集合型を基本としていますが、テレワーク勤務の拡充などもふまえ、全社員が自律的かつ効率的に研修を受講できるよう、オンライン化・eラーニング化を進めており、2020年度は200以上のeラーニング講座を提供しました。
なお、2020年度のOKI社員における一人当たりの延べ研修時間は15.6時間でした。
2021年度OKIグループ研修体系
集合研修 | eラーニング | |||
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2019年度 | 2020年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
のべ研修開催数 | 326回 | 277回 | 266コース | 210コース |
のべ受講者数 | 7,949人 | 9,340人 | 31,338人 | 37,043人 |
1人当たり受講時間 | 14.7時間 | 9.5時間 | 6.0時間 | 6.1時間 |
これからのOKIグループを担う経営幹部・ビジネスリーダーを若い時期から段階的に育成するため、現場での実践を求めるタフアサインメントや次世代の経営幹部にふさわしいキャリアの付与、さらには選抜型の社内研修プログラムや外部ビジネススクールへの派遣を行っています。また、役員をはじめとする上級管理職に対して、定期的に経営に必要なリテラシーを学ぶ場として、社内外の有識者を講師としたセミナーを実施しています。
OKIは、世の中の変化が激しく問題・課題が複雑化する中、「失敗を恐れず挑戦する」活力に満ちた風土を築く土台として、社員が相互に腹を割って話し合え、利害や立場を超えて建設的な異論が唱えられ、心理的に安心・安全な「言う、言える、聞く」文化の醸成が必要と考えています。このため、組織における「関係の質」、すなわち信頼関係を起点として成功循環サイクルを回すべく、2018年度から双方向コミュニケーション教育「ソウコミ」を実施しています。ソウコミは、「部」単位で取り組むワークショップと5カ月に及ぶ職場実践プログラムにより構成され、2021年度までに国内OKIグループの600を超える「部」すべてが参加する計画です。
ワークショップの様子(2020年度以降はオンラインで実施)