現在取り組んでいる中期経営計画では、注力分野への経営リソースの集中と、事業拡大に向けたパートナーとの戦略的なアライアンスの推進を掲げ、中長期的な成長を目指しています。その一環として、プリンター事業ではパートナーとのMFP共同開発と基幹技術の相互供給を開始し、EMS事業ではM&Aにより新事業会社を設立しました。
LEDプリントヘッド
OKIデータは、東芝テック株式会社(以下、東芝テック)とMFP(複合機)の共同開発、および基幹技術の相互供給を開始しました。OKIデータの小型電子写真ユニットに東芝テックのコントローラーを搭載した、MPS(マネージド・プリント・サービス)に最適な競争力のあるA4サイズ対応MFPなどを開発し、2012年度より順次市場投入していきます。
また、東芝テックは、OKIデータ製デジタルLEDプリントヘッドを搭載した小型・高精細なMFPの開発を行います。国内で先行して発表したA3フルカラー複合機「e-STUDIO(イースタジオ)2050C」にも同プリントヘッドを採用し、世界最小クラスの設置面積の実現と大幅な省電力性能の向上に貢献しています。一方、OKIデータは、東芝テックの実績のあるソリューション展開を広げるOpenPlatform技術の供給を受けて、MPS事業の強化を図ります。
OKI田中サーキット
ハイエンド製品向けプリント配線板事業強化のため、2012年10月1日、田中貴金属工業株式会社(以下、田中貴金属)のプリント配線板事業を譲り受け、「OKI田中サーキット株式会社(山形県鶴岡市)」を設立し、OKIグループの新拠点として事業を開始しました。OKIのプリント配線板事業は、世界初の80層基板製造を実現するなど、優れた技術力による大型・高多層基板で高い評価を受けています。一方、田中貴金属では、大型・高多層基板を航空・宇宙産業向けに提供するなど高品質・高信頼性を実現し、多くの顧客の信頼を得てきました。OKIは新会社を加えたことで、プリント配線板の生産能力を50%増強しました。今後、生産改革を進めることで生産量倍増を図り、ハイエンド製品向けプリント配線板事業の国内トップシェアを狙うとともに、プリント配線板から最終製品組立までの一貫受託生産も拡大し、EMS事業売上で2015年度に500億円を目指します。