投資家の皆様へ

IR資料室事業報告書
第89期中間報告書:株主のみなさまへ
IR資料室 事業報告書
第89期中間報告書:株主のみなさまへ


代表取締役社長
川崎秀一

株主のみなさまには平素よりOKIグループの経営に対しまして多大なご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。また、このたびのスペイン連結子会社であるOKI SYSTEMS IBERICA, S.A.U.(以下、OSIB)における不適切な会計処理の発生ならびにそれに伴う2007年3月期第1四半期から2012年3月期までの一部決算訂正により、株主のみなさまには多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしました。心より深くお詫び申し上げます。

OKIグループは、本件を真摯に受け止め、今後、二度とこのような事態を起こすことのないよう、グループ全役員および全従業員が一丸となって再発防止策を確実に実行していく所存でおります。株主のみなさまをはじめとする、ステークホルダーのみなさまの信頼回復に向けて鋭意努力してまいりますので、何卒、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

海外子会社における不適切な会計処理の再発防止策について

このたびのOSIBの不適切な会計処理につきましては、内部調査委員会に加え、外部有識者による調査委員会を設置し、客観的かつ徹底した全容解明と再発防止策の検討などを行いました。調査の結果、不適切な会計処理が行われた期間のうち、2006年4月から2012年6月までの6年3カ月間で本件に起因する累計の純利益に与える損失額は、308億円となりました。本件について、当社の組織的な関与はありませんでしたが、OSIBでの長年にわたる不正を見抜けず、結果としてこのように大きな損失を計上する事態を招いたことは、大変遺憾でございます。

OKIは、2012年9月11日付で「再発防止委員会」を設置し、さまざまな再発防止策を策定・推進して、コンプライアンス強化に向けて徹底して取り組んでおります。そのなかでも、内部統制が十分機能していなかったことの反省に立ち、当社およびプリンター事業を展開する株式会社沖データ(以下、ODC)の監査人員を増強します。そのうえで、OSIBだけでなく欧州プリンター販売統括会社のOKI EUROPE LTD.(以下、OEL)傘下の販売会社について、2012年10月から1年半以内に監査を行います。OELにおいても、2013年3月までに内部監査の専門部署を設置し、前述の監査後、OSIBを含むOEL傘下の販売会社とODCグループの重要連結子会社については、原則2年に一度、内部監査を実施します。

また、会計システムについては他の販売会社とは異なる運用を、OSIBに認めていたことが、本不適切な会計処理を誘発した一因と考え、会計システムへの投入データの妥当性チェックを、親会社であるOELにて実施することといたしました。加えて、OSIBを含めたOEL傘下の販売会社役員・従業員を対象に、財務報告の重要性を中心としたコンプライアンス教育を2013年3月までに実施する予定です。

さらに、OKIグループとしましては、社長である私が委員長となり、事業活動に伴うリスクに的確に対処することを目的とした、「リスク管理委員会」を2012年10月に設置しました。そのほかにも、OKIグループ役員・従業員を対象としたコンプライアンス教育の徹底や、適切な人事ローテーションの実施など、再発防止のためのあらゆる対策を行ってまいります。

当第2四半期累計期間の概況と通期の見通し

2013年3月期第2四半期決算についてご報告いたします。なお、過年度の数値につきましては、決算訂正を反映しております。

当第2四半期累計期間の業績は、情報通信システム事業においては中国向けATMが引き続き順調に増加したことなどにより増収となりました。加えて、その他の事業における部品関連事業も堅調に推移しました。また、プリンター事業においては円高やスペインでの販売減の影響があるものの、他の地域においては今年度掲げたMIF(市場での稼働台数)拡大に向けて概ね計画どおりに販売台数が増加いたしました。その結果、売上高は、前年同期比73億円増収の1,936億円となりました。

営業損失は、物量増や変動原価の低減などの増益効果はあるものの、円高影響や固定費の増加などにより、同11億円悪化の40億円となりました。経常損失は同9億円悪化の61億円、四半期純損失は投資有価証券評価損の減少などによる特別損益の改善に加え、繰延税金資産の計上などにより同30億円改善の67億円となりました。

通期の見通しにつきましては、プリンター事業における第2四半期累計期間のスペインの業況を踏まえ、売上高を前回公表の4,470億円から4,450億円、営業利益を185億円から140億円、そして当期純利益を110億円から65億円に修正いたしました。プリンター事業につきましては、上期は計画を大きく下回る結果となりましたが、スペインを除いた事業は販売チャネル強化に向けて取り組んだ販売投資や新商品投入による品揃えの充実が功を奏し、引き続き順調に販売台数が伸びるものと考えております。

OKIは、株主のみなさまへの安定的な利益還元の継続を最重要課題としておりますが、当第2四半期および当期末におきましては、今回のスペインの件で大きく純資産を毀損しましたことなどから、誠に遺憾ではございますが無配とさせていただきます。今後、期間利益を確実に積み上げてバランスシートの改善を進め、復配に向けて努めてまいります。

現在、情報通信システム事業とその他の事業は堅調に推移しております。メカトロシステムでは、中国以外の国へのATM新規展開も始まり、また、新たにATM技術をベースに両替機市場へも参入しました。プリンター事業につきましても、スペインを除けば当初計画どおりに販売台数を伸ばしており、収益力は回復に向かっております。さらに、EMS事業についても、基板事業においてアライアンス効果が下期から見込まれます。

今後も、中期経営計画を軸とした経営再建をグループ一丸となってやりきり、ステークホルダーのみなさまの信頼回復に努めてまいる所存です。株主のみなさまには、これまでと変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2012年12月

業績推移(連結)

  • 売上高
    単位:億円、通期(2010年:4327、2011年:4235)、第2四半期累計(2010年:1864、2011年:1863、2012年:1936)
  • 営業利益
    単位:億円、通期(2010年:63、2011年:120)、第2四半期累計(2010年:-51、2011年:-29、2012年:-40)
  • 当期(四半期)純利益
    単位:億円、通期(2010年:-318、2011年:16)、第2四半期累計(2010年:-111、2011年:-97、2012年:-67)

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