藻場をキーワードに新規ビジネスを開発地球温暖化抑制&海洋生態系保護に挑む

Y Abe

新規事業開発職

大学では理学部物理学科に所属。そこで培った「物事を論理的に考える力」を強みに、物事の本質を見極めることを大切にしている。現在は、新規ビジネス開発に挑みつつ、OKIがビジョナリーカンパニーとして認知される世界を目指している。

シゴトがつむぐ未来FUTURE

藻場を守ることで、見えてくる未来

ブルーカーボンは、海に吸収された二酸化炭素を固定化してくれるため、地球温暖化抑制につながると注目されています。藻場は魚の棲みかや繁殖の場にもなっているため、藻場を守ることは、海洋生態系を保つ上で重要です。しかし、現在は磯焼けといって海が砂漠化し、藻場が失われるという現象が広がっています。さまざまな原因が複雑に絡みあい、原因特定には多くの時間がかかってしまいます。磯焼けが少しでも改善できる解決策を提示し、改善に寄与するビジネスを生み出せれば、海洋生態系の保護や地球温暖化の抑制につながるはずです。会社としても海洋情報を集め利活用する「海洋データプラットフォーム」の実現を目指し、ブルーエコノミーの推進に貢献していく方針です。その具体的な取り組みとしてブルーカーボンの新規事業の創出を目指しています。

海洋生態系保護を新たなビジネスで実現していく

一問一答Q & A

Q.01

ワタシの仕事ブルーカーボン領域で
新規ビジネスを立ち上げる

ブルーカーボン領域における新規ビジネス開発に取り組んでいます。きっかけは、「ブルーカーボン市場における高精度高品質な藻場計測の実現」という内容で2022年に『Yume Proチャレンジ』で大賞を受賞したことです。ブルーカーボンはクレジット化が始まっているため、どこに、どのくらいの海藻があるかを計測するニーズがあると考え、OKIの音響技術を活用して、そのニーズに応えるビジネスを立ち上げようと発想しました。現在は、各地の漁業組合やブルーカーボンのクレジットを活用している企業などにヒアリングを行っているところです。

Q.02

仕事の大変なところ社会に新しい価値を提供し、新たなスタンダードをつくる

ブルーカーボンは、最近話題になってきた新しい取り組みなので、市場ができていません。そのため、目の前に見えている課題だけに限定せず、複数の未来を想定しながらアクションを起こしていかなければならない難しさがあります。でもそれは、前例のない新しいビジネスを生み出すうえでは当たり前のこと。そこを乗り越えて、社会にとって新しい価値を提供することに挑戦できるのは、すごく楽しいです。もしかしたら、自分が主導したビジネスで時代を変えたり、新しいスタンダードをつくれるかもしれないと思うとワクワクします。

Q.03

仕事の苦労話そもそも新規ビジネスは、
藻場計測でいいのか

関係者に話を聞く限り、藻場を効率的に計測するニーズはあるといえますが、それが本質的な課題かどうかは未知数だと考えさせられています。藻場計測においても、当初想定していたような「高精度、高品質」な計測結果が本当に今必要なのか、まだその判断ができる段階にないのではないかと感じます。大規模開発の前に行う環境への影響評価や、水産業における資源管理など、ターゲットによって要求内容が変わってきます。そもそも藻場計測の前に解決するべき課題があるのではないか……ヒアリングを進める中で、課題をどうとらえ整理し、ターゲットを絞っていけばよいか難しいと感じます。

Q.04

OKIの魅力海洋領域のおける認知度、
信頼度の高さに歴史の重みを感じる

海洋領域の仕事を1年ほどしてきて、改めてこの領域におけるOKIの貢献度の高さを実感しています。海洋系の展示会に行くと、ほとんどの方がOKIのことを知っていて、こちらの話に耳を傾けてくれます。昨日今日できたベンチャーでは、こうはいかないでしょう。これは一朝一夕にできるものではありません。多くの先輩方がバトンを渡しながら長い歴史の中で積み重ねてきた実績があればこそ。そして現在も、私にはできないことを簡単にやってしまう素晴らしい技術者がたくさんいます。それはすごいことだと思うのです。

OKIのもつ技術をさまざまな分野に応用し未来へ貢献する

私が取り扱うモノTOPIC

地球温暖化抑制に貢献するブルーカーボン

大学時代にヨット部に所属していたこともあり、海や自然が好きでした。そのため、研究開発センターで脱炭素タスクフォースのリーダーとして環境に関する記事を見ていたときにブルーカーボンが目に留まりました。海草・海藻によって吸収された二酸化炭素をクレジット化し、どうしても削減できない排出量を相殺するためにクレジットを購入する排出量取引制度が始まっており、多くの企業が注目しています。そのため、藻場計測サービスにニーズがあると考えました。OKIには潜水艦に搭載されるような高度な音響ソーナーの技術があり、例えば、浚渫作業のためのダムや海・川の底の地形調査などで活用されています。この技術を応用すれば、藻場計測は実現できると考えたのですが……。現在はターゲットがそこでいいのか、試行錯誤しているところです。

ある1日の仕事の流れON DUTY

08:30
メールを確認し、一日のTODOを整理。
10:00
顧客ヒアリングの実施、現場の課題を調査。
12:00
虎ノ門周辺でランチ。
13:00
次回の顧客ヒアリングに向け、内容の整理や資料を用意。
15:00
プロジェクトメンバーとディスカッション。
18:00
次の日のタスクを確認・整理して帰宅。

休日の過ごし方OFF TIME

飛行機から見える鮮やかな空や海、街並みが大好きで、いろいろな場所へ旅行に行きます。飛行機から外を眺めていると、地球が丸いことを感じたり、世界は広いことを思い出したりして、日常の悩みや疲れがスッと軽くなる気がします。