ほぼ週刊 CINOのつぶやき(チノつぶ)第49号
「知財戦略事務局 三又局長との意見交換」

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三又局長Yume ST訪問
10月3日、本年(2019年)夏に知的財産戦略推進事務局長に就任された三又 裕生(みつまた ひろき)さんをOKIイノベーション・ルーム「Yume ST(ユメスタ)」にお招きしました。知財戦略事務局は、昨年11月から本年6月まで、「価値デザイン社会実現に資する実質的なオープンイノベーションの実施に関するタスクフォース」(OITF)を開催し、私も委員を拝命していました。OITFの成果は、6月に「ワタシから始めるオープンイノベーション」という報告書に取りまとめられています。
価値デザイン社会実現に向けての普及活動
報告書公表後、知財事務局では、価値デザイン社会実現に向けてのオープンイノベーション活動を広めるため、様々なイベントで発信を行っています。12月8日には、東工大大岡山キャンパスで開かれる日本知財学会において、「実質的なオープンイノベーションに適合的な知財部門のマインドセット ~脱/知財部~」という企画セッションを実施予定で、私も元OITF委員としてパネル参加を予定しています。今後の知財戦略事務局の取り組みの参考にしていただきたいということで、Yume Proの取り組みを三又局長にご紹介しました。
OKIの課題は日本の縮図
Yume Proの取り組みについては、チノつぶ41~46号(※1)の「Yume ProでISO 56002を解説する」シリーズのように、OKIの個別状況を踏まえて、計画策定を行い、課題解決型のイノベーション創出活動に取り組んでいるというストーリーになります。三又局長からは、「ここで出されている課題は、日本企業全体の縮図ですね。」というコメントをいただきました。
※1 チノつぶ41号~46号
https://www.oki.com/jp/yume_pro/cino/archives/20190826/index.html
https://www.oki.com/jp/yume_pro/cino/archives/20190902/index.html
https://www.oki.com/jp/yume_pro/cino/archives/20190909/index.html
https://www.oki.com/jp/yume_pro/cino/archives/20190917/index.html
https://www.oki.com/jp/yume_pro/cino/archives/20190924/index.html
https://www.oki.com/jp/yume_pro/cino/archives/20190930/index.html
確かに、イノベーション推進を担当されておられる企業の方と意見交換をすると「うちも全く同じですよ」という話を良く伺います。オープンイノベーションを進めていくためには、共創活動パートナーにイノベーション・マネジメントシステムが広がっていくことで、活動が加速されると考えています。このため、10月4日に行動指針を公表された経済産業省(チノつぶ48号(※2))を含め、政府とも連携しながら、普及活動に取り組んでいきたいと考えています。
知財部門のあり方を考える
三又局長との意見交換の中では、「イノベーション創出活動における知財部門の役割を検討することが必要だ。特許の数だけ増やせばいいとか、目の前の特許訴訟対応に終始している知財部門が多い。知財戦略で、イノベーション創出活動を牽引するような活動ができている知財部門は限られているので、これを改善していくことが必要だ。」といった議論も行いました。
OKIでは、グループ内の各部門で、イノベーション活動推進する社員をYumeハブとして任命しています。今年度30名のYumeハブ中に、知財部門の村谷も参加しています。村谷からは、「Yume Proプロセスを円滑に進めていくためには、既存の業務フローの他に、Yume Pro向けの仕組みが必要だ」という意見が挙がっています。社会文化改革を進めるYume Proの活動の中で、知財部の中から、こうした意見が挙がってきたこと自体が大きな成果だと考えています。「Yume Pro知財システム」ができて、ご紹介できることを楽しみにしています。
(2019年10月21日、チーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)横田 俊之)