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EMS(設計・製造受託サービス)

EMSの匠

荒川 恵理(あらかわ えり)、OKI電線 電線事業部 電線技術部 電線技術二課
ファクトリーオートメーションの長期安定稼働を支えるロボットケーブルの匠

OKI-EMSは、OKI EMS事業本部とOKIグループ12社が密に連携し、設計からキーコンポーネント、製造、評価、保守にいたる高品質なモノづくり総合サービスをワンストップで提供しています。
一連のサービスの中で、キーコンポーネントの1つであるケーブルの設計・製造を担うOKI電線は、FAや工作機械などに使われるロボットケーブル(可動用ケーブル)の高性能化・高機能化に力を注いでいます。
今回は、業界最細径のロボットケーブル開発も手がけたエンジニアの荒川恵理が、高度な可動性能を具現化するOKI電線の技術・ノウハウについて語ります。

働きやすい職場で知識・ノウハウをゼロから積み上げ

学生時代は大学院で応用理化学を専攻し、新規超電導材料の開発・評価に取り組んでいました。OKI電線には2015年に新卒採用で入社しました。きっかけは大学で開催された企業説明会で弱電線の話を聞いたことで、知識はないながらも事業内容に興味が湧きました。
入社してすぐに現在の部署に配属され、「可動用ケーブルの開発を担当してもらう」と言われたときも「可動用って?」というくらい何も知りませんでしたが、幸い、職場は質問や意見交換が気軽にできる雰囲気があって、日々の実務で先輩たちからいろいろと学ぶことができ、知識やノウハウを積み上げていくことができました。

材料開発と設計でのベストな構成・構造が耐久性をアップさせる

ケーブル開発業務は、 導体や絶縁体、シース(被覆)材、介在など構成材料の開発・選定から設計、試作、評価までを一貫して手がけます。開発に関わる市場調査や情報収集も大切な作業の1つです。
加えて私たちは、営業部隊と一緒に全国各地のお客様を訪問し、ご要望などを直接お聞きして最適なケーブルの提案を行っています。この取り組みは、OKIのケーブル(Cable)のファン(Fan)になってもらおうという意味の「C-Fan」活動と呼んでいます。
ロボットケーブルの開発では、可動性能=耐久性をいかに高めるかが重要なポイントになります。可動の仕方は①首振屈曲(曲げ)、②摺動屈曲(U字曲げ)、③捻回(ねじり)が基本で、これらを組み合わせた複雑な動作への対応も求められます。そのうえで、耐熱、耐寒、耐油、耐薬品、耐紫外線、耐摩耗、難燃等々、利用環境などに応じた特性も付加していきます。

首振、捻回イメージ

耐久性を向上させるには構成材料それぞれの強度を高める必要があります。材料開発では素材配合のちょっとした違いで強度が大きく変わりますし、設計でも各材料の配置の仕方や撚りピッチなどによって性能差が生じます。バランスを見極めてベストな構成・構造をいかに導き出すかが、技術者としての腕の見せ所です。

細径ケーブルで屈曲性能、捻回性能の大幅向上に成功

OKI電線では、「ORP」のブランド名で各種ロボットケーブルをラインナップしています。一番の特徴は、絶縁体の材料に独自開発した強靭で滑性の高い特殊エラストマーを採用していることです。この素材によって、一般的に使われるフッ素樹脂と同等以上の耐久性を保持しつつ大幅なコストダウンを実現しています。  
現在最も売れている製品は「ORPスリムケーブル」です。産業機器の高機能化や小型化に伴うケーブルの省スペース化ニーズに応えて、特に細径化にこだわった設計のケーブルで従来品よりも約20%細く、軽量化も図っています。可動性能としては屈曲への耐久性に優れています。

ロボット用ケーブル

2017年10月に販売開始した「ORP-TWケーブル」は、「ORPスリムケーブル」をベースに、捻回に特化して耐久性を向上させた業界唯一のロボットケーブルです。この製品の開発過程で、曲げとねじりの運動モードの違いを解析し検証を重ねた結果、ケーブルにかかるストレスと撚りピッチに関係性があることを解明し、その成果として従来よりも最大で約20倍の捻回耐性を持たせることができました。
そしてOKI電線は、屈曲性能と捻回性能の両方の技術・ノウハウを有したことによって、各々の動作に対する耐久性の自由な割り当て――全体を100とした場合に屈曲性能と捻回性能の比率を70:30や40:60というような配分を行えるようになり、お客様の要望にもより柔軟な対応が可能になりました。

より細く軽く強いケーブルで"協働ロボット"の領域にも踏み込む

私自身の製品開発実績としては、まず水中ロボット向けの特注ケーブルがあげられます。福島第一原子力発電所の内部調査のために2017年7月に投入された、原子炉格納容器内の冷却水の中を遊泳するロボットに使われたものです。ロボットの動きに追従できるように浮力を持たせたこと、水の抵抗を抑えるため細くしなやかにしたことが大きな特徴で、材料開発や設計では“いかに軽くするか”に心血を注ぎました。

今後は、お客様からのご要望が多い"より細く軽く"を徹底的に追求し、「ORPスリムケーブル」に比べて同等の耐久性を保持しつつ、さらに細径化製品の開発を進めていきます。これまでのFAや工作機械など産業用ロボット向けから新たな領域にも踏み込んでいけるのではないかと思っています。たとえば、いま"三品業界"(医薬品・食品・化粧品)で、人と同じ空間で作業する"協働ロボット"の導入・活用が進んでいます。こうしたロボットに用いるケーブルには、さらなる狭小配線や高可動性能、耐洗浄液性、低コスト化が求められるでしょう。そのニーズに対しても、OKI電線の技術とノウハウでしっかり応えていくことができると思います。

私自身も、これからお客様となり得る市場・業界も視野に入れて全方向にアンテナを張って情報を集め、新材料や新技術を取り込み、スキルとノウハウをもっともっと蓄えて、お客様の役に立つエンジニアとして成長していきたいと考えています。

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