環境
OKIグループはハードウェアの環境負荷低減はもとより、IoTなどを活用した環境負荷の低減や気候変動への対応ソリューションの提供、使用済み製品の回収など、幅広い分野で環境負荷の低減に貢献しています。
OKIグループでは、先進的な超軽量フレキシブル型太陽光発電システムの導入や、評価・分析事業で使用する電力を再生可能エネルギー由来のものへ切り替えるなど、新たな取り組みを推進しています。これらの施策を通じて、再生可能エネルギーの導入比率を着実に高め、グループ全体で脱炭素社会の実現に貢献しています。
OKIクロステックのGXソリューションにおいては、電力の見える化、太陽光発電による再エネ、車両のEV化、自動制御による電力消費コントロールなどで「省エネ・節電/CO2削減」を実現しました。
特機システム事業部において、一部製品で梱包の改善を行いました。
CO2排出量の試算を実施した結果、梱包材(段ボール、樹脂緩衝材)の原材料調達~廃棄・リサイクルにおけるCO2排出量で62%程度の削減が見込まれます。
区分 | 現在の梱包設計 | 新梱包設計 | 比較変化率 | |||
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kgCO2 | 寄与率 | kgCO2 | 寄与率 | 変化量 kgCO2 |
変化率 | |
原材料調達 | 333 | 14% | 120 | 14% | -212 | -64% |
流通 | 1,880 | 81% | 717 | 82% | -1160 | -62% |
廃棄・リサイクル | 100 | 4% | 32 | 4% | -69 | -68% |
合計 | 2,310 | 100% | 869 | 100% | -1440 | -62% |
※IDEAv2使用
インフラの老朽化が進み、気候変動による自然災害が多発するなか、OKIは「防災DX」に取り組み、橋りょうや斜面、鉄塔などのインフラ構造物や、その現場の状況を遠隔から監視できるインフラモニタリングの技術により、維持管理や災害対応の業務を支援しています。
OKIのゼロエナジーIoTシリーズは、電源・配線が不要で、インフラモニタリングの導入を容易化するセンサーとゲートウェイで構成されています。
カーボンニュートラルに向けた生産ライン単位/設備単位のCO2排出量(電力使用量)の見える化を920MHz無線を活用することで、スマートに導入かつお客様で容易に拡張が可能とした「カーボンニュートラル 見える化パッケージ」をご提供しています。
地域の防災力強化を支える「OKIの総合防災ソリューション」
OKIの総合防災ソリューションは、地域の防災力強化に不可欠な「自助・共助・公助」の連携を重視し、そのために必要なステージに応じた、3つのソリューションで構成されています。各ソリューションは、既存のシステムとの融合、新しいシステム導入など、自治体の運用状況に合わせて提供していきます。また、本ソリューションの中核となる防災情報システム「DPS Core(ディーピーエス・コア)」をご提供しています。
近年増加する異常気象の影響で、従来の想定を超えた危険な災害が発生する可能性が増しており、特に水位計の設置率が低い中小河川の増水などによる市街地の冠水被害が増えています。
OKIとOKIコムエコーズは、このような社会的課題に着目し、低コストで容易に設置・情報収集を行うことが可能なセンサーとして、河川監視で多数実績のある高精度な「超音波式水位計」をベースに、無線装置と太陽電池を組み合わせ、ネットワーク配線工事や電源工事が不要な小型・軽量・一体型の「ゼロエナジー超音波水位計( 以下、ゼロエナジー水位計)」を開発しました。
OKIは、OKIコムエコーズの「ゼロエナジー水位計」とOKIの「SmartHop® SR無線モジュール」が搭載された「IoT-GW(※1)」を連携させ、ポイント監視からエリア監視へ、複数拠点の水位状況の把握が可能な「河川監視システム」の商品化を行い、水位情報の収集、公開を検討している地方自治体などに対し、積極的に販売、クラウドサービスでの展開も検討しています。
無線部の「SmartHop SR無線モジュール」は、920MHz帯マルチホップ無線により電波が届きやすく切れにくい特性を 持ち、高度な制御技術による省電力機能を備えています。これにより、広範囲で柔軟な無線ネットワーク化、太陽電池によるコードレス電源化が可能となり、屋外設置が容易な「ゼロエナジー水位計」が実現しました。
駅窓口の発券業務で、駅員が求めるのは「より速く」「使い易く」「省スペース化」です。このニーズを実現したのが「係員操作型サイバネ券(※2)発行機」です。
「より速く」では、磁気券部で従来比約25%、ICカード部で同30%の高速化を実現。機器を制御するファームウェア、印字ヘッド、搬送部品などの改良を重ね、達成しました。
「使い易く」は、開発の初期段階から現場の職員に窓口業務について改善要望のヒアリングを行い、誤操作防止などの機能を製品開発に反映し、お客様にご評価いただいています。
「省スペース化」の面は、操作パネル、ジャーナルプリンター(※3)、格納ボックスに着目し、卓上および足元空間で約60%改善しました。
各装置の小型化は、省資源化のほか、省エネルギー化にも寄与し、発券速度の向上に関わらず、発行機全体の電力消費は25%低減しました。
COREFIDOとは、「高耐久 × 高品質 × 低コスト」を追求したOKIプリンターの代表シリーズです。
COREFIDOは、世界初の卓上型LEDプリンターを生んだOKIが、「高耐久・高品質・低コスト」を軸にビジネス効率とTCO削減を実現するために開発した、OKIプリンターの代表シリーズです。LED方式ならではのシンプル構造で紙詰まりや故障を抑え、安定性・操作性・印字品質を兼ね備えた設計により、医療・調剤・物流など多くの現場で信頼を集めています。
COREFIDOは、メンテナンスのしやすさ、使い勝手やランニングコストでのメリットはもちろん、部品の取り替えに伴う資源消費を減らす、保守員の駆けつけに伴うCO2発生を減らすといった環境負荷の低減にも貢献しています。進化を重ねた「COREFIDOシリーズ」の高い耐久性は、メンテナンス・ソリューションとして「使い勝手」「コストメリット」と「環境性能の向上」を実現しています。
OKI電線では、使用済みのワイヤー電極線や電線を巻くボビンの回収サービスを行っています。資源の有効利用による環境負荷の低減とともに、ランニングコストの削減に貢献します。たとえば、使用済みワイヤー70kgの回収に対しては、新品ワイヤー20kg分の価格低減を行う還元販売をしています。送料や回収袋はOKI電線が負担するなど、回収サービスを促進しています。
製品に含まれる化学物質の規制は、世界各国で急速に強化されています。こうした管理は製品本体はもとより、梱包材を含め、すべての材料に及ぶものです。中でも欧州のRoHS指令、REACH規則は先導的な役割を果たしています。近年の動きとしては、世界的にPFAS規制の強化が進み、その実務は厳しさを増しています。
高度化する化学物質管理に着実に対応し、欧州をはじめとする世界の厳しい環境基準をクリアするために、OKIはソフトウェアを独自に開発し、活用しています。
調査プロセスでは、多様なフォーマットへの対応のほか、部品単位でRoHS指令など適合性を判定などがあります。集計・評価プロセスでは、化学物質の含有率の計算、製品単位でRoHS指令など適合性を判定。報告プロセスでは、販売先に応じた多様なフォーマットへの対応と、ITシステムへの要求は高度化しています。
こうした実務課題、そして頻繁な法令改訂にも対応することにより、社内のITシステムを使いやすい実務ツールとして進化させ、コンプライアンスの強化を続け環境に貢献しています。