素材もつくりも多種多様! 内田喜基さんの仕事

パッケージデザイン、ここが困っていた!

アートディレクター 内田喜基さん


+Designing
このコンテンツは雑誌「+Designing」にて掲載されているものです。

業界が切望する「白」が出せるプリンター

しかし、カラーレーザープリンターを使ってチェックできない色もあります。それが「白色」です。

ご存知のように、パッケージ印刷では「白色」がさまざまな場面で使われます。フィルム素材では下地として白を塗った上にカラー印刷するし、色紙に白インクを使ってロゴやイラストを印刷することも少なくありません。パッケージデザインにおける白色は、プロセスカラーに次ぐ5色目の色として、あたりまえのように使われる色なのです。

現在、「白」を使うパッケージの試作に活用されるものとして、「クロマテック」と呼ばれるインレタシートがあります(次ページ参照)。

クロマテックはメディア対応力が高く、紙やプラスチック、ガラスなどさまざまなものに転写できます。しかし、社内ではつくれないので外注となり、料金もサイズや使用色によって2000円〜10000円と意外に高価。また、基本的に1シート/1色なので、色のバリエーションを試そうとすればそれだけ試作コストもかさんでしまうそうです。

加えて、インレタシートが使えるのはロゴやマークといった文字やカットイラストなどスペースが小さなものが中心で、デザイン的な制約も多く、白色の裏刷りの代用にはなりません。
「クロマテックはいわゆるインレタなので実物に近いのですが、やはりデータ入稿から納品までタイムラグがあることがネックです。とはいえ現状では、どれだけ実物に近いものを見せられるかがプレゼンの成否に関わるので(クロマテック)は必要経費だと諦めていました。だから、白が出せるプリンターは、僕にとっても同業者にとっても熱望していた製品だったんです。C941dnは予想以上に白の濃度が高いし、フィルムや厚紙にも印刷できる。白の極細線もきちんと出ていたので、これはプレゼン用のダミー制作にも使えると期待しています」

パッケージのデザインでも使用機会の多い「白」という色。C941dnは粉体トナーでそれを実現した、他にない特徴をもつ製品です。

このC941dnの「白」が、内田さんの目にどのように留まったのか、そして、実際の仕事でどのように使われるのか。次ページからは、内田さんの事務所に導入されたC941dnによる実例と使われかたを紹介していきましょう。

「フィルム+白1色」はデザインスケジュールを前倒しで対応

困った!
cosmosでは、かつて販売されていた感熱リボン式のマイクロドライプリンターも使用。これで白は出せるが、さすがに10年以上使っていると社外プレゼンに耐えられない仕上がり。そこでボトルやフィルムに白を使う必要がある場合、クロマテックやスクリーン印刷を外注することが多いそうですが、納品されてすぐにサンプルをつくる手間や、イメージ通りにならなかった場合の修正時間を考えると、毎回サンプルづくりのために前倒しのスケジュールを取らなければいけないことが悩みの種。

パッケージ素材の種類が多すぎる。シミュレート方法をなんとか1本化したいけど・・・・・・

困った!
PETや蒸着フィルムなど透明素材にカラー印刷する際には、カラーインクが透けてしまわないよう下地として「白」を印刷します(白打ち)。こうすることでカラーがはっきりとした色で再現されるわけですが、社内プリンターで「白打ち」を行うことはほぼ不可能。紙に印刷してPET素材に巻いたり、試作のためにスクリーン印刷を活用したりと、さまざまな手法でプレゼンテーションを乗り切ってきました。
透明ボトルにフィルムを巻きつけたもの
透明ボトルにフィルムを巻きつけたもの。白+カラー印刷とカラー印刷のみの部分をつくって、使用中に残量がわかるようにデザイン。従来のプリンターでは再現できない表現です。
C941dnで解決!透明フィルムに白+CMYKでプリントすることでダミー制作も可能に。
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