ほぼ週刊 CINOのつぶやき(チノつぶ)第82号
「C&P事本において守屋実さんによる起業51セミナー開催」

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今年度の重点拠点
チノつぶ第72号「Yume Pro3年目の抱負」の中で紹介しましたが、今年度は、高崎を中心とする北関東拠点での活動強化を重点施策の1つとしています。特に今年度、OKIグループは、メカトロシステム事業、プリンター事業、EMS事業を再編し、コンポーネント&プラットフォーム事業本部(以下、C&P事本)を新設しました。C&P事本再編による効果をより引き出していくという観点からも、イノベーション活動は重要となります。
シニア・アドバイザー 守屋 実さんセミナー開催
その第一弾として5月27日に開催したのが、守屋さんの起業51セミナーです。守屋さんについては、チノつぶ第55号「OKIのイノベーション・パートナー(その5)」でも紹介しましたが、「新規事業のプロ」として活躍されています。守屋さんとは、2018年11月から2019年6月まで、内閣府のタスクフォースの委員を一緒に務めたご縁で知り合いました。
昨年、守屋さんが出版された「新しい一歩を踏み出そう」を読んだところ、Yume Proにおけるイノベーション・プロセスと守屋さんが30年間の経験から実践されているプロセスの共通点が多いことに驚かされました。この点については、チノつぶ第35号で詳しく紹介しています。Yume Proの活動について、新規事業のプロからアドバイスをいただくため、昨年の夏からイノベーション推進の加速支援をお願いしています。

起業51
セミナーは、前半は守屋さんのプレゼン、後半は個別相談会という構成で実施しました。守屋さんのプレゼンは、いつも「起業51」というテーマがあり、これは、「51=17+20+14」という式で表された経験談です。51は、守屋さんの年齢、17は企業内での起業、20は独立後の起業、14は週末起業を表しています。この式が守屋さんのキャリアを表すキャッチになっています。
守屋さんのこれまでの経験から、大企業による新規事業の失敗には、同じパターンがあるといいます。今回は、当時、守屋さんが新規事業創出を経験されていた案件をもとに新規事業へのチャレンジについて詳しく紹介しながら、解説していただきました。

マーケットを攻めるにはマーケットのプロが必要
守屋さんがかつて所属していた会社では、小規模病院向けの通販事業に参入しようとしていました。この時は、動物病院向けに転換することで成功しましたが、当初は、うまくいきませんでした。この最大の理由は、自社の人間だけで医療分野に入っていったことで、入り口の部分で気付かなければいけないことに気付けなかったことです。参入しようとする市場のことを理解しなかったために失敗するという、大企業に共通する失敗パターンだったというわけです。
つまり、ターゲットの市場を攻めるのなら、その市場のプロとの共創が必要です。その上で、新規事業担当者は、ターゲット分野の顧客を少なくとも100回くらいはあたって仮説検証をしなければならないと守屋さんは語ります。
Yume Proが目指すマーケットアウト型の新規事業を進めていく上で、押さえるべき重要なポイントです。OKIもイノベーション活動を推進していくにあたり、長年にわたる自社の経験だけではなく、共創パートナーとともに社会課題やお客様の課題を解決していきます。
(2020年6月29日、チーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)横田 俊之)