ほぼ週刊 CINOのつぶやき(チノつぶ)第72号
「Yume Pro3年目の抱負」

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2020年度がスタートしました。チーフ・イノベーション・オフィサーに就任し、OKIのイノベーション・マネジメントシステム(IMS)「Yume Pro」を立ち上げて3年目に入ります。OKIでは、昨年7月にISO 56002が発行されたことを受け、これに基づいてYume Proのレビューを実施しました。2017年夏にYume Proの企画に着手した時と同様、全役員へのインタビューも実施し、これまでの進捗状況と課題を洗い出しました。今年度は、こうした課題への対応も含めて、さらにYume Proの成熟度を高めていきます。
役員インタビューから明らかになった進捗と課題
Yume Proでは、「イノベーションが日常的な活動となる企業文化」を主要なKPIの1つに置いています。Yume Proがスタートする以前は、イノベーションが遠い存在のように受け止められていました。2年間で2千名強の社員がイノベーション研修を受講したことなどを受けて、「イノベーションは当たり前になっている」「Yume Proプロセスに基づく取組が定着している」という評価も出ています。一方、地方の拠点では、「まだまだ浸透していない」という声も多く、地方拠点も含めて、いかにグループ全体に広げていくかという課題が明らかになりました。
北関東拠点での活動強化
そこで、今年度の重点施策の1つとしているのが、高崎を中心とする北関東拠点での活動強化です。これまで、イノベーション研修やイノベーション・ダイアログ等の活動は、虎ノ門本社を中心に行ってきました。これは、チノつぶ第10号や第57号で紹介したように、様々な拠点や部門の社員が本社に集まって活動に参加することを通して、縦割りを是正し、グループ内の風通しを良くすることを目的の1つとしていたためです。
一方で、地方拠点からは本社での活動は参加しにくいという声もありました。また、OKIグループでは、今年度、メカトロシステム事業本部やEMS事業本部等を統合してC&P(コンポーネント&プラットフォーム)事業本部を発足させており、本部内の融合が大きな課題となっています。こうした状況も踏まえ、C&P事業本部の拠点となっている高崎での活動強化を予定しています。
若手社員にフォーカス
これまでも、地方拠点のニーズを踏まえて、イノベーション研修の地方開催も行ってきました。イノベーション研修は、役員から率先して受講し、部門長、部課長クラスに展開してきたため、今後は、中核となる若手クラスにフォーカスしていくことも課題です。北関東拠点での活動を強化することで、こうしたニーズにも対応していきます。
「ISO 56001 Ready」なグループを目指す
以上のような課題の他、トップマネジメントからの発信強化、更なる「機会に関する意図」の共有、ISO 9001等既存のマネジメントシステムと整合したIMS規程の導入などの課題があり、これらに対応した施策を加速させていきます。
2020年度後半には、IMSの社内規程づくりに関するプロジェクトを立ち上げ、3~5年後にIMSの認証規格「ISO 56001」が発行された際に、真っ先に認証取得できる状態を目指して取り組んでいきます。
(2020年4月7日、チーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)横田 俊之)