• 商品サービス
  • 投資家の皆様へ
  • OKIについて
  • 採用情報
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

Daily Topics

Yume対談

Sep.27,2022

Yume対談
「日本旅行×OKI
~新型コロナワクチン大規模接種センターでの協業~」

SUMMARY

創業120年余りの歴史を持つ旅行会社・株式会社日本旅行は、新型コロナウイルスワクチン「防衛省・自衛隊東京大規模接種センター」の運営を手掛け、社会に大きく貢献した。今回は、同社・情報システム部の今西部長をYume STにお迎えし、当事業での協業経緯やイノベーションへの想いをお聞きした。

左からOKI統合営業本部 牧田、株式会社日本旅行 今西部長、OKI藤原執行役員 CINO兼CTO、OKIソリューションシステム事業本部 山口の写真
左からOKI統合営業本部 牧田、株式会社日本旅行 今西部長
OKI藤原執行役員 CINO兼CTO、OKIソリューションシステム事業本部 山口

ひっ迫した社会課題に挑むコールセンター構築

藤原本日はお忙しいところ、ご足労いただきいただきありがとうございます。
また、今西部長には、2021年10月に開催された「CTstage25周年記念イベント」で、ご講演をいただき、改めて感謝申し上げます。
では、さっそく今回のテーマに入りますが、政府が主導する「防衛省・自衛隊東京大規模接種センター」の運営において、OKIをパートナーに選んでいただきました。本日は、同プロジェクトにおけるOKIとの協業経緯や、そこでのチャレンジを中心に、協業を通じて生まれたシナジーや、今後の社会課題解決のための協業・共創の在り方など、OKI側のプロジェクトメンバーも交え、お話を伺いたいと思います。
まずは、今西部長の簡単な自己紹介からお聞かせいただけますか?

今西現在は情報システム部門に携わっていますが、もともとはITなどとは無縁なキャリアでした。入社以来、全国の各支店に配属され、人事や経理、お客様相談室や商品開発などの業務に携わってきました。その後、本社経理部長を経て、2018年3月から情報システム部長を務めています。
近年はご承知の通り、コロナ禍という旅行業界にとって未曽有の危機に直面していますが、本案件でOKIさんとタッグを組み、新たな事業にチャレンジし、さらには感染症拡大抑止という社会課題解決に貢献できたことは、私のキャリアの中でも有意義なプロジェクトだったと思っています。
ちなみに、独立した組織だった情報システム部は、今年度(2022年度)よりDXにより新事業創出や業務改革の推進を行うDX推進本部の配下となりました。

株式会社日本旅行 DX推進本部情報システム部 今西部長の写真
株式会社日本旅行 DX推進本部情報システム部 今西部長

藤原今西部長のお話にあった社会課題解決への貢献は、これからの企業経営にとって最重要テーマだと思います。その中で、今回のように感染症拡大というタイムリーな社会課題にスピーディーに対応した御社の事業に協力できたことを、OKIとしても誇らしく思います。
これは営業に聞きたいのですが、そもそも日本旅行様とOKIとの関係は、いつごろまでさかのぼるのでしょうか?簡単な自己紹介と併せて取引経緯を教えてください。

牧田私は2015年に営業職として入社し2019年から日本旅行様を担当しています。今回のプロジェクトにも営業という立場で参画しました。OKIと日本旅行様の取引は30年ほど前、チケット発券システムをご導入いただいたのが最初だと聞いています。その後、プリンターをはじめとした店舗でお使いの各種端末やITインフラに取引を拡大し、現在は社内向けの問い合わせ窓口に「CTstage」も導入いただいています。

300回線の大規模コールセンターを実質20日で構築

藤原ここからは、「防衛省・自衛隊東京大規模接種センター」プロジェクトの入札から受注、コールセンター構築までの経緯をお聞きしていきたいと思います。
まずは素朴な疑問として、何故、旅行会社である御社がワクチン接種センターやそのコールセンターの構築・運営といった事業を手掛けるようになったのでしょうか?

今西 2010年代後半からインバウンド需要が拡大し、旅行業界は活況を呈していました。しかし、ご承知の通り、2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、旅行業界は一転して存亡の危機に直面しました。そこで、旅行業で培った経験やノウハウを活用しつつ異業種とも協業することで、お客様や地域社会が抱える社会課題解決に貢献する新事業をゼロベースで模索していました。その中で、旅行業で培ったホスピタリティ、人員・設備手配、コールセンター設置運営などのトータルコーディネートのノウハウを活用し大阪府の自治体にワクチン接種会場運営の提案を行い、採用されました。そこで高評価を得られたことが、ワクチン関連事業が加速したきっかけです。
その成功事例が行政機関の間で広まり、21年3月に防衛省から「政府主導のワクチンプロジェクトの計画があるので、知恵を貸して欲しい」との相談を受けました。ただ、この時点では、規模や会場、期間など、何ひとつ決まっていない状態でした。

藤原まさに手探り状態でのスタートだったわけですね。そこで、プロジェクトのパートナーとしてOKIを選んでいただいた理由は何でしょうか?

今西その後、防衛省によるワクチン大規模接種事業の概要が示されましたが、そこから2か月以内に接種希望者の予約や問い合わせなどを受け付ける300回線規模のコールセンターの開設と、大手町の東京大規模接種センターの開業をしなければならないという切迫したスケジュールでした。
ここで問題となったのが大規模コールセンターの構築です。当社でもコールセンターの運営実績はあるものの最大でも60回線程度の規模、しかもタイトなスケジュールということもあり対応策を思案していました。私としては「CTstageで実績があるOKIさんの力を頼るしかない」と考えていたタイミングで、当社の現社長・小谷野への社長交代の時機に鎌上社長(現会長)が来社されました。その際、私も同席していたので、その場でご相談させていただいたのがことの始まりです。

藤原そこからもタイトなスケジュールに合わせるため、試行錯誤があったのではないでしょうか。

今西それは、もう大変でした(笑)。当社が正式にOKIさんにコールセンター構築の協力を依頼した2日後にはOKIさんから初回提案書が提出されました。その後、計画案を微調整しながら見積書を作成し、なんとか応札に漕ぎつけました。

藤原公共事業の入札案件なので、万一、失注のことは考えなかったのですか?

今西それは、もう見切り発車でしたね。特に、回線確保には時間がかかるため数百万円の持ち出しを覚悟して、私も首を洗って待っていました(笑)。
そして、落札が決まったのは4月末。コールセンター開業は5月21日と決まっていたので安堵している暇はありません。通常、コールセンターの構築には4ヵ月は必要なので、そこからが勝負でした。

藤原OKIはどのようなサポートができたのでしょうか?
SS事本(ソリューションシステム事業本部)の担当SEである山口さん、お願いします。

コールセンター開設のSEを担当したOKI ソリューションシステム事業本部 山口の写真
コールセンター開設のSEを担当したOKI ソリューションシステム事業本部 山口

山口私はSEとしてコールセンター、コンタクトセンターの構築に長く携わってきましたが、これほどタイトなスケジュールの案件は初めてで、構築においての最大の課題は開設までの納期でした。その際、リリースされていた「CTstage Cloud」を活用できないかと考えましたが、CTstage Cloudで必要となる帯域保証型回線の敷設がOKI準備では間に合わないため敷設されるまでの期間を日本旅行様にて準備可能なベストエフォート型回線での対応とさせていただくことを提案時にご相談させていただきました。受注から運用開始まで2週間ほどしかないため、日割りの線表を作成し日本旅行様とOKIの作業分担、作業タスクを明確にして日々のコミュニケーションを密にすることでコールセンター開設に向けての作業品質確保に努めました。そして、開設直前には実際に業務をされるオペレーター200名にご協力いただき、オペレーター訓練も兼ねた動作テストを行い、期日通りにオープンを迎えることができました。その時は安堵するとともに、強い達成感を覚えました。

牧田受注が決まるまではとてもドキドキしていました。また、本件の場合、提案から運用開始までの期間が極めて短かったため、受注後も試行錯誤しなければならないことが多く、その対応に奔走しました。ただ数回にわたる運用期間の延長で現在(22年8月)も継続して利用いただいていることは大変ありがたいことだと感じています。

今西当社がこれほど大きな公共事業、国家プロジェクトに携わるのは初めての経験でした。また今回は喫緊の社会課題で、とくに防衛省は24時間・365日体制なので、昼夜を問わず、さまざまなことに対応する必要があります。当社もOKIさんをはじめパートナー企業の方々の力を借りて、GW返上で対応にあたりました。それを経て、大きなトラブルもなくコールセンターを開業できた時は、これまでの緊張から一気に解き放たれた気分になったと同時に、人は誰しも窮地に追い込まれたら、驚異的な力を発揮し、関係者で一致団結して仕事ができることを実感しましたね。

プロジェクト成功の秘訣は、縦横のスムーズなコミュニケーション

藤原OKIは長年、受託開発で実績を積み上げてきたのでスピード勝負に強く、24時間365日体制にも対応できる組織力も持っています。本件は、そういうOKIの組織力と旅行会社としての御社のコーディネート力やアテンド力がうまくマッチし、シナジーを発揮した協業の成功事例です。また、感染症対策という切迫した社会課題解決に貢献したという点では、まさにイノベーションの事例といえます。
この規模のプロジェクトを短期間でかつ、トラブルなく完遂できた背景には、現場でのスピーディーな意思決定が求められたと思いますが、どのように乗り越えたのでしょうか。

今西基本的には、現場での実務に関する判断や問題解決は一任されていました。社長や役員には、定期的に進捗状況を報告し、承諾を得ていました。

藤原OKIの営業として、プロジェクトを迅速、スムーズに進めるために工夫したこと、苦労したことはありますか?

牧田SEをはじめ、事業部や上層部との社内連携、さらにはお客様である日本旅行様との綿密なコミュニケーションを心掛けました。タイトなスケジュールでしたのでコミュニケーション不足で物事が停滞したり、手戻りがあってはいけません。社内外ともに物事がスムーズに進むよう調整を心掛けました。縦横の連携によるオールOKIの対応ができたと思います。

当プロジェクトの営業を担当したOKI 統合営業本部 牧田の写真
当プロジェクトの営業を担当したOKI 統合営業本部 牧田

藤原現在、OKIは全員参加型イノベーションのもと、技術、SE、営業が一体となってお客様に向きあうという方針を打ち出しています。本件を通して、OKIの働きぶりをどのように評価されていますか?

今西私たちはお客様からの要求に対して、手持ちのリソースを組み合わせ、実現に向けた提案書を起こします。ですが、当社だけのリソースには限界があり、その足りない部分をパートナーに補っていただきたいと考えています。今回の場合はとくに、できること、できないことを迅速にジャッジする技術的なエビデンスが必要であったため、営業の牧田さん、SEの山口さんをはじめOKIの方々から、迅速で適切なアドバイスをいただけたことに感謝すると同時に、協業の重要性を再認識しました。

コロナ禍を経て、新たな事業創出のための共創を加速

藤原我々も、手持ちのリソースだけでお客様や社会的なニーズに対応することは難しいと考え、外部パートナーとの共創を積極的に推進しています。その中で、OKIの技術力や組織力を評価いただき、パートナーに選んでいただいたことを嬉しく思います。今後も御社と協力し、新しいことや難しいことにチャレンジできたらと思います。
話は変わりますが、昨年(21年)末に発表された御社の中期経営計画を読ませていただきました。そこには、従来の旅行事業からソリューション事業へのシフトと、SDGsへのアプローチが示され、私としても非常に共感したのですが、今後、御社が事業転換を進める過程で、共創をどのように進めていかれるのでしょうか?

今西このコロナ禍を経験し、今後、旅行業だけでは事業継続が難しいことが明白になりました。ただ、事業転換と言っても破壊的イノベーションを求めているのではなく、手持ちのリソースの新たな活用方法を模索しています。今回のプロジェクトでは、大人数での会議や、イベントなどを取り仕切る当社の経験とノウハウをベースに、当社に不足しているITの技術やノウハウをOKIさんをはじめとするパートナーに補っていただきました。こういった共創事例を積極的に展開していくつもりです。
また、当社は、長く修学旅行を手掛け、全国の学校・教育機関との豊富な取引実績があります。つまり、教育現場が抱える課題も熟知しているので、そこから派生するソリューションや、事業も構想しています。その際はまた、OKIさんにご相談させてください。

牧田本件を皮切りに日本旅行様とは共創活動を推進しています。活動を通じて私が感じていることは、これまでOKIだけではが気が付くことがなかった社会課題が沢山あるということです。課題を発見するアンテナは多い方がいい。相互にアンテナを張って、足りないところを補い、新しい事業を創っていきたいと考えています。

藤原コロナ禍は、私たちに多くの災いをもたらしました。その一方で、この間、テレワークが急速に普及し働き方改革が進むと同時に、新たな事業やサービスが創出されるなど、イノベーションが加速したとも捉えられます。
あくまでも一例ですが、コロナ禍を経て高まった人々の健康意識に対して、私たちOKIは、健康ニーズに対応した新規事業を模索しています。そこで求められるのはベンダー目線ではなく、生活者や、ユーザーの視点です。BtoBの事業を手掛けてきたOKIにはそれが欠けています。反面、御社は長年に渡ってコンシューマー向けの旅行商品を手掛けてきた実績もあり、全国各地の生活者の志向やニーズを常にキャッチされていると思います。そういった点でも、今後も密に情報連携をさせていただき、ぜひOKIをうまく使っていただければと思います。
本日はどうもありがとうございました。

(2022年9月27日 イノベーション推進センター)

<参加者プロフィール>

株式会社日本旅行 DX推進本部情報システム部 部長 今西伸一氏
OKI ソリューションシステム事業本部 山口圭一
OKI 統合営業本部 牧田耕平
インタビュアー:OKI 藤原雄彦執行役員 CINO兼CTO

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

Special Contents

      お問い合わせ

      お問い合わせ