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注力分野の活動事例
リモートワーク・教育
リモートワーク・教育領域への取組み
労働人口減少による働き方改革の推進、および2020年の新型コロナ感染症対策をきっかけに、オンサイトとリモートサイトとでハイブリッドに業務を行うというスタイルが急激に進められています。さらに今後は、オンサイトだから、リモートだからといった場所を意識することなく仕事や授業ができる、スマートワークの世界に移っていきます。OKIは、このようなリモートワーク・教育の領域でのインテリジェント化、DX化に取り組んでいます。

学校教育現場における社会課題
近年、夏季には真夏日だけでなく猛暑日が頻繁に発生しています。これに伴い、学校教育現場において、熱中症をはじめとする体調不良、またその重症化、死亡事例等が社会問題化しています。その上、新型コロナ感染症対策としてマスク着用の徹底指導が行われており、体育授業に対する不安がぬぐいきれません。加えて学校教育現場では、2020年度より学習指導要領が変更され、生徒の主体的かつ対話的で深い学びを重要視するようになりました。成績評価のためには、生徒の運動能力の変化やどれだけ頑張っているかの様子をとらえなければなりません。その結果、細かな運動能力のデータ記録やデータ収集、データ整理等に伴う業務量の増大が、先生の長時間労働の一因となっています。

OKIが目指す体育教育ICT
運動に熱中するあまり、生徒は自身の体調変化に気づけないことが多く、気づいたとしても我慢しようとし、結果として体調不良が悪化することもあります。OKIは、体育授業をする先生に、個々の生徒の体調を手元のタブレットで一括に確認できるようにすることで、安心して授業ができる環境を提供しようとしています。また、蓄積された体調データを生徒自身が振り返って見ることで、自身のヘルスリテラシーの向上につながると考えています。
さらに、生徒の運動能力のデータ化のために、体育授業を受けている生徒全員の運動データを自動で集める仕組みを提供していきます。生徒の運動能力の記録、収集、整理をICTに任せることで、先生の負担を軽減できるため,先生は生徒と向き合う時間を増やし,生徒の頑張りに対するサポートと成績評価に注力できるようになります。

OKIの強み:移動対応無線通信
学校のグラウンドのような広い場所で、多くの生徒が動き回るような場面では、常時生徒のバイタルデータを収集することは非常に困難です。学校での体育授業を想定すると、次のような課題や制約事項があります。
- 商用の通信回線等の免許必要局は、通信品質は安定するものの通信費が高額になります。
- 通信費が不要のWi-Fi, Bluetooth等の免許不要局は、少数近距離では使えますが、多数で広範囲を動く生徒のデータを、少数の基地局で集めることは困難です。
- 生徒が体育授業で腕に着ける程度のサイズのデバイスにするためには、ハードウエアの小型化(低消費電力化)が必須です。
- 生徒の体調をリアルタイムに見ながら授業をするためには、体温、心拍、運動量等の計測データの高頻度な収集が必要です。
OKIは、これら求められる要件全てに答えるために独自の通信方式を開発し、現場ニーズに適した移動対応無線通信システムを実現しました。長年取り組んできたネットワーク技術の研究開発の経験を活かし、広いグラウンドで体育授業をする多数の生徒の体調情報を、小型、省電力、通信費不要で、リアルタイムに、基地局1台で集めることができるようにしています。

体育教育ICTの今後の取組み
OKIは、移動対応無線通信システムを搭載した、小型のバイタルセンサー無線ノードを用いて、国立大学とその関連小中学校との共創により、具体的に体育授業に介入して実証実験を行ってきました。実証実験では、体育授業でのICTの有効な活用方法の検討や、生徒一人一人が主体的に体育授業に取り組めるような授業モデルを実践し、ICT活用の大きな効果を得ています。

体育授業での実証実験の様子
このように授業教材として効果的にICTを活用するとともに、先生にとって生徒の体調情報が一括で確認できる事が体育授業を安全、安心に行うために有用であることの価値も理解していただき、引き続き小中学校への導入に向けた実績作りを進めていきます。
活動状況
【2023年2月28日、日刊工業新聞に掲載】
特集記事「ニューノーマルで輝く」に、「OKI 体育授業で生体データ取得」として紹介されました。
【2022年11月、OKI Premium Fair2023に出展】
OKI Premium Fair 2022にオンラインで出展しました。出展動画をYouTubeでご覧いただけます。
https://video.oki.com/jp/detail/videos/%E3%81%8A%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%A1%E5%8B%95%E7%94%BB/video/6316863532112
【2022年4月、令和4年大阪市イノベーション創出支援補助事業への参加】
OKIは、2022年度、大阪教育大学様と「児童・生徒を対象とした体育科学習におけるICT活用の有用性検証」のテーマで、大阪市イノベーション創出支援補助事業に採択されました。本事業では、教育現場で利活用可能なリストバンド型のICT機器(バイタルセンサー)の開発・改良を目指し、児童・生徒の体育授業および戸外遊び等を対象として実証実験を実施します。そして、運動中の体調情報や身体活動情報を取得分析し、授業中の健康・安全管理や学習・評価の質向上に関する有用性の検証と新たな体育科教育の検討を行います。
【2022年3月、大阪教育大学様との共同研究を開始】
OKIは、2022年度、大阪教育大学様と共同研究契約を結びました。本研究では、小中学生を対象とした体育科学習におけるICT活用の有用性検証と、ICT活用による新たな体育科教育の開発検討を目的としています。
関連する記事、文献
- プレスリリース 2022年3月29日 OKIと大阪教育大学、体育科学習におけるICT活用に関する共同研究契約を締結
https://www.oki.com/jp/press/2022/03/z21110.html - 日経エレクトロニクス 2021年7月号 HotNews 「数百人の生体情報無線取得 OKI教育現場向け体調管理」
- 日経クロステック 2021年6月21日「数百人の生体情報無線取得、OKI、教育現場向け体調管理」
- 高度 通信・放送研究開発委託研究(NICT委託研究) 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発 平成28年度~令和2年度
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/k_19102.html - プレスリリース 2021年4月12日 バイタルセンサー無線ネットワークを用いた体調管理システムの実証実験を実施
https://www.oki.com/jp/press/2021/04/z21005.html - Wireless Multi-Hop Networking for a Group of Exercisers Spread in a Sports Ground IEEE Healthcom 2018/09/17
https://ieeexplore.ieee.org/document/8531187 - Performance Prediction of Wireless Vital Data Collection System for Exercisers by a Network Simulator IEICE Trans.Commun.
https://search.ieice.org/bin/summary.php?id=e103-b_6_653&category=-&lang=E&year=2020&abst=