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Yumeトーク

Oct.4,2022

Yumeトーク第65回
重度障がい者の在宅勤務を実現し、誰もが働きやすい環境を創る
―OKIワークウェルのイノベーションとは?(後編)

SUMMARY

多様な人材がそれぞれの能力を発揮して楽しく働ける環境をつくることは、企業や社会が持続的な成長を実現するために不可欠です。その環境づくりを使命としてイノベーションを続けるのが、OKIの特例子会社として障がい者の雇用を推進する株式会社沖ワークウェル(以下:OKIワークウェル)です。同社は、テレワークが急速に普及したコロナ禍のずっと前から、ICTを活用して重度障がいのある社員の在宅勤務環境を整備してきました。その過程で培ったシステムやノウハウから新規事業を創出し、ビジネスとしての成果にもつなげています。さらには、SDGs実現を使命として掲げており、具体的に実践もしています。同社のイノベーションを牽引する代表取締役社長の堀口明子に、藤原執行役員CINO兼CTOがインタビューを行いました。

OWW堀口社長(左)、藤原執行役員CINO兼CTO(右)の写真
OWW堀口社長(左)、藤原執行役員CINO兼CTO(右)

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ピンチを脱した大胆な発想の転換とは?

藤原「ワークウェルコミュニケータ®クラウド」の開発により、働きやすい環境作りというOKIワークウェルの使命を実現するプラットフォームができたということですね。製品イノベーションを実現したことで、新規事業を立ち上げたと聞いたのですが、その内容を教えてください。

堀口「ワークウェルコミュニケータ®クラウド」を活用して、障がいのある方のために新たに在宅型での実践訓練事業をスタートしようと考えました。実践訓練とは、障がいのある求職者に職場で訓練を提供することです。しかしそこには、大きな壁がありました。訓練を受ける方に事務所に来ていただく必要があり、また自治体ごとの取り組みであるため、事業所を構えている地方自治体でしか、実践訓練を提供できないのです。OKIワークウェルの事業所は、東京都と埼玉県だけですから、事業所を増やさなければ実践訓練を拡大することは不可能でした。これから、障がい者の法定雇用率も上がりますが、雇用する側としては誰もが戦力となり、会社の成長に寄与して欲しいと考えるはずです。そして障がいのある方は全国にいらっしゃり、自分の能力を活かして働きがいを持て仕事をしたいはずです。だからこそ、私たちはこの壁を乗り越えなければならないと考えました。

ワークウェルコミュニケータのデモ画面の写真
ワークウェルコミュニケータのデモ画面

藤原難しい課題ですね。そのような状態から全国の自治体に事業所を広げるというのは困難であると思えますが、どのようにブレークスルーしたのですか?

堀口発想を転換したのです。当社の紹介をした時に、「22の都道府県で社員が在宅勤務している」とお話ししましたが、それぞれの社員が勤務する自宅を事業所だと仮定すれば、22の事業所があると言えるはずです。このことと、私たちの強みである経験やノウハウ、「ワークウェルコミュニケータ®クラウド」をアピールして、ようやく2021年に宮崎県で在宅型実践訓練をスタートすることができました。これは、日本初のことだそうです。そしてこの実績により、今後日本全国に拡大していく足掛かりができました。既にいくつかの自治体に展開が決まっています。これによって訓練を受けて就労できる人が増えていけば、「社会の大丈夫をつくっていく。」にもつながるはずです。

堀口社長の写真
堀口社長

SDGsを事業と結びつけ、イノベーションを強力に推進する

藤原発想の転換、そして強みを活かしたイノベーション、素晴らしいですね。そしてまさに、SDGs No.8の「働きがいも経済成長も」に通じる事業だと思います。OKIでは17ゴールのなかの169のターゲットまで細かく設定していますが、SDGsを実際に事業と連動させることは簡単ではありません。特に今お話しいただいた「ワークウェルコミュニケータ®クラウド」による在宅型実践訓練事業は、ターゲットの8.5「2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。」に寄与するものだと思います。

堀口ありがとうございます。実は2021年度、OKIワークウェルは設立後初めて営業黒字を達成したのです。事業の成長を社員に還元するために、これから人事制度も変えて、さらに働きがいを持てるような環境をつくっていきます。そうすれば、よりNo.8に寄与できると考えています。

藤原SDGs No.4「質の高い教育をみんなに」にも注力していらっしゃるということで、ぜひその事例もお聞かせください。

堀口特別支援学校の生徒さん向けに、キャリア教育支援活動を実施しています。ひとつは、肢体不自由特別支援学校や自宅で、職場体験ができる「遠隔職場実習」です。これは2004年より始め、全国81校のべ288名が受講しています。次に、2011年にスタートした「出前授業」です。まだ障がいのある方の在宅勤務はあまり認知されていないため、当社の在宅勤務社員が特別支援学校を訪問して、体験談を通して働く意義やICTの重要性を講義しています。そして、生徒さんたちはなかなか遠隔地に出向くことができないため、「遠隔合同社会見学」を2015年から実施しています。毎年全国の特別支援学校からホスト校を決め、その学校と地域の名所などを選定します。当日は全国の学校や病院をつなぎ、現場から生中継で授業を行います。それによって、現地に行ったような疑似体験ができるというものです。

藤原これらの活動は、SDGsのNo.4のターゲットのうち、4.5「2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民および脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。」あるいは、4a「子ども、障害およびジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。」に通じるものですね。最近では、「ミラコン2021」というイベントのサポートも行ったと聞きました。

堀口「ミラコン2021」は、正式には「ミラコン2021 ~未来を見通すコンテスト~ 第4回プレゼンカップ全国大会」といいます。肢体不自由特別支援学校主催のプレゼンテーションコンテストです。以前は、肢体不自由の領域では甲子園のような全国的な大会はありませんでしたが、先生たちからの発案により実現しました。大会当日はメイン会場と全国の参加校をオンライン配信するのですが、OKIワークウェルでは第1回目より動画配信のシステム構成や運用を支援しています。私も審査員として参加しました。今後もそういった活動を続けていきたいです。

藤原執行役員CINO兼CTOの写真
藤原執行役員CINO兼CTO

社会貢献でも、ビジネスでも、価値を発揮できる存在に

藤原社会貢献をしっかり行って実績と強みがあるからこそ、OKIワークウェルはきっと事業の成果にもつなげていけると思います。では最後に、堀口さんの今後の目標について聞かせてください。

堀口私たちのキャッチフレーズは、「Value for the Business and Society」です。社会貢献の面で価値を発揮することも大切ですが、ビジネスにおいても実績を出せる会社になろうということで、社員にも常日頃話をしています。自分たちの得意なことや価値を最大限に引き出し、ビジネスでも皆さんに価値を認めてもらえるような存在になりたいです。そしてOKIが150周年を迎える2031年には、重度障がいのある方の在宅勤務を行う企業ブランドとしてナンバーワンになることを掲げています。そのためには、クオリティの向上、そして収益にもこだわらなければなりません。企業が成長するには、新しいことにどんどん挑戦する必要があります。そして、当社の財産は「人」です。だからこそ、一人ひとりが自ら考える力を身に付け、自分自身を磨き、価値ある存在になってもらいたいと思っています。

藤原堀口さんが強い想いを持ってイノベーションに取り組んでいること、そしてSDGsを言いっぱなしではなく具現化していることに感銘を受けました。今後、OKIグループも縦割りではなく、横に結合して全員参加型イノベーションで社会課題解決に臨まねばならないと常々考えています。そういった意味でも、OKIワークウェルの方々もどんどんYume Proチャレンジに提案していただきたいです。これからのOKIワークウェルのみなさんの活躍が楽しみです。本日はありがとうございました。

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

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