Yumeトーク第30回
最前線で活動するエバンジェリスト
SUMMARY
今回は、Yumeハブ第一期生のOKIソフトウェア(以下、OSK)の林部長にYumeハブとして最前線でのエバンジェリスト(※1)活動 について横田チーフ・イノベーション・オフィサーがインタビューいたしました。

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※1 エバンジェリスト…原義はキリスト教の「伝道者(Evangelist)」の意。自社の技術や提供する商品・サービスの価値だけではなく、最新技術やITトレンド情報を中立な立場で、広く正しく伝える人の意。
SDGsを切り口にビジネス・チャンスを開拓
横田林さんには、Yumeハブ第1期生として活動をしていただいています。これまでのYumeハブ会議でも、「Yumeハブの名刺を活用して顧客訪問を行い、ビジネス機会創出に取り組んでいる」といった報告を伺っています。OSK社長の猪崎さんから、林さんは以前から、SDGsを切り口にした活動をしていたと聞いています。

OKI執行役員 チーフ・イノベーション・オフィサー
横田 俊之
林私は、OSKの中で外販事業を担当しています。様々なお客様との会話の中でビジネスのキカッケを作るために、世界経済の動向や政府の政策を調べて話題にしていました。その中でSDGsも、日本の取り組みは遅れているけれど、いずれ波が来ると予測して活動を展開していました。
横田鎌上社長が、OKIプレミアムフェアの基調講演、SDGs達成に貢献するという方針を対外的に打ち出したのは、2017年の11月でした。
林私は、OSKの経営層にSDGsに着目して活動しているという説明をしたところ、「お前何を言っているんだ」と言われてしまいましたが、鎌上社長が対外発表する前のことでした。(笑)
横田先見性があり過ぎたということですね。(笑)
イノベーション活動を組織に浸透
横田これまで、Yumeハブとして活動してきた内容を紹介してください。
林まず、OSKの経営層や部門長が集まる会議で、Yume Proの活動についてお話をしました。
横田どんな話をされたんですか。
林皆さんに、「『御社のイノベーションに関する取り組みを聴かせて欲しい』と聞かれた時に、どう答えますか?」と、いきなり投げかけてみたんです。皆さん困った顔をしていたので、「イソゴロニ」と覚えてくださいという話をしました。
横田「イソゴロニ」?
林ISO 56002に勝手に語呂をつけて、覚えてくださいという話をしました。イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の国際規格「ISO 56002」というOSをOKIグループにインストールすることによって、システマティックにプロセスを進める基盤ができるという話をしました。
横田Yumeハブ会議やYumeハブ合宿では、OKIのイノベーション・チームの他、素晴らしいゲスト・スピーカーをお招きしました。IMSは、OSだというのは、この時のプレゼン内容の1つですね。これを経営層と共有されたわけですね。

通信ソリューション第三グループ
システム第一部 部長
林そうです。それから合宿では、OKIの仲間と議論しながら、ATMを何とかしようという想いに駆り立てられました。ATMを担当している人は、前提がATMになってしまう傾向があります。金融において、どの様なサービスが求められているのか、今後、世の中はどうなっているかを考えるところから貢献したいと考えています。
横田私のコラム「チノつぶ第69号」でも「イノベーション近視眼」について紹介しました。合宿にも来ていただいた多摩大学大学院の紺野教授が執筆された「イノベーション全書」に書かれています。自社の強みがあると、そこから離れられなくなる。これを矯正するためには、目的に立ち返る必要があるという話です。ATMについても、もう一度、目的から、求められているソリューションを考える活動を展開していきたいですね。
エバンジェリスト名刺の活用
横田Yumeハブとして、社外ではどの様な活動をされていますか。
林Yumeハブに任命され、「エバンジェリスト」という名刺を使って活動をしています。10社程度を訪問した際に、この名刺を活用しました。
横田この名刺を、どんな風に役に立てているのでしょうか?
林お客様と会話している際に、この名刺がキッカケとなって、将来的な仕事の議論に展開することがあります。
横田たとえば、どんなケースがありましたか?
林たとえば、「セキュリティ技術の強みを活かせないと悩んでいる」といったお話では、お客様とユースケースを議論する事例がありました。その他にも、地球環境の問題解決をテーマに、お客様と共に、ビジネス・チャンスを考えていくキッカケを掴んでいます。今後も、新規事業機会を得るために、さらに活用していきたいと考えています。
組織文化を変革する
横田林さんがYumeハブとして活動を行っていることで、OSK社内は変わりつつあると感じていますか?
林OSKでは、幹部社員は全員イノベーション研修を受講するという方針で取り組んでいますし、大分浸透してきているんではないかと思います。
横田Yume Proプロセスに沿って新規事業を進めていくことで、動きがスムーズになった、早くなったという感覚はありますでしょうか。

林そうですね。様々なお客様とのお付き合いの延長線上で、SDGsやYumeハブのネットワークを切り口にして、視野を広げた議論がスムーズになりました。私は水泳が好きですが、速く泳ぐためには、力強くかくだけではなく、いかに抵抗を少なくするという見方もあるじゃないですか。このように「目的を再認識する」「視点を変える」ことの大切さをYumeハブの活動を通じて再認識しました。これから世の中に役に立つソリューションを早くキャッチする機会が増えていくと考えています。
横田Yumeハブ第1期生として、今後、益々の活躍を期待しています。本日は、ありがとうございました。