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Yumeトーク

Mar.29,2019

Yumeトーク第13回 リアルとデジタルの接点領域で強みを発揮するOKIのAI

SUMMARY

OKIの「イノベーション推進部」では共創パートナーを募り、ともにイノベーションを実現することで、新たな事業機会の創出を目指しています。最良のイノベーションパートナーとしてOKIは「どんなことができるのか? 何をしてくれるのか?」……。OKIが提供する価値や可能性について、各事業を統括するキーパーソンがご紹介します。
第13回は、利活用の広がりで世の中の注目が集まっているAI(Artificial Intelligence:人工知能)について、経営基盤本部 研究開発センター AI技術研究開発部 部長の須崎 昌彦と情報通信事業本部 IoTプラットフォーム事業部 IoTソリューション推進部 部長の西川 律子が、技術開発やビジネス展開について語ります。

リアルとデジタルの接点領域で強みを発揮するOKIのAI

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エッジ実装で高効率かつ使いやすいAIの実現目指す
AIが普及した将来に向けての基盤技術開発にも挑戦

それぞれの部門がAI関連事業でどのような役割を担っているか教えてください。

須崎AI技術研究開発部は2018年4月の組織改正で新設されました。前身となる部門で行っていたセンシング技術のアルゴリズム研究、データアナリティクスの技術開発、AI対話やテキスト分析技術の開発などを継承しつつ、さらにOKIグループ全体のAI関連活動を統括・推進する機能として、(1)OKIグループ内AI関連情報の集約(2)AIを活用できる人財の育成(3)PoC(Proof of Concept:概念実証)の前段階となる技術検証の実施やサポートなども当部門で行っています。

西川IoTソリューション推進部は、情報通信事業本部全体で扱う共通商品の開発を担当しています。AI技術の実装に関してはAI技術研究開発部と密に連携し、またハードウェアの開発は同じ事業本部内の基盤技術センターと協業しています。

これまでの主な成果は?

西川具体的な商品としては、2017年7月に自然言語処理技術を活用したAI対話エンジン「Ladadie®(ラダディ)」、2018年10月には工場や鉄道の設備保全などに役立つ振動波形解析ソフトウェアライブラリー「ForeWave(フォアウェーブ)」をリリースしています。どちらも、お客さまとの共創で確かな成果をあげており、製造業や流通・小売業、金融機関に向けたソリューションへの組み込みも進んでいます。「Ladadie」に関しては、多数の拠点からの問い合わせ対応業務を抱える、企業におけるいわゆる総務系の業務効率化などにも適用できると考えています。

須崎交通分野でも、お客さまとの共創でプローブ情報を使った渋滞予測・所要時間予測にAI技術を活用した事例があります。このシステムでは、リアルタイムな工事情報やお客さまの経験値も取り込むことで非常に精度の高い予測を実現しています。
最近は、外部の教育・研究機関や企業との共同プロジェクトで、エッジ領域にAIを実装するためのAIエッジコンピューティング技術や、AI間連携を可能にする基盤技術の開発も進めています。

OKIが提供するAIの特徴、差別化ポイントは何でしょう?

須崎実際にAIを活用するには、リアルな世界の事象をデジタル世界に持ち込み、デジタル世界での情報処理結果をリアルな世界で実行する必要があります。この“リアルとデジタルの接点”は、OKIの強みを発揮できる領域です。つまり、OKIはお客さまの身近にあるさまざまなエッジデバイスを長年にわたり提供してきた経験から、豊富なドメイン知識(業界ごとの知見)を持ち、お客さまの業務課題をきちんと理解したうえでAIを提供できるということです。

西川通信の信号処理分野で培った技術を活かし、エッジへAIを実装できることがOKIの強みです。私たちは、膨大なデータをすべてクラウドに上げて分析するのではなく、エッジで処理してフィードバックし、必要に応じてクラウドと連携すれば非常に効率的と考えています。現在「高信頼アナリティクス」「AIの軽量実装」「耐環境性」の3点を追求し、リアルタイムかつ高速なAIを実現することで、光ファイバーセンサーや河川監視といった新しい分野へ適用範囲を広げています。

「AIは難しい、よく分からない」というお客さまもいます。どうアプローチしますか。

経営基盤本部 研究開発センター AI技術研究開発部 部長 須崎 昌彦
経営基盤本部
研究開発センター
AI技術研究開発部 部長
須崎 昌彦

須崎今注目されている「ディープラーニング」は、大量のデータから特徴を見つけ出して分類や予測などを行う機械学習の手法の1つで、従来のシステム開発と比べると、取り扱うデータの量と質、情報処理の考え方の2点が大きく異なります。ただ、お客さまへのソリューション提供という観点では、AIはあくまでデータを扱うためのツールの1つであり、システムにどう活かしていくかがベンダーとしての重要なポイントになります。

西川今のAIは確かに“デ―タありき”なのですが、まずは「何をしたいか、どうしたいか」が明確でなければ活用することはできません。AIを使う場合も、お客さまの具体的な要望をお聞きし、課題解決が大前提となることは、従来のシステム開発と何ら変わりません。

お客さまのAI導入・活用を支えるベンダー側に求められることは何でしょうか。

西川AIの評価で最もポイントとなるのは出力結果の精度です。精度を高めるには、取り扱うデータをきちんと精査し、適切なアルゴリズムを選択する必要があります。こうした作業には人的スキルが大きく関わってきます。OKIとしては、お客さまの課題を理解する力やドメイン知識に加えてAIスキルにも長けた人財を増やすことが課題の1つだと思います。

情報通信事業本部 IoTプラットフォーム事業部 IoTソリューション推進部 部長 西川 律子
情報通信事業本部
IoTプラットフォーム事業部
IoTソリューション推進部 部長
西川 律子

須崎AI技術研究開発部の役割に人財育成が含まれているのも、その重要性を強く認識している証しです。具体的な取り組みとしては、基礎から応用、実践まで5段階に分けた教育・研修体系を整備し、OKIグループ全体でAIスキル向上を推進して成果が出始めています。また、社内でのAI取り組み事例を発表する「OKI AI Conference」などのイベントも開催し、社員のAIに対する意識向上も図っています。

今後の目標、意気込みを聞かせてください。

西川エッジへのAI実装を進めていく中で「すぐに使える=導入初期でも一定の賢さを備えている」「あちこちで使える=ロバストネス()である」「自動で賢くなる=先々の変化に対応できる」――の3つを実現したいと考えています。今のAIシステムは、案件ごとにデータを入れ、学習させてモデルを作るという個別学習が必要ですが、エッジにAIを組み入れるのであれば、比較的簡単に導入でき、ある程度の効果をすぐに得られるような仕組みも提供し、AI活用の裾野を広げていきたいと考えています。一般的にAIは「頑固者で職人気質」。職人技とお客さま、パートナーさまのデータや技術をうまく組み合あわせ、使いやすいAIソリューションを共創していきます。

須崎現段階でのAI技術をさらに磨き、AIを使いこなせる人財を増やし、お客さまにより良いソリューションを提供していくことに引き続き注力するとともに、先を見据えたコア技術の研究開発にも取り組んでいきます。実は、すでに“ディープラーニングの次のAI技術”の調査に着手しています。実装技術だけでなくコア技術においても研究を進めていきます。

※:ロバストネス
システムなどで外部からの影響によって変化することを阻止する内部の仕組み。堅牢性、頑強性。

関連リンク

AI対話エンジン「Ladadie」https://www.oki.com/jp/ladadie/
OKI分析基盤を活用した異常予兆検知 https://www.oki.com/jp/esc/iot/detection.html

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

※Ladadie、ラダディは、沖電気工業株式会社の登録商標です。

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