Yume対談
「NTTコミュニケーションズ × OKI 共創の取り組み第一弾(後編)」
SUMMARY
OKIは、共創パートナーとして、一足先にイノベーション活動を展開しているNTTコミュニケーションズ株式会社のイノベーションセンター 東出プロデュース部門長、加藤担当課長、友田主査をお招きして、対談しました。前編に続いてNTTコミュニケーションズでの新しい価値創造の苦労話や、イノベーションの現場について藤原CINO兼CTOが伺いました。

上層部に「ノー」と言われたからやる
藤原(前編で紹介したHCAについて)実際の共創において苦労した点はございますか?
東出これは社内の話なのですが、話をまとめて上層部に説明に行った際に、イエスではなくノーと言われたらやろうと思いました。理由は、イエスと言われるようなものは、きっと他社が既に実施していると思い、ノーと言われるような内容でこそ取り組む価値があると思ったのです。実際に、見事にノーと言われ、そこから時間が掛かりましたが、8回目の上層部への説明でようやく許可をもらうことができました。
藤原経営者の皆さんからしても、通信キャリアがやることなのか?と最初は疑問があったということですね。
東出仰る通りです。お客様にお話に行った際も、何で通信キャリアがこんなことをしているのという意見が圧倒的でした。外貨両替という言葉を最初に使ってしまったのですが、「通貨」もデータの1つとしてその「流通」や「価値交換」というデータマネジメントサービスは NTTコミュニケーションズの本業を徹底的に活かした「デジタル事業」であるという説明により、納得していただけました。これも苦労した点です。
藤原社内においても、ビジネススキーム、つまり、すべてのステークホルダーが登場して、その中で自社がどういったポジションにいるかというのを説明しないと説得できないし、理解も得られないということですね。
東出仰る通りです。

コロナ禍における共創ビジネス
藤原2つ目のお話に進めさせてください。
ここから、加藤担当課長と友田主査にもご参加いただいていますので、お聞きしていきたいと思います。OKIから宇田川、安田も参加しています。
今回の共創活動では、徹底的に現場の課題解決指向の考え方ですが、2つ目の事例である、外出先などオフィス以外のワークスペースを検索・予約・決済をスマートに行う「Dropin」について、どういった形で発想されたのか入り口の部分のお話をお聞かせください。
東出最近では、スマートエンタープライズと呼んだりしています。元々、プロデュース部門は大手町のメインオフィスの他にサテライトオフィスを持っていました。外出先などで、Wi-Fiのあるカフェなどで1時間ぐらい仕事をする場所があったらいいよねという話を皆でしていました。そうこうしている内にコロナ禍になって、益々需要があるのではということで、サービスを始めたのが「Dropin」です。実証実験の中で、ユーザーからの要望に「外出先で資料を直したが印刷できないか?」「簡単に決済できないか?」という声があり宇田川さんに相談しました。
宇田川そうですね。ご相談いただいたきっかけは印刷のため、プリンタ部門を交えて検討し始めましたが、顧客体験をどうすればよくなるかを考えた際にCounterSmartを活用して、お客様の来店時のチェックイン/チェックアウト/精算の自動化など範囲を広げて検討しております。

藤原言ってみれば、利用者目線で考えたとき、便利で手間なくという提供価値にリーチできるような仕組みを考えられたということですね。
東出徹底的にそこですね。何かをしてもらうというオペレーションがあるとき、面白がって使うだけでなく、当たり前になっていくことが必要だと思っています。また、「Dropin」などのサービスを導入いただく店舗側のメリットも検討し、加盟したいと思ってもらえることが大切です。
藤原一つの課題を解決できたら、さらに相乗効果を出し、課題解決を拡大していく。こういった観点でNTTコミュニケーションズさんは、徹底的なデザイン思考、つまり、イノベーション・マネジメントシステム(IMS)を活用した活動だと思います。
OKIとしては、どのように感じていますか?
安田今回の共創活動を通して、NTTコミュニケーションズさんのイノベーションへの取り組み姿勢や企業文化(デザイン思考)などに触れ、非常によい刺激を受けています。一部デザイン思考などは、OKIの社内業務にも取り入れ、参考にさせていただいております。

加藤本当に宇田川さん、安田さんのところとは、いいディスカッションをさせていただいております。それによってさらなるひらめきをいただいており、感謝しております。
宇田川こちらこそ感謝しております。これからは1社でソリューションを提供していくのは難しく、世の中の良いものを組合わせて早く提供していく必要があると思っています。両社で持っている良いものを組合わせてスキームやビジネスモデルを作り上げたいと思います。

圧倒的当事者意識を持ったイノベーション人材
藤原そういった観点では、イノベーションプロセスをきちんとやる。仮説をピボットしたり、エンドユーザーのお困りごと、さらにお客様に聞いたら仮説が変化していく。そこに忍耐強く対応していかないといけない。やはり、忍耐強い人がイノベーションに向いているんですかね。
加藤忍耐強いというか、鈍い人ですかね。
東出一番思うのは、圧倒的当事者意識を持っている人。諦めの悪い人がイノベーション人材だと思います。私としては、そういった人材になれるようチームメンバーを育成していきたいと思っています。
藤原会社は、イノベーションに対して即、成果を求めようとしたりすると思います。イノベーションは試行錯誤の旅ですから、どうしても時間がかかってしまう。忍耐強い我慢も必要だと思います。
加藤最終的に求めるユーザーさんとか、社会変化に応じて修正すればいいので、そこを許容する組織がポイントだと思います。
藤原そうですね。イノベーションでは、二日前に言っていたことと違うみたいなことを言われるが、二日で変わるのもイノベーションだと思います。それを許容する組織マネジメントが加藤さんとしての行動になりますね。ありがとうございます。
そういった中で、友田さんとしては、どのように考え共創を進めて行ったのかというお話をお聞かせください。
友田イノベーションでは、多様性が重要だと思っています。いろいろなアイデアが出て広がっていく中で、自分たちだけでは解決できないことが、OKIさんとの共創の中で、技術的なことであったり、具体的な実装であったり、といったことをご提案いただけるので助かっていますし、すごく早いです。

藤原1社で解決できない複雑な社会課題に対してオープンイノベーションで共創することによってあっという間にできてしまう。ある意味、イノベーションのスピード感、加速に繋がりますね。
東出はい。イノベーションは「異」文化の融合だという言葉を聞きますが、すごく腑に落ちています。
藤原今日は、いろいろと貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。とても勉強になりました。
東出こちらも楽しくお話しすることができました。
藤原これからも、NTTコミュニケーションズ×OKIで共創活動を進め、社会課題の解決、将来のスマートシティ貢献に向けて進めていきましょう。本日はありがとうございました。

*所属部署名は、2021年3月17日撮影当時