イノベーション推進センター 武市梓佐が、コクヨ「働くのミライ会議」で、健康経営のセッションに参加

ニューノーマルとして、新たなワークスタイルが模索される中で、企業とワーカー、企業と社会の新たな「つながり」の再構築を目的としたコクヨ株式会社主催の『働くのミライ会議vol.2』(※1)が、2021年10月13・14両日、リモートで開催。14日に行われたセッション(コロナ禍、再注目! 健康経営UPDATE)では、イノベーション推進センターの武市梓佐が、株式会社Mediplat取締役・高橋宏幸氏、コクヨ株式会社ヘルス&セイフティソリューション部の酒井希望氏とともに、これからの健康経営と、働く者の健康増進を促す行動変容について、熱いトークを交わしました。
※1 働くのミライ会議 vol.2(外部サイト:コクヨ株式会社)
*現在開催中の「2022KOKUYO FAIR(事前登録制、12/3まで)」 オンデマンド配信中(外部サイト:コクヨ株式会社)
健康経営に関する各社の取り組み
セッションのテーマとなった「健康経営」とは、従業員などの健康を経営的視点から考え、戦略的に実践することです。従業員に対して積極的な健康投資を行うことで、企業の生産性向上はもちろん、従業員満足度の向上、組織の活性化を図り、結果的に企業価値向上を目指す重要な経営戦略として注目されています。
セッション冒頭では、コクヨ・酒井氏が従業員の意識を高めるための同社の取り組み(健康ポイント制度、健康に関する交流イベントなど)Mediplat・高橋氏が同社のクラウド型健康管理サービス『first call』(医療相談、産業医面談、ストレスチェック、健診管理)、OKI・武市がコロナ過で開始したOKIの『スマート・ワークライフPJ』(オフィス改革、業務改革、ネットワーク改革、マネジメント支援、健康経営)と、働く人の生活習慣改善を目指す実証実験の事例をそれぞれ紹介しました。

従業員向け健康管理ツールは、いかに使ってもらうかが肝要
その後、酒井氏がファシリテーターとなり、フリートークが交わされました。その一部を紹介します。
(以下、敬称略)
酒井:OKIさんはオフィスビルでの階段利用を促進する実証実験をおこなっているとのことですが、どんな課題に取り組んでいますか?

武市:この実証実験は、健康行動を後押しし、意識変化と習慣化を目指した取り組みです。一般に大半の人は生活の中で楽をしたいとか、便利さを求めてしまうものです。その中で、いかにして健康行動への変容を促進させるかが一番の課題です。
酒井:煩わしかったマスクの着用がコロナ禍で一気に進んだように、危機感が行動変容を進めるという事実を再認識しました。Mediplatさんは行動変容について感じていることはありますか?
高橋:当社が提供する『first call』も全く新しいサービスなので、ユーザーにとっては敷居が高いようです。ただ、どれもオンライン上で気軽に受けられるサービスなので、一度使っていただければ、容易に習慣化できるはずです。だから、導入されている企業が利用を広げるために、何らかのきっかけを作っていただくことが大切だと思います。

酒井:私も『first call』のユーザーですが、特に医療相談はチャットで、しかも匿名で気軽に相談できるので素晴らしいと思います。ただ、健康経営を企業にアピールする際、その効果を数値化して示すことは難しいのでは?
高橋:おっしゃる通りです。たとえばオンライン産業医面談サービスでは、リモート化することによって可能となる産業医の拘束時間や移動コストの削減額を具体的に数値化して示します。また、医療相談サービスの場合は、実際に深刻な病気を早期発見し、重症化予防につながった事例などを示しています。
酒井:OKIさんもアプリなどを活用した行動変容を促すサービスを模索されていますが、使ってもらうための難しさは感じていますか?
武市:ユーザーが使いたい、触れてみたいと思うような仕掛けづくりの難しさを感じています。
酒井:最近、行動科学の分野などで「ナッジ(Nudge)」というキーワードを耳にしますよね…?

武市:ナッジとは「そっと肘で突く」という意味で、罰則やインセンティブなどでヒトの行動を制限・抑制するのではなく、無意識下で本人にとって最良の選択をできるように働きかけることです。具体例では「階段を使いましょう!」や「〇階以内のエレベーター利用禁止!」などの張り紙をするのではなく、さり気なく階段に消費カロリーを表記するようなことです。
酒井:OKIさんが志向する行動変容のソリューションも、ナッジを意識しているのですね?
武市:もちろんです。階段利用促進の実証実験では、階段や通路、エレベーターホールなどに位置情報がわかるセンサーを設置し、ユーザーが行動を起こす最適なタイミングで、階段/エレベーター利用の所要時間や歩数の比較を通知する仕組みを組み込んでいます。
酒井:皆さん、健康経営に関連したサービスの啓蒙や普及にご苦労されているのですね。健康経営に携わる者としては、テレワークが普及し、「顔色が悪いよ」「元気ないね」など、職場の上司や同僚からのちょっとしたケアの機会が減ったことを危惧しています。でも、コロナが終息してもテレワークの機会は以前より増えるはずですし、そんなハイブリットワークに対応したセルフケアを含む健康経営も必要でしょう。また、OKIさんの場合はテレワークに対応したヘルスケアソリューションも求められるのではないでしょうか。
今日はどうもありがとうございました。
今回のイベントでは、健康経営を従業員の意識改革支援、医療・健康サポート、ヘルステック(健康×Technology)とそれぞれの企業の得意分野からの視点で語り合う、有意義なトークセッションとなりました。
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*ロボットによる健康ナッジソリューション(外部サイト:コクヨ公式YouTube)