Yume塾便り「Yume塾便り」 第44回
OKIの本当の強みとは(その5)~OKIが推進するエコシステム~

http://www.iptpc.com
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前回は、ビジネスをリードするための標準化戦略と技術委員会をリードするOKIの専門家の存在についてご説明しました。今回は、OKIが取り組んでいるエコシステムについて紹介します。
前回までに説明したように、OKIは1990年代後半にVoIP(Voice over Internet Protocol)の技術を世界に先駆けて開発し、2000年代には商用IP電話システムの販売を開始しました。しかし、世の中ではIP電話に対する認知度は低く、多くの方が、「IP電話は音質が悪い」、「使えない」という間違った認識を持たれていました。こうした状況を改善するため、IP電話に関する書籍の執筆をはじめとする情報発信やディーラー教育などを行っていました。
しかし、OKI一社が情報発信しているだけでは、その効果には限界がありました。特に、IP電話システムの販売や工事を行っていたディーラーにはOKIの製品だけでなく、他社の製品も扱っている併売店も多くありました。併売店ディーラーからは「メーカーごとに教育するのではなく、共通的な教育をしてくれないか?」という声がありました。
そこで、OKIで行っていたディーラー向け教育をオープンに公開し、他社と共同で教育サービスを行うIP電話普及推進センタ(IPTPC)を2002年に立ち上げました。このサービスを始める際に社内からは「せっかく作った教育資料を何故他社に公開するのか?」といった反対意見が多くありました。しかし、IP電話の市場を大きく成長させるには、全国にディーラー網を早期に構築する必要があり、そのためには教育分野では競合他社とも協力するエコシステムが重要だと考えました。
こうした趣旨に他社からも共感していただき、NEC、富士通、日立製作所(現在は日立情報通信エンジニアリング)、パナソニック システムネットワーク(現在はパナソニックシステムソリューションズ ジャパン)、岩崎通信機、サクサが、この取り組みに参加しました。各社の協力によりVoIPアドバイザー、VoIPデザイナー、ビジュアルコミュニケーションアドバイザーなどの研修プログラムと認定資格制度を設立。現在では、のべ2万7千名の方に資格を取得いただき、日本のIP電話網の構築に貢献しています。

OKIでは、IPTPCの他にも前回ご説明したHATS推進会議(高度通信システム相互接続推進会議)やAIエッジコンピューターAE2100を用いた「AIエッジパートナーシップ」(※1)のエコシステムを構築しています。社会インフラを構築するためには、OKIだけでなく、産官学によるエコシステムの構築が欠かせません。OKIは様々なエコシステムへ参加するとともに、OKIが中心となってエコシステムの構築、運営にも積極的に取り組んでいます。(※2)このような活動が、社会の課題解決に貢献するとともに、OKIの大きな強みになっていると考えます。

出典: https://www.ciaj.or.jp/pressrelease2016/1561.html

(2020年2月13日、OKIイノベーション塾 塾長 千村 保文)