Yumeトーク第62回
全員参加型イノベーション×ダイバーシティ
SUMMARY
OKIはイノベーション・マネジメントシステム(IMS)とともに、ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion:D&I)を推進しています。今回は、海外営業、商品企画、SEとビジネスの最前線で活躍する三名の社員と藤原執行役員CINO兼CTOが、OKIの全員参加型イノベーションとビジネスの未来像について語ります。

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プリンター、金融ソリューションの最前線で活躍する女性たち
藤原今日は、OKIのイノベーションと女性活躍をテーマとしたYumeトークとして、事業部で活躍するお三方をお迎えしています。
まずは、それぞれのOKIでの経歴など、自己紹介からお願いします。
内海2014年に入社し、国内のディストリビューター営業を手掛けた後、商品企画を担当していました。現在はコンポーネント&プラットフォーム(C&P)事業本部海外販売推進部で、主に中国販社のプリンター販売サポートやカスタマイズ案件の対応などを担当しています。入社以来、一貫してプリンタービジネスに携わっています。
木村内海さんと同じC&P事業本部に所属し、今年で入社11年目を迎えました。入社後3年間、プリンターの国内営業担当を経て、マーケティング部門で販売推進に3年間携わりました。そして、現在は新商品であるA3モノクロプリンターのローンチ業務を手掛けています。
小野私はソリューションシステム(SS)事業本部DXソリューションSE部所属です。2002年に金融SEとして入社。2005年に金融関連システムの開発部門に異動となり、ホスト更改、端末更改などのプロジェクトマネージャー(PM)を務めた後、SEと開発部門間の異動を数回経験し、現在は主に地方銀行の営業店システムや店頭タブレットなどの提案SEを担当しています。
藤原それぞれ豊富なキャリアをお持ちですが、現在手掛けている仕事の魅力や、OKIに対するお客様からの評価などがあれば聞かせてください。
内海現在、中国市場をメインに携わっているのですが、海外ユーザーの声がダイレクトに伝わることが魅力です。具体的には、OKIが特にこだわっているプリントクオリティ(PQ)という、いわゆる発色の良さや、故障が少ない信頼性などが評価された時は思わず顔がほころびます。
藤原私も通信機器の海外事業を手掛けていたことがあるのですが、海外でOKIというとプリンターメーカーというイメージが強いようです。裏を返せば、OKIプリンターの品質の高さの表れです。
内海さんは海外、特に中国市場を担当されていますが、販売促進や市場拡大で工夫している、もしくは苦労されていることはありますか?
内海現在、OKIとして実績のあるオフィス向けのページプリンターではなく、ラベルプリンターという新しい領域の市場開拓にチャレンジしています。ここではターゲットとするお客様も異なってくるため、プロモーションや販売方法など、従来の方法が通用しない部分もあるため、現地の販社とともに攻略法を探っているところです。
木村商品企画に携わることで、設計から生産、販売まで、プリンターのサプライチェーン全体を見渡せ、各部門と関わることで幅広い知識を得られることが仕事の魅力です。また、OKIはプリンターメーカーとしては規模が小さいため、風通しがよく、それぞれの仕事の内容も理解し、協力し合えるのが職場としての魅力だと思います。
小野PMやSEという仕事の魅力は、お客様と接し、社内のさまざまな部署とネゴシエーションやコミュニケーションを行いながらプロジェクトを進めていくことだと思います。それと、2019年に自ら商品企画した金融店舗向けタブレットあるのですが、育休明けの現在も、その商品のバージョンアップと携わっていることに、やりがいを感じています。
また、木村さんが言われたように、OKIはメーカーとして、丁度いい規模感なので、機動力があり、お客様の痒いところに手が届くような商品やサービスを提供できるところが、OKIとしてのセールスポイントだと感じています。
全員参加型イノベーションでお客様の課題を探索
藤原皆さんもご存じだと思うのですが、現在、GAFAと呼ばれる巨大プラットフォーマーが世界のデジタル市場で莫大な利益を上げています。そういったプラットフォーマーとは異なるポジション、つまり、お客様の現場に寄り添い、現状の課題を見つけ出し、その一つひとつを解決していく泥臭いビジネスがOKIの特長です。新しい顧客価値を創出するためのヒントはお客様の現場にあることを忘れずに行動してほしいと思います。そのために、営業や技術者が一緒にお客様の現場に足を運び、課題を見つける「全員参加型イノベーション」で推進してください。
前置きが長くなりましたが、皆さんにうかがいます。通常の業務の中で、全員参加型イノベーションをどの程度意識していますか?
内海昨年から新規技術発掘PJに携わっています。これはC&P事業本部内の垣根を超えたプロジェクトであり、他の事業部や技術部門とコミュニケートする機会が増えました。私自身もそうでしたが、長くひとつの商品に携わっていると「プリンターとはこういう物だ」「ATMはこうあるべきだ」などという既成概念に縛られていたような気がします。今回、プロジェクトに参画し、他部門との交流を深めたことで、従来と異なる視点からの発想の重要性を再認識させられました。
木村内海さんと同じ意見となりますが、他部門との交流はとても大切だと思います。実際、新商品を企画する場合、限られたスタッフだけでは、仕様や、市場投入後の使われた方のイメージが掴めないなど、悩んでしまうことが多々あります。しかし、チーム内に設計やソフトウェアに精通した方などがいると、エビデンスに基づいた、より具体的な提案ができることを実感しました。
小野私は最近、育休から職場復帰したばかりです。正直言って、育休以前は職場でイノベーションなど話題にもなっていなかったのですが、復帰してみたら、皆が全員参加型イノベーションを語るなど雰囲気が一変し、浦島太郎状態でした。そこで、私としても遅れを取り戻すため、積極的にイノベーション研修を受けるなどしてIMSが理解できるようになりました。お客様の課題を掘り起こすという、いわゆる仮説検証に関しては、以前から実践していたつもりですが、IMSを深く理解することで、その重要性を再認識させられました。また、課題によってはOKIだけで解決できないこともあると思うので、今後は社内の各部署だけではなく、お客様も巻き込んだ共創が求められると思います。
藤原皆さんが全員参加型イノベーションやIMSの意義を深く理解されていることを心強く思います。今後も、お客様の課題発掘と解決策の提案のため、研究開発メンバーもお客様の現場に連れて行き、全員参加型イノベーションをさらに進めてください。
女性が輝ける職場が心地いい
藤原さて、このトークテーマのひとつがOKIの女性活躍です。OKIでは男女を問わず働き方改革に積極的に取り組み、皆さんはどう評価されていますか?
内海私が所属している海外販売推進部は、女性比率が高い職場で、男女関係なくフレキシブルに働ける環境なので、女性として働きにくさや不便さなどは感じたことはありません。特に、最近はテレワークが増え、リモート会議中にお子さんなどが登場すると参加者全員が和むなど、子育て中のお母さん、お父さんに対する寛容さが増したと感じています。
木村営業部門は女性が少なかったのですが、現在所属している商品企画チームは、メンバー6名中4名が女性で、大半が子育て中や経験者です。私も昨年4月に育休から復帰し、現在も子育て中ですが、テレワークを活用し、何不自由なく子育てと仕事を両立できています。
小野私の場合、入社以来、男性が多い職場を渡り歩いてきましたが、これまで職場で男女格差を感じたことはありません。現在、木村さんと同様、子育て中ですが、育休明けで職場復帰したらテレワークが普及し、多様な働き方に対応できるようになったのはもちろんのこと、さまざまな子育て支援制度も充実していて、ありがたく活用させていただいています。
藤原ビジネスの第一線で活躍されている女性から、OKIの職場環境や制度を高く評価していただいて、経営側としてはとても嬉しい限りです。今後も気を緩めることなく、制度改革も進めていくつもりですので、提案や意見があれば、積極的に発言してください。
イノベーション活動にも積極的に参画したい
藤原先ほど、小野さんからイノベーション研修を受講されたというお話しがありましたが、内海さん、木村さんは、イノベーション活動に参加されたことはありますか?
内海私も、かなり初期の段階でイノベーション研修(基礎)を受講し、それ以来、日常の業務の中でイノベーションを意識するように心掛けています。Yume Proチャレンジについては、新規技術発掘PJでの成果をエントリーしています。また、イントラのYume Proサイトはマメにチェックして、OKIグループ内の最新のIMS活動状況などは把握しているつもりです。
藤原なるほど。想定より積極的に活動に参加されていたのですね。嬉しいです。
これは内部にいるとあまり気づかないことですが、OKIはIMS Readyな企業として外部からも高い評価を受けています。あとはイノベーションの成果を具現化することです。
木村私も、新規技術発掘PJの活動の一環として、イノベーション研修(基礎)とビジネスモデルキャンバス(BMC)フォローアップ研修を受講しました。特に、BMCフォローアップ研修はプロジェクトでBMCを担当した時期と重なり、学びながら実践できた点で、とても有意義でした。
藤原それは実にいいタイミングでしたね。それで、実際に活用してみて、BMCの評価はどうですか?
木村これまで新商品企画など、ある施策を考える際、以前は引き継がれてきた経験則や勘などに依存していた部分が多かったと思います。一方、BMCは体系化されたフレームワークで考えや課題点などが明確になるので、これからも活用したいと思います。
藤原BMCは、ただ埋めることが目的ではなく「誰に、どのような価値を、どのようにして提供するのか?」を導くためのツールです。そして、最も重要なのは、お客様の課題を発見すること。そのためには、何度も言いますが、お客様の現場に何度も足を運ぶ必要があります。イノベーションに欠かせないものは、質問、観察、人脈、実験の4つだと言われています。OKIは人脈、実験では強みを発揮できますが、残念ながら質問、観察力が劣っていると思います。皆さんとともに、その弱点を強化していきましょう。
さて、小野さんはイノベーション研修以外、IMSの活動、施策で参加されたものはありますか?
小野Yume Proフォーラムが印象に残っています。とても参加しやすく、研究開発などの他部門の方や経営層の方々と意見交換ができる機会なので。今後も継続して欲しいと思いました。また、直近ではSS事業本部の商品企画研修を受講しました。そこではIMSやBMCのことにも触れられていて、とても有意義な研修でした。
藤原私の思っていた以上に、皆さんがIMSに取り組んでいることを頼もしく思います。
現在、OKIのIMSプロセスガイドライン0.1版をブラッシュアップ中で、2022年度下期にはプロセスガイドライン1.0版を公示する予定です。これはイノベーションを興すための仕組み、行動指針であって、OKIのトップはプールに喩えています。プールという環境が整備されたら、それを完泳できるスイマー、つまりイノベーターを育てていきたい。そのためには、泳ぎの上手い下手に関わらずプールに入る人も増やしていきたいと思っています。
では、最後に各人の今後の抱負や課題を聞かせてください。
内海今回、新規技術発掘PJに参画し、他部署の方々と意見交換する機会が増えたことで、自身の視野の狭さを痛感しました。今後は、自分が担当する仕事以外にもコミットし、仕事の視野を広げていきたいと思います。
木村業務の中では、常に全体最適を意識しているつもりです。以前からやっていた仕事の進め方や慣習などを漫然と引き継ぐのではなく、日常的に業務の問題点などを探りながら、仕事全体の効率化を図っていきたいと思います。
小野この先、金融市場はローカウンター、ハイカウンターとも従来のような専用端末に代わり汎用端末のニーズが拡大すると読んでいます。そこで、現在、手掛けている金融店舗向けタブレットをビジネスとして軌道に乗せることが直近の目標です。
それと、現在私は子育てをしながらプロジェクトマネージャー(PM)をしています。育児をしながら幹部社員になる事例がOKIにはまだ少ないと思いますので、自分自身がロールモデルになっていきたいと思います。
藤原それぞれの強い決意表明を聞いて嬉しく思います。企業がイノベーションを興していくためには、新たな視点、つまり女性の視点が欠かせません。皆さんには、今後もイノベーターとしての幅広い活躍を大いに期待しています。