Yumeトーク第15回 商品・市場の枠を越えた最適提案に邁進する「統合営業」
SUMMARY
OKIの「イノベーション推進部」では共創パートナーを募り、ともにイノベーションを実現することで、新たな事業機会の創出を目指しています。最良のイノベーションパートナーとしてOKIは「どんなことができるのか? 何をしてくれるのか?」……。OKIが提供する価値や可能性について、各事業を統括するキーパーソンがご紹介します。
第15回は、お客さま対応の最前線である営業部隊の取り組みについて、2019年4月に常務執行役員 統合営業本部長に就任した宮澤 透が語ります。

統合営業本部長
宮澤 透
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営業活動に根付き始めた“共創”と“転地”の意識
OKIの提供価値を積極アピールし未開のニーズを掘り起こす
統合営業本部の現在の組織体制について教えてください。
宮澤2010年4月に新設された統合営業本部は従来、市場を基軸とした法人、官公、金融、キャリア、パートナーの5つの営業本部を配下に擁していました。しかし昨今、お客さまが業際を越えて事業を展開するようになり、市場別のフレームではニーズへの柔軟な対応が難しくなりました。そこで2017年4月、中央官庁などをお客さまとする第一営業本部、業種を問わず大手の通信、金融、法人を中心に営業活動している第二営業本部、全国8支社のフォローを担う第三営業本部、そしてOKI商品のOEMや量販でお付き合いのある企業を担当する従来からのパートナー営業本部という構成に改編しました。
その成果はいかがですか?
宮澤
営業スタイルの変化を表すキーワードが2つあります。
まず、このYumeトークでも取り上げられている「共創」です。お客さまとの共創という観点では、日本を代表する大手企業とのリレーションが深い第二営業本部の取り組みが特に進んでいます。また、パートナー営業本部の業務は、そもそも社外との共創の上に成り立っているといえます。
もう1つは「転地」一般的な「移り住む」という意味とは異なり、商品の販売先について従来の枠を越えた領域にアプローチすることを指す部内の言葉です。たとえば、ATMや現金処理機はいまや金融機関だけでなく流通業や自治体にも提案し実績に結びつけています。こうしたことをさまざまな商品で積極的に行っています。その成功事例で、私が「すごい」と感嘆したものが、第一営業本部による「PAS」(※)の提案です。「PAS」は自社工場で考え出した手組み作業を効率化する仕組みを商品化したもので、製造業のお客さまが主たる販売先ですが、第一営業本部の部員は、まったく異なる業種の手作業による仕分け業務に悩んでいたお客さまに提案し、商談をまとめたのです。
お客さまの要望や課題をしっかりと捉えて、従来のフレームにとらわれず最適な提案を行えることは、OKIの営業の大きな強みです。この営業スタイルは、今のマーケットにおいてOKIの付加価値を一番引き出すことができる形だと思っています。
編集・発行の指揮を取られた、OKIの提供価値を分かりやすく紹介している冊子「OKI Style」も、フレームを外した営業に役立っていると聞きます。
宮澤
「OKI Style」は、2019年3月まで務めた第三営業本部長のときに、「もっとOKIのことを知ってもらいたい」と考えて作成したもので、これまでに3種類の冊子が発行されています。第一弾は、工場をメインテーマにしてOKIグループのモノづくりの特徴を紹介しています。第二弾は、さまざまな社会インフラで皆さまが知らず知らず使っているOKIの多様な商品を取り上げました。最新の第三弾は、ショールームにフォーカスし、お客さまが「ぜひ行ってみよう」という気持ちになるような内容にしました。
いずれも、第三営業本部のスタッフが苦労してまとめ上げた力作です。単独の部門が制作したものではありますが、社内の認知度が徐々に高まっていき、今では他の営業本部も事業本部も活用していますし、役員もお客さま訪問時に持参するようになっています。
「OKI Style」に対するお客さまの評価は?
宮澤
非常に好評です。既存のお客さまから「こんなモノもやっているの!?」といった驚きの声をいただくことも多々あり、狙い通りの効果が出ていると感じています。
実は、冊子での手応えを受けて、OKIがどんなことをしているかを紹介する「OKI Style セミナー」も定期的に開催しており、これまで多くの方に足を運んでいただいています。
こうした冊子、セミナーによるプロモーションは、OKIに対するお客さま側の気づきによって転地や共創に結びつく可能性を十分に秘めています。私は営業目線で「ホワイトスペース」と呼んでいますが、既存のお客さまに対しても、OKIが有するさまざまな提供価値によって課題解決のお役に立てる余地がまだまだあると思っています。
最後に、統合営業本部を今後どのように舵取りしていくのか、お考えを聞かせてください。
宮澤
ここまで述べてきた取り組みを継続しつつ、時代の流れやお客さまの変化を敏感に察知して、組織体制や営業スタイルなども時宜にかなった形に調整・修正をしていきたいと思います。
また、営業部員に対して、(1)138年の歴史で培われたOKIの社風や民度も強みと捉えてアピールする、(2)企業理念にある「進取の精神」=チャレンジする心を再認識する、を徹底していきます。これを日々の営業活動に組み入れていけば、お客さまの信頼をより深めることができ、お客さまにもっと貢献できるようになると思っています。

さらに、新規ビジネスの開発にも力を入れていきます。イノベーション推進部や各事業本部、研究開発センターなど社内の連携をより強化し、“攻めの一体感”を醸成して、オールOKIとしての将来を切り拓いていきたいと考えています。
※ PAS(プロジェクション・アッセンブリ―・システム)
製造業の手組み工程などにおいて、プロジェクションマッピングによる作業ナビゲーションと、高度なセンシングを活用した作業履歴のデジタル化を実現するシステム