日立ハイテクノロジーズのアイデアソンに、認知症のご家族をサポートする事業アイデアで参加してきました!
SUMMARY
他社主催のアイデアソンへの参加を機に、オープン・イノベーションのパートナーとして真剣なお付き合いをしたい 日立ハイテクノロジーズは、大学病院や研究機関向けの医療機器をはじめとした大型分析機器のメーカーです。

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ますます厳しさが予想される小売業界YumeST
「Nextヘルスケアアイデアソン」とは、日立ハイテクノロジーズがもつ、電子顕微鏡や分光光度計、そしてX線分析装置やDNA解析装置といった計測・分析装置やソリューションをもとに、少子高齢化が進む日本で人々の健康と暮らしを豊かにするアイデアを募るというイベントでした。
私たちが目指しているのも医療領域でのオープン・イノベーションなので、方向性もあっているし、どんなアイデアが生まれてくるのか興味もあったので「YumePro」チームとして、5名でグループ参加してきました。
実は、私は、個人的にはアイデアソンに参加するのは2度目です。
1度目は昨年11月に当社で開催したアイデアソン「OKI×アイデアソン」で、その時は、アイデアソン事務局も担当していたので、事務局と参加者の両方の立場から参加しましたが、今回はグループ参加のリーダーとしての参加となりました。
前回参加したアイデアソン(「OKI×アイデアソン」)では、ご一緒させていただいたグループのメンバーのみなさんの力を借りて優勝できたので、2連勝を目指すつもりで精一杯がんばってきました。アイデアソンをイベントとして楽しむだけでなく、一緒に世界を変える働きができるように、力を出し切るつもりで参加してきました。
認知症分野のイノベーションを目指したアイデアで勝負!
一般的にアイデアソンは個人参加が基本なので、イベント当日までは誰と一緒になってアイデア出しをするのかわからないものなのですが、今回私たちはグループとして参加させてもらったので、気心が知れた中でアイデアを出すことができ、その点ではかなり有利な条件で参加させてもらったと思っています。
その一方で、グループ参加だと多様性が生まれず、似たようなアイデアばかりになってしまい、なかなかアイデアの飛躍が生まれにくいことが欠点です。
そこで、私たちは、できるだけチームメンバーがそれぞれ実生活の中で、認知症というテーマの中で独自に培ってきた経験や知見を発揮し、チーム内でオープン・イノベーションが生まれるように細心の注意を払いました。
そもそも、認知症分野では、病院や大学の研究者をはじめ、企業、公共機関、ボランティアまでいろいろな方々がいろいろな取り組みをされ、いろいろな挑戦がなされている分野です。
自分たちだけが満足するようなアイデアでは、きっと社会に良いインパクトを与えることなどできません。
真に社会に価値のあるアイデアをひねり出すためには、まさに、自分たちが実地で経験してきたことから、現場にあった発想をすることができるかどうかが、勝負の分かれ目だと思います。
認知症でケアが必要なのは「家族」。家族を助ける実践的なアイデアとは?
厚生労働省発表の『日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究』によると、今後、認知症患者が増えていくのは避けられない状況です。また、『日本の将来推計人口』によると、患者を支える家族の世帯数や人口はますます減っていくのが厳しい現実なのです。

私たちは実体験なども踏まえ、認知症の患者と家族は先が見えない不安に襲われているなか、「心」の安寧のための根本的な解決策がみつかっておらず、もっともケアが必要なのは介護する側の「家族」ではないかと考えました。
具体的には、認知症患者を抱える家族は、不安な気持ちからすこしでも逃れるために、助けを求めてネットで情報を探しているものの、ネットには信頼できない情報ばかりで気休めにもならず、むしろ疲れが増幅しているのではないかというシーンが思い浮かびました。
一方で、認知症はさまざまな機関で研究され、知見もどこかに蓄えられているはずです。
しかし、得られた知見や分析結果は大学や研究機関に閉じていることも多いのではないか?むしろ、現場を巻き込んだ十分な数の臨床等の実証実験が行えていないのではないか?病院関係者や研究者は医療データを活用した事業化はそれほど得意ではないのでは?と考えました。
夢の認知症支援エンジン最適化プラットフォーム「DEO」
そこで、私たちが出したアイデアは、夢の認知症支援エンジン最適化プラットフォーム「DEO」という、ネットで医療関係の解決策を探している家族向けのサービスでした。
ちなみに、DEOはSEO(検索エンジン最適化:検索エンジンで上位表示を達成するための技術)を真似した造語で、Dementia-support Engine Optimizationの略です。
メンバーとの議論から、スマートスピーカーなどのやり取りを日常的に蓄積しておいて、日常の会話のやりとりと、インターネット上で共有された専門家の研究結果や知見とをマッチングさせることで、家族が気付くよりも前に、認知症の特有の症状(記憶力や受け答えの内容など)や予兆などを察知し、最適な解決策に誘導できるしくみができるのではないか?という結論に至りました。
つまり、
医療研究機関の臨床データを増やしつつ・・・
研究結果をわかりやすい形で公開することによって・・・
患者の症状や状況に合った最適な対処法や病院を・・・
信頼できる分析結果から紹介することで・・・
家族の心の負担を減らせることができることができるのではないか?
さらに言えば、認知症に関する情報の収集と提供のサイクルを、高度に最適化するしくみが必要なのではないか?
という発想です。
それが、夢の認知症支援エンジン最適化プラットフォーム「DEO」という、ネットで医療関係の解決策を探している家族向けのサービスでした。

OKIが強い「対話型AIエンジン」を前面に出したアイデア
近年のディープラーニングの話題性から、AIというと「画像」という印象が強いですが、世の中には画像よりもテキストのほうが、あふれていることを見逃してはいけません。
インターネットがその代表格でしょう。画像で検索することよりも、テキストで検索することのほうが圧倒的に多いはずです。
また検索結果も画像よりもテキストが多いですし、コミュニケーションもテキストが中心なはずです。
だからネットとの相性は、画像よりもテキストのほうが抜群で、認知症で助けを求めている家族を支援するための基本的な媒体は、「テキスト」だと考えました。
実は、そのテキストこそOKIがもっとも強みを発揮できる分野のひとつでもあります。
OKIが強みとしている対話型AIエンジンは、たとえば、悩みを持つ人が自分自身の悩みを的確に表現できなくても、会話形式のやり取りの中で、最適な解に導くことができる世界最高峰のAIエンジンです。
その強みを活かし、認知症の介護に悩みを持つ家族の課題を自律的に特定しつつ、日立ハイテクノロジーズがもつ医療機関とのパイプと膨大な分析結果から、知見を導き出すことでwin-winの結果を導くしくみがDEOをいうアイデアなのでした。
さて、果たして優勝することはできたのか?
ここまで偉そうなことを述べてきましたが、残念ながら、われわれYumeProチームは優勝を逃してしまいました。
今回のアイデアソンでは、さまざまな領域から参加してきた方々もいて、他のアイデアソンで優勝した経験者も参加してたりして、ユニークで面白いアイデアが集まっていました。
私たちも全力を出し切りましたが、健闘むなしく敗れてしまいました。
負けた原因はいろいろあると思いますが、まだまだ今回発表したアイデアを諦めたわけではありません!
今回は、メンターの皆様を始め、いろいろな視点からの意見をいただくことで、アイデアをブラッシュアップするチャンスをいただいたのだと少々勝手な解釈をして、今後は、さらに実現性を高めていきたいと思っています。
戦いには負けてしまいましたが、アイデアソン自体は、非常に楽しめることができましたし、メンバーにとっても大変良い経験ができたと思います。また、同じ医療分野でもさまざまな視点があることを知ることができたり、あたらしい気付きを得ることができたりして、大変有意義な時間を過ごすことができたと思っています。
今回は、残念な結果になってしまいましたが、これにめげずに新しい挑戦を続けていきたいと思っています。
医療分野で一緒に世界を変えたいとお思いのパートナー様。
今後ともよろしくお願いします!
これからもYumeProは、ますます複雑化する医療分野で、現場の役に立てるイノベーションを模索していくつもりです。
もし、今回の私たちのアイデアに賛同をしていただくパートナー候補の方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。
医療分野で一緒にイノベーションを起こして世界を変えたい!とお思いの企業様をお待ちしています!