• 商品サービス
  • 投資家の皆様へ
  • OKIについて
  • 採用情報
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

Daily Topics

Yume対談

Dec.24,2021

Yume対談
「OKIソフトウェア・猪﨑社長と一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)がイノベーション対談(Yume対談)を行いました」

SUMMARY

OKIグループのソフトウェアビジネスの中核企業である株式会社OKIソフトウェア(以下、OSK)は、このコロナ禍を契機に試行錯誤を重ねながら従来の働き方を大きく見直しました。今回は、OSK 猪﨑哲也社長とJINが、OSKのソフトウェア開発現場における働き方/学び方改革についてリモートで対談します。

OKIソフトウェア猪﨑社長(右)
OKIソフトウェア猪﨑社長

オンラインレビューでも作業品質を維持

JIN猪﨑さん、ご無沙汰しています。実は、前回のOKI電線の山口社長との対談もリモートだったのですが、掲載された私の写真がどうも間抜け顔(笑)で不本意でした。今回も1時間ほどお付き合いいただくのですが、その間、お互いに写真撮影のための心の準備を整え、男前に撮ってもらうことを今回の対談のもう一つの目標にしましょう。どうぞよろしくお願いします。

猪﨑はい。わかりました(笑)。よろしくお願いします。

JIN余談はさておき、本題に入ります。ニューノーマルという時代の渦中で、ソフトウェアビジネスも大きく変わったと思うのですが、そのあたりの時代認識からお聞かせください。

猪﨑当社は、OKIブランドとして展開しているCRM/CTIソリューション、ネットワーク管理ツールなどのシステムインテグレーションをはじめ、各種システムコンサルティングやソフトウェア開発を手掛けるソフトウェアベンダーです。お客様との商談や、定期的なスタッフ間のソフトウェア・レビュー(※1)、現場でのデバックやチューニング作業など、Face To Faceを基本としたプロジェクトが大半なので、いきなりのテレワークの導入で、かなり戸惑いもありました。

JIN私自身も昨年(2020年)2月、横浜港の「ダイヤモンドプリンセス号」でクラスターが発覚した際も、1年半後にこんな大事になるとは想像もしていませんでした。そして、新年度を迎えた辺りから行政などからの要請もありテレワークの導入が始まったわけですが、当初はどのような点でご苦労されたのですか?

猪﨑ソフトウェア開発といえば、デスクワーク中心でテレワークと親和性が高いイメージを持たれがちです。しかし、実際は先にも述べたような実情もあり、テレワークへの移行はそれほど容易ではないと認識していました。テレワークの導入当初は、いかにして作業品質、サービス品質を維持するかに試行錯誤を重ねていました。特に、レビューは成果物を共有しながら検証・評価を行うため、それなりの工夫が必要でした。

JIN具体的には、どのような工夫が施されたのですか?

猪﨑一例を挙げると、オンラインレビューでは、プロジェクトの進捗や成果物であるドキュメントの確認などの作業漏れやコミュニケーションの齟齬がいちばんの懸念材料だったので、資料の事前配布と確認の徹底を図ったり、作業工程の中にチェックポイントを追加したりすることでレビュー品質の維持に努めました。そして、昨年(2020年)の夏頃に、各部門単位で行っていた工夫や試みについてヒヤリングを行い、それぞれのベストプラクティスを共有し横展開することで、上期末頃には、各プロジェクトの特性にあったオンラインレビューのやり方ができてきたと思います。

JINその対象となった部門数はいくつぐらいあるのですか?

猪﨑開発だけでも16部門ありますね。リモート開発が可能なプロジェクトから、実機を使う必要があったり、顧客別のローカルネットワークでしかできない作業があったりとさまざまです。

JINその結果、作業品質は維持できてきますか?

猪﨑維持できていると言えますね。それもこれも現場の努力の賜物だと感謝しつつ、頼もしくも思います。

OSK独自の"学びのプラットフォーム"を構築

JIN今回、ソフトウェア開発現場のワークスタイルが大きく変わったのですが、テレワークなど作業のオンライン化によってもたらされたメリットのようなものはありますか?

猪﨑開発スタッフにとって技術習得の機会が増えたことですね。

JINほう。それはどういうことですか?

猪﨑当社は全国12ヵ所の開発拠点があります。従来は会議や研修などがあるとその度に出張していたのですが、個々のスタッフが抱える仕事のスケジュールの都合などで、参加できないケースが多々ありました。その点、オンライン化により参加しやすくなったばかりか、報告会や研修を録画して、スタッフがそれぞれの都合に合わせて視聴できる環境が整備されました。

JINそれは、学びの機会均等化につながりますね。

猪﨑その通りです。セミナーなどに参加できるのは首都圏や関西圏などに偏りがちですからね。

JINこのコロナ禍は、いつかは終わる。終わってもらわなければ困るのですが…。アフターコロナの働き方、学び方をどうするか、お考えはありますか?

猪﨑営業や開発などは、お客様やスタッフ間の円滑な意思疎通を図るため、徐々にFace To Faceとオンラインとを組み合わせた業務の進め方に移っていくと思います。半面、技術研修などの学びに関しては、この機会に全社員がオンライン化によるメリットを認識したので定着するはずです。

JIN余計なお世話かもしれませんが、全社員にオンライン研修の利用についてアンケートなど取ってみたらいかがでしょうか?

猪﨑今、まさにオンライン研修の録画視聴件数データを取って、分析しているところです。視聴件数は着実に増えているようで、手応えを感じています。

JINでは、中期経営計画についてお尋ねします。経営改革を進める上で、最も重視している課題は何でしょうか?

猪﨑OKIの中期経営計画2022のキーメッセージである「社会の大丈夫をつくっていく。」を実現するため、ソフトウェア開発の品質、コスト競争力、技術力の向上を図ることです。そのためにも、変化に対応できる組織づくりと人材づくり、そして、何より開発対応力の強化に努めていくつもりです。

JIN開発対応力を強化することで、何を変えようとしているのですか?

猪﨑従来はお客様からの要求に対して着実に開発する「受注型」のビジネスで、私たちも十分満足していました。しかし、これからは、より積極的な「提案型」ビジネスへの転換を目論んでいます。ただ、闇雲に提案するのでは意味がない。「私たちには、こういう実績があるので、任せて欲しい」と説得力のある提案を行うためにも、開発対応力の強化は必要なのです。

JINそれはまさに、顧客からの矢印を180°転換させるという、OKIが掲げる「矢印革命」の実践。つまり、矢印革命と開発対応力は表裏一体というということですね。その開発対応力を下支えしているのが、先ほど述べられたOSKの働き方改革、学び方改革だということでしょうか?

猪﨑そうですね。特に後者の学び方改革の面で、下支え効果が出ていると思います。何しろ学びのオンライン化により、社員が時間や場所を気にせず積極的に学べる機会が増えたことが大きいです。

JIN社長として、社員が能動的に学べる機会を増やしていきたいということですか?

猪﨑現在、当社では技術取得と実践の機会として、社内に「新技術ワーキング」を設置しています。そこでの議論や報告会の模様を録画し、社内で共有することで、学びの機会拡大に努めています。これと並行して、成果物であるドキュメントやノウハウなどを整理して、学びの環境全体を再構築しているところです。

JINOSKは、学びの革命を目指し、学びのプラットフォームを作ろうとしている意欲が伝わりました。

猪﨑OKIグループが「社会の大丈夫をつくっていく。」ために、ソフトウェアに関する技術やノウハウを社内だけではなく、OKIグループ内にも発信していく意気込みです。

お客様のイノベーションにソフトウェアで貢献

JIN現在、OKIではIMS(イノベーション・マネジメントシステム)を進めていますが、OSKもしくは猪﨑さんご自身として、この取り組みをどのように評価されていますか?

猪﨑IMSが始まった当初(2017年)からOKIの取り組みとして認識していましたが、当社ではなかなか浸透していなかったというのが実状です。そこで、今年度の年頭に「ソフトウェアの力でお客様のイノベーションに貢献する」というメッセージを社員に向けて発信しました。そして、OKIグループとして共通するイノベーションの考え方を全社員で共有するため、開発部門、間接部門を問わず全員がイノベーション研修を受講し、また、お客様への提案活動を行うスタッフに関してはSDGs研修を受講するように推奨しています。これがOSKの全員参加型イノベーションです。

JINそれはいい取り組みですね。とかくイノベーションというと、自分には関係ないと無関心になったり、何かとてつもなくぶっ飛んだことをやらなければならないと誤解したりしている人がいます。しかし、イノベーションの目的のひとつは、お客様に新たな価値を生み出すことなので、とても身近なものなのです。
OKIのIMSであるYume Proでは「試行錯誤を効率的に実行する」という目標を掲げています。OSKでは社員の試行錯誤をどのようにサポートされていますか?

猪﨑従来の仕事の進め方やルールが煩雑で非効率だと感じ、改善点があるのなら、そのままにせず上司にエスカレーションするように指示しています。そして、本社、開発部門、間接部門が一緒になって問題意識を共有し、議論する中で、新たなルールを作っていく作業を進めたいと考えています。

JIN「気づいたら、すぐに上司にエスカレーション!」って、いい標語になりそうですね。

猪﨑でも、実際は上司への遠慮などもあって、簡単なことではないような気もします。

JIN上司の方にも、社員からの改善提案、常識否定提案を受け入れる度量と覚悟が試されていると思います。

猪﨑最終的には、私の度量も試されるわけですね(笑)。
「社会の大丈夫をつくる」「お客様のイノベーションに貢献する」そして「ソフトウェアの品質を向上させる」、この3つが私たちOSKの方針です。これを社員全員が共有することで、OSKも成長し、変革していくつもりです。

JIN現在、OSKが直面している課題で、具体的に改善に取り組んでいる事例はありますか?

猪﨑技術力とスピード力、この2つの実力の強化が課題です。特にこれからは、時代の変化に柔軟に対応し、お客様にとってタイムリーな提案やソリューションを提供するためにはスピード力が問われます。いくらいいものを作っても、時間がかかっては価値がなくなります。そのため、当社が長年培ってきた開発ノウハウを活用し、開発の自動化を支援する「開発ツールチェーン」の適応範囲を拡大するという開発作業のDX化にも取り組んでいます。

JINなるほど。では、OSKが描くイノベーションをまとめてみましょう。まず、大前提となるのが顧客のイノベーションへの貢献。そのためにはOSKが技術力とスピード力の2つの実力を磨き上げる。そして、それを下支えするのがOSKの学びのプラットフォームと現場主導の業務改善である。こういうことでよろしいでしょうか?

猪﨑私の思っていたことをうまく体系化していただき、ありがとうございます。まさにその通りです。

JIN今日の対談はOKIのイノベーション推進の責任者である藤原さんも視聴されていると思います。最後に、猪﨑さんから藤原さんへのご要望などがありましたらお伝えください。

猪﨑当社では2020年度より、新事業推進統括部と営業本部で構成されるDXビジネス推進本部を新設しました。この組織は、OKIのイノベーション活動をOSK社内に取り込むと同時に、OSKが保有するソフトウェア技術をOKIへ発信するという2つの役割を持ち、イノベーション推進センター(以下、IPC)はその窓口になっていただいています。IPCには今後の技術トレンドを踏まえて、私たちに、今後どのようなソフトウェア技術の習得が必要なのかを進言していただきたい。そして、習得するだけではなく実践の機会が必要なので、是非ともPoC(実証実験)にも参加させていただきたいと思っています。余談ですが、現在、DXビジネス推進本部の4名がYumeハブ(※2)メンバーとして社内で活躍しています。

JINOSKがソフトウェア技術を高め、IPCが実践の場を提供する。この関係を今後ますます強めていくということですね。
さて、1時間余りの対談で、お互い緊張もほぐれたかと思います。渾身の笑顔で写真撮影に臨みましょう。今日はありがとうございました。

猪﨑有意義な時間でした。ありがとうございます。

JINはい、チーズ!

※1 ソフトウェア・レビュー:ソフトウェア開発において、成果物をプロジェクトマネージャー、各工程の担当者、ユーザー、顧客などの関係者がコメント・評価・承認するミーティング。

※2 Yumeハブ:OKIグループのイノベーション活動を関連会社などの各現場に浸透させる「イノベーションの伝道師」。
詳しくは、CINO ism Vol.16にて紹介しております。

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

Special Contents

      お問い合わせ

      お問い合わせ