OKI Innovation World 2021
オープニングトークに鎌上社長登壇

2021年10月18日、OKIのイノベーション活動を広く情報発信するイベント「OKI Innovation World 2021」を開催しました。鎌上社長のオープニングトークでは、イノベーションにかける想い、実際の活動、これからのOKIが目指すべきイノベーションのビジョンを宣言しました。本記事では、オープニングトークの講演内容をご紹介します。
鎌上社長のオープニングトークの動画は、こちらからご覧ください。(10分42秒)
「鎌上社長 オープニングトーク」講演内容
みなさん、こんにちは。OKIの鎌上です。
本日は、OKI Innovation World2021にご参加いただきありがとうございます。
イノベーションと言えば、今、いろんな所で活動が行われております。
上手く行っている所や、なかなか思う通りに進まない所などいろいろだと思います。
皆さんのところではイノベーション活動はどうでしょうか?
本日お話しする内容は、OKIの全員参加型イノベーションの取り組みについてです。

昨年12月のこの場で、2つの事を宣言いたしました。
1つ目は、OKIのマネジメントシステムに、イノベーション・マネジメントシステム(IMS)
を組込む活動を、国内他社に先駆けてスタートすること。
もう一つは、今後制定されるであろうISO 56001規格の認証を、
グループ全体でいち早く受けることができる様に「IMSレディ」な会社を目指す事です。

これまでのOKIは、お客様の要求に対して、高い技術力で要求を実現し、
高品質な製品を提供する受注型ビジネスで、お客様の課題解決に貢献してきました。

しかし、昨今のように変化が早く、SDGsにある環境問題や労働力不足など、
従来と比べて課題解決の解が明確でなく、複雑化してきています。
その様な市場変化や社会環境下では、
お客様自身だけでは、根本的、あるいは潜在的な課題に対し、
明確に解を見出す事が難しい時代となってきています。
また、その解決のスピードも要求される時代になってきました。
そのため、OKIはお客様の先の消費者目線にたって、
お客様との共創により社会課題を解決していくことが重要だと思っています。
それは、お客様からの「受注型の下向き矢印」から
お客様への「提案型の上向き矢印」へ転換していく事です。
これを「矢印革命」と定義して実行して行きます。
その矢印革命とは、「考える」文化の醸成です。

考える事とは
「社会課題の本質は?」
「私たちにできることは?」
「真の顧客価値は?」
「迅速に解決するには?」
そのような事を、社員ひとり一人が自分ごととして深く考え、
『意思』をもって取り組む企業文化を作って行く事です。
しかしどうでしょう?
皆さん、複雑な社会課題の解を見出すには、一人で考えていても限界がありませんか?
そこで、新たな価値を生み出すために、垣根を超えた部門の人たちと、
また、パートナーやお客様との議論を繰り返し、仮説立案および検証して行く事により、
独りよがりでない、真に求められる価値を見出して行きたいと考えます。

そのために、一人一人が自分事として、
全員が「考える!」、それが「全員参加型イノベーション」です。

『全員で考える』と言ってもどのようにやっていいか分かりませんよね。
そこで、イノベーションプロセスを業務プロセスに取り込みました。

イノベーションプロセスは、ISOで規格化されており、
ひと握りの天才から生まれてきた「イノベーション」を、システマティックに起こせる仕組みとして、
「ISO 56002イノベーション・マネジメントシステム」があります。
OKIは、2017年からこの考え方を取り入れ、
イノベーションを生み出す企業への転換を目指してきました。
イノベーション・マネージメントシステムに定められた各箇条に対し、あるべき姿を描き、
全員参加型のイノベーション・マネージメントシステム”YumePro“を推進しています。
本日は、この中から箇条5のOKIにおけるコミットメントと、リーダーシップについてお話しします。

2017年当時OKIにはイノベーションと言っても、「またいつもの流行り言葉か」と他人事だったり、
「現業をやっていれば食べていける」という甘えが、一部にある事を感じていました。
そのため、スタッフに、イノベーションに取り組む50人にヒアリングしてもらい、
社内の課題把握からスタートしました。
そして、役員や部門長へのワークショップを通じ、
膝詰め議論でマネジメント層のベクトル合わせから始めました。
時には「評論家的発言、知ったかぶり、ビジョンごっこ」のような意見もありましたが、
意思をもってコミットメントとリーダーシップに、「自らが行動変革する!」という信念で活動しました。

次に、経営層全員で合意したコミットメントを、正しく社員一人一人
に伝えようとしましたが、ここにもジレンマがありました。
年に数回の方針説明会や、イントラ掲載などで、いくら文章などで伝えても、
ミドルマネジメント層を含めた、社員一人一人まで浸透させ、
ベクトルを合わせるには、一過性の活動では伝わらないと言う事です。
そこで、社員一人一人とひざ詰めでコミュニケーションを行う横串での活動
「イノベーション・ダイアログ」を開始しました。
昼食の弁当を食べながらの2時間で、最初は階層別や職種別に始め、
また意識的に組織を跨ぐメンバーだったり、一般社員にまで対象を広げています。
昨年からは、コロナ禍でオンライン開催となりましたが、
1日でも早く収束し、参加者の反応を見ながら、
リアルで開催できることを切に願いながら、この活動を継続しています。

これら活動成果の一例として、「Yume Proチャレンジ」があります。
OKIグループ全体でビジネスアイデアを募集し、経営陣が審査の上、
受賞案件には予算を付けて仮説検証を加速させます。
3年間で応募件数も約4倍に増え、お客様との仮説検証を
議論した応募割合も増え、質・量ともに向上しています。
まさに「全員参加型」でイノベーションが加速しています。

本日は、イノベーションへの取り組みに加え、その活動から生まれた事例を、
ご紹介していきたいと思います。
『社会の大丈夫をつくっていく。』OKI。
是非、楽しんでいってください!
