塾長コラム「Yume塾便り」第53回
大成建設様でのイノベーション・セミナーに登壇

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2020年10月14日(火)に大成建設株式会社(以下、大成建設)の技術センターで開催されたイノベーション・セミナーにおいて、OKIイノベーション塾の千村塾長が講演し、大成建設の皆様と意見交換を行いました。セミナーは、新型コロナ感染拡大防止に配慮し、ソーシャルディスタンスを確保した上で30名が参加、その他の方はMicrosoft Teamsを用いてオンラインで約30名が参加しました。
講演の背景
今回のセミナーにお声がけをいただいたのは、2019年12月に開催された芙蓉グループ(※1)での芙蓉研究懇談会での講演がきっかけでした。この講演会に参加された大成建設技術センター先進技術開発部の上野様がOKIにおける企業文化改革の取り組みに感銘され、「大成建設で是非講演して欲しい」とのご要望をいただきました。当初は、2020年の春に実施予定でしたが、コロナ禍の中、様子を見ることになり、秋の開催となりました。
※1 芙蓉グループの“つながり”がベースとなって形成された企業集団。グループ企業が互いに対等な関係にあっての業種を超えた交流が特徴。
大成建設のイノベーションへの取り組み
大成建設では、2016年度より本格的なオープンイノベーションへの取り組みを開始しています。その活動はオフィシャルサイト「TOI Lab.」に掲載され、イベントレポート、有識者講演会、共創活動、ビジネスマッチングなどが紹介されています。今回のセミナーはオープンイノベーション講演会の一環として、横浜市戸塚区にある技術センターのTAC.T CAFEで開催されました。大成建設技術センターでは、環境に配慮したZEB(※2)実証棟や働きやすさに配慮したTAC.T CAFE、TAC.T TERRACEなどを構築、実践利用しています。

※2 ZEB Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の略で「ゼブ」と呼ばれる。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。
講演概要
今回の講演は「OKIのイノベーション・マネジメント改革」と題し、主に社内文化改革活動におけるイノベーション研修や社内啓蒙活動について1時間程お話ししました。講演後の主な質疑、コメントをご紹介します。
主な質疑・コメント
Q.OKIの企業文化改革のスピード、いきなり全社展開から入られたのには驚きました。千名研修や頻繁に開催される講演会などに対して社内の反応はどうですか?また、どのような変化が出てきていますか?
回答:正直、イノベーションは自分には関係が無いと思っていた社員もおり、最初は戸惑いの声もありました。しかし、イノベーション研修や社内セミナーに参加した社員からは、「イノベーションが身近に感じられた」、「イノベーションは自分に関係の無いことではないことがわかった」などの意見が出ています。また、Yume Proチャレンジで大賞を受賞した「AIエッジロボット」などのアイデアを基にした成果がCEATECに紹介されるなど事業の種も出てきています。
Q.企業文化改革のポイントは何ですか?
回答:色々とありますが、まず重要なのは「トップダウン」で上から展開し、「全員参加型」であきらめず続けることであると思います。
Q.建設業界では現場があることもあり、テレワークの実施率はOKIに比べると低い状況です。オンラインで研修をしているとのことですが、メリット、デメリットを教えてください。
回答:全国どこからでも参加できることがメリットです。昨年度までの集合型研修に比べて、支社や全国の工場からの参加者も増えました。デメリットとしては、グループワークは集合型研修に比べると時間と慣れが必要です。そのデメリットを少しでも減らすため、マニュアルを整備し、研修冒頭でTeamsの使い方に慣れる時間を設けています。また、議論をサポートするファシリテーターと研修全体のネットワークの状況などを監視する事務局を設置しています。このような準備があって、はじめてオンラインでの研修が効率的に運営出来ます。
セミナーの様子

講演後にも少人数の方と意見交換を行いましたが、同じ芙蓉グループの会員企業同士で今後共創活動を是非推進していきたいと語り合いました。
(2020年11月6日 OKIイノベーション塾 塾長 千村 保文)