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CINO ism

Feb. 22, 2024

『CINO ism Vol.53』
全員参加型イノベーションを加速する、OKIの人事制度改革とは?

OKI藤原執行役員 イノベーション責任者兼イノベーション事業開発担当(左)、八反田執行役員 人事総務部長 リスクマネジメント部担当(右)の写真
OKI藤原執行役員 イノベーション責任者兼イノベーション事業開発担当(左)
八反田執行役員 人事総務部長 リスクマネジメント部担当(右)

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OKIが目指す全員参加型イノベーションを加速させるには、多様な人材が能力を発揮できる風土や人事制度の改革が不可欠です。そこでOKIではカルチャー改革推進の一手として、組織・人事制度改革を実施しています。
そこで今回、人事総務部 部長八反田徹さんと対談し、人事制度改革や目指す姿、ダイバーシティ&インクルージョンに対する考えなど、OKIの現在と未来についてリアルな姿を語り合いました。

3つのスタイルチェンジの一翼を担う「組織・人事制度改革」

藤原OKIではカルチャー改革を積極的に推進しています。特に森社長が掲げているのが、「3つのスタイルチェンジ」です。全員参加型イノベーションの強化、経営陣によるF2Fコミュニケーション、そして組織・人事制度改革、これら3つを相互に連携させながら進めていきます。人事制度改革をリードする部門として、八反田さんはどう考えていますか?

八反田人事制度改革は、あくまでも手段であり、最終目的ではないと考えています。では何のために進めるのか。それは、社員の「ありよう」を変えるためです。OKIは幸いなことに良いお客さまに恵まれ、これまではご要望を一生懸命実現していくスタイルで成長をしてきました。受注開発の時代が長かったことの弊害として、自分で考えて自分で実現していく力がどうしても弱いという課題があります。その結果、「決めてくれないと動けない」「言ったもん負け」といった問題が起こってきます。
OKIには元来、自由に新しいことを始められる風土があります。この風土を最大限に活かし、社員が自発的に動けるようにし、「言ったもん勝ち」に変えていく。その後押しをするために、人事制度改革を進めるという認識です。

藤原受注開発のスタイルから脱するために、「言ったもん負け」の空気はなんとしても換えていかねばなりませんね。そのための手段こそが、人事制度改革です。これがしっかりと機能してこそ、社員のモチベーションも向上するはずです。
そうした中で、OKIでは幹部社員の目標管理シートに「イノベーション」という項目が加わりました。これは人事制度におけるイノベーションだと私は思っていますが、どんな議論があったのでしょうか?

八反田色々な議論がありました。「本来イノベーションは自発的に行うものだから、人に言われてやるものではないだろう」という意見があったことも事実です。OKIのイノベーションは新規事業を興すことだけではなく、業務を変革していくことも含まれます。そのためマネージャーが自分のミッションの中で前向きに進んでいくのであれば、特に会社から言われなくとも、自ずと何らかのイノベーションが自身の目標に入ってくるはずです。とはいえ、それは理想論です。今の段階ではなかなかそれができていません。そこでまずは目標管理シートに「イノベーション」を加える判断をしました。

藤原この議論は、イノベーション推進活動を始める時にもありました。「会社が成長するには、自発的にイノベーションを創出しなければならない。それなのに仕組みを整備することに違和感がある」という気持ちもわかります。ですが、そもそも社員がイノベーションの進め方がわからないのであれば、それを示さない限りは動けません。だからこそ、型が必要でした。
その点でも、目標管理シートに「イノベーション」を加えたことは大きな改革であり、新しいことにチャレンジする風土を醸成するための大きなポイントだと思います。

カルチャー改革は一朝一夕では実現できない、続けることが大切

藤原カルチャー改革には、経営層のコミットメントが不可欠です。3つのスタイルチェンジの2つ目「経営陣によるF2Fコミュニケーション」を掲げている通り、森社長の就任以降、経営陣と社員とのコミュニケーションの機会が以前よりさらに増えています。これによる変化は、人事部長として感じていますか?

八反田少しずつですが、変わり始めている実感はありますね。まずは1割2割が変化してから、全体がそれに続いていきますから、継続することが大切です。OKIには多様な社員がいます。それぞれ受け取り方も異なりますが、こうした経営陣と直接の対話によって、刺激を受ける社員がもっと増えるといいと思います。

藤原カルチャー改革は一朝一夕では実現できませんから、続けることが大切ですよね。経営陣が諦めてしまったら元に戻ってしまうので、粘り強く旗振りを続けることが必要です。人事総務部のトップとして、八反田さん自身は改革のために、メンバーにどのようなことを伝えていますか?

八反田仕事をするときに、「なぜそれをするのか」という“理由”を考えるよう伝えています。すべての仕事にはその背景があるはずです。よい仕事をするには「今までやっていたから」で思考停止をするのではなく、「なぜ今までやっていたのか」を考える必要があります。「上に言われたから」も、理由ではありません。上司はなぜそう命じたのか、何を実現するためなのか、それが理由です。そこを考え理解した上で、「これは違うな」と思えば議論すべきですし、結果として変える必要もあるかもしれません。これを伝え続けることで、メンバーから少しずつ改善提案が増えてきました。

藤原やはり、トップによる継続が重要ですね。メンバーからは、どのような提案があがっていますか?

八反田たとえば、支社人事の取り組みがあります。各支社には人事総務が2~3名配置されていますが、以前は各々の拠点で別々に仕事をしていました。しかし1年ほど前からメンバーの発案で、ナレッジ共有など支社間での連携を進めています。その中で、ある支社が多忙な時に、ほかの支社が業務をサポートするなど、前向きなアイデアが出てくるようになりました。日々の業務に追われ、忙しさに流されてしまいがちですが、「新しいことをやりたい」「横連携を進めて業務改善を進めたい」という意識がしっかりと芽生えていますね。

八反田執行役員 人事総務部長の写真
八反田執行役員 人事総務部長

若手、シニア、子会社――格差是正の取り組み

藤原続いて、人事制度改革の内容について聞かせてください。OKIではイノベーションにつながる風土改革と人事制度改革を促進しており、「格差是正」や「ダイバーシティ」といった観点でさまざまな施策を走らせています。
まず、「格差是正」の中に、「若手社員の抜擢」という施策がありますが、どのような背景がありますか?

八反田OKIの人事制度は役割等級制度ですが、まだ年功序列的な運用をしていたことは否めません。これを変えていかねばならないと考えています。その中でテーマとして挙がっているのが、「20代での管理職登用」です。これには色々な理由がありますが、ひとつ切実な課題はOKI社員の年齢構成がかなりいびつになっていることです。50代以上が多く、40代~30代にかけて凹み、20代後半からは少し増加しています。かつ、凹んでいる世代の人材は容易に採用できません。だからこそ、「若手社員の抜擢」のほか、「シニア社員活用推進」や「役職定年の廃止」といった施策を実施しているのです。

藤原格差の是正というところでは、「子会社の処遇の見直し」にも取り組んでいますね。

八反田こちらも段階を踏んで進めようとしています。最終的には、グループ全体でそれぞれのポストの価値を見て、処遇を決めていくことを目指しています。まずはそこに向けた第1段階として、OKI本体での幹部社員の等級制度を見直しました。

女性登用の課題は、下駄を履かせることでは解決しない

藤原3つのスタイルチェンジを進めるためには、「チームOKI」として、多様な人材の力を合わせてくことが必要です。そのカギとなるのがダイバーシティです。女性、外国籍、キャリア人材の積極登用、そして障がい者雇用を施策として挙げています。まず女性の積極登用については、どのように考えていますか?

八反田平等というよりは、公平を目指したいです。性別の区別をせずに、一人ひとりを見ていきたいと考えています。しかしながら、現状でマネジメント層、特に上位役職になるほど女性は非常に少ないです。これはまず女性の採用数が少ないということも一因ですし、結婚や出産といったライフステージの変化によりキャリアを中断する場合があるということもあります。
現在は、出産や育児のフェーズで支援する制度も充実させています。在宅勤務や時短制度、そしてアウトプット重視での仕事を志向することで、働きやすさは整いつつあります。あとは、「こういう環境で頑張っていこう」と思ってもらえるような意識づくりが大切ですね。これから実例をどんどん作っていこうとしています。
ただ、女性や外国籍人材を増やすことも、プロセス論だと思います。実現したいのは、性別や国籍などのデモグラフィックダイバーシティではなく、考え方や価値観などの多様性であるコグニティブダイバーシティです。仮に色々なラベルの人材が集まったとしても、結局同質的な考え方の人ばかりだったら、イノベーションは実現できません。

藤原役職者に女性を増やすことがゴールではなく、それはプロセスと考えて、一人ひとりの価値観を見極めて登用していくことが大切ですね。

八反田現状では、部長や課長の階層から偏りがあるので、まずはそこから手を付けなければなりません。内部昇格だけで女性幹部社員を増やそうとすると時間がかかりすぎるので、外部からも積極的に採用していく必要があります。

藤原そうですね。OKIの場合は年齢構成の課題もありますから、少し時間がかかりそうです。そして外部から登用する際も、時代に合わせて以前とは異なる観点で採用しなければなりませんね。

八反田ここで絶対にしてはいけないのは、下駄を履かせることです。「女性を何割にする」という目標を立て、その実現のために能力開発が不十分な状態で役職に就けてしまう事例をよく見聞きしますが、それでは本末転倒です。それで一時的には目標数値に到達したとしても、結局は事業で成果が出せず、本人も会社もお互いに不幸な結果になることは明白です。そのため、数字合わせのための登用は禁じ手だと考えています。役職者の女性については外部からの人材登用も進めながら、内部人材も時間をかけて育てていきます。

「OKIらしくない人」が活躍できる環境をいかにつくるか

藤原OKIがカルチャー改革を進めたり、仕事のプロセスを変えたりしていくためには、キャリア人材の積極登用も重要です。キャリア人材について、どのような観点で採用をしていますか?

八反田端的にいうと、「OKIらしくない人」です。これはOKIに限らないと思いますが、つい「この会社らしい人」を選考しがちになりやすいところがあります。しかし、先ほど話したコグニティブダイバーシティを実現してイノベーションを推進していくには、やはり「OKIらしくない人」の存在が大切です。しかし、単に採用するだけではその人の良さが活かされない可能性もあります。「OKIらしくない人」が活躍できるようなサポート体制を整えるべく、上司の意識も変えていく必要がありますね。

藤原そうですね。私たち経営層からミドルマネジメントも含めて、「OKIらしくない人」を受け入れる意識を醸成しなければなりません。そこは、イノベーション活動の中でかなり養われてきていると思います。そしてやはり「何のためにその人材を採用するのか」を、しっかりと認識しておくことが大切ですね。

八反田おっしゃる通りです。「人が足りないから採用する」という発想から脱しない限り、「OKIらしい人」ばかりになってしまいます。では何のために採用するのかというと、「OKIを変えるため」ですよね。これはトップが発信し続けることも必要ですが、共に働く現場の人が「変えていこう」という意識を自分ごととして持つことが重要です。そして採用して終わりではなく、オンボーディングもしっかりしていくことが大切ですね。

OKIのマネジメントとは何か――役割の定義を明確化

藤原人事制度改革としては、キャリアパスとして「マネジメント職」「プロフェッショナル職」「エキスパート職」の3つに定義づけて分類しました。この改変の意図について教えてください。

八反田以前は、「マネジメント」と「スペシャリスト」に分類していました。ここでの課題は、OKIのマネジメントの定義が明確ではなかったことです。マネジメントは管理することではなく、組織のミッションを達成するために“何とかする”ことだと思います。では、何とかするというのはどういうことかというと、ミッション達成のための戦略を考え、そこに向けて部下を育成したり動機付けしながら、うまくいかなければ次の手を考えながら、達成できるまで組織を動かしていくということです。組織として目標に向かってどうアウトプットしていくか、その意識が必要です。そのための役割を再定義したのが、新しい「マネジメント職」です。
そして以前の「スペシャリスト」は、実態としてマネジメント以外の人材という位置づけにされてしまうこともある状況でした。こちらも明確に位置づけることができていませんでした。そこで、今回あらためて役割を整理して、自らテーマを持ってプロジェクトを推進していく人材を「プロフェッショナル職」、そして組織の円滑な運営を頼もしくサポートする人材を「エキスパート職」と分類しました。
こうして役割を明確にして処遇も改善することで、一人ひとりがしっかりと目標やキャリアビジョンを描けるような仕組みにしています。

藤原こちらは2023年度からの施策ですが、現場の意識は変わってきていますか?

八反田正直なところ、まだまだこれからという状態です。焦って進めても結局は「ラベルが変わっただけ」となり形骸化しかねません。先ほどのお話しにあった目標管理シートの改善による効果も見ながら、今後もコミュニケーションを地道に行うことで変えていくことが必要だと考えています。

社員が前向きに新しいことにチャレンジできる人事施策を

藤原OKIがさらなる進化をするために、八反田さんの今後のビジョンをぜひ聞かせてください。

八反田社員一人ひとりの変化をどう支えるかというのが大きなテーマです。変化を経て、新しいことに積極的に取り組める人材になって欲しいと願っています。そのために、社員が前向きな気持ちになれるような施策を打っていきたいです。また、この想いを私だけで終わらせるのではなく、後に続く人たちにもつなげていきたいです。

藤原人事制度改革がどう社員に根付いていくのか、そして本当にこの施策でよかったのかを確かめるには、定点観測をしていく必要があります。こちらもイノベーション活動と同じで、改善を繰り返しながら成長していくはずです。一度大きく変えて終わりではなく、ぜひ根気強く続けていきたいですね。そのためにも、イノベーション組織と人事は一体となって議論をしていくことが欠かせません。
八反田さん、一緒にカルチャー改革のために走っていきましょう。
今日はありがとうございました!

藤原CINOの写真
藤原CINO

(2024年2月22日、OKI執行役員 CINO兼イノベーション事業開発担当 藤原 雄彦)

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

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