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CINO ism

Jun. 29, 2023

『CINO ism Vol.46』
OKIを変革する「Yumeハブ」のプロセス・イノベーション

OKI藤原執行役員 イノベーション責任者兼イノベーション事業開発担当(左)とYumeハブ4期生 小川(右)の写真
OKI藤原執行役員 イノベーション責任者兼イノベーション事業開発担当(左)とYumeハブ4期生 小川(右)

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OKIの全員参加型イノベーションは「新規事業の創出」「既存事業の革新」と併せ、「社内業務の改善=プロセス・イノベーション」を重要な活動と定義しています。全員参加型イノベーション活動の中核を担うエバンジェリスト(伝道師)を育成するために2019年に発足した「Yumeハブ」は、2022年度に4期目を迎えました。
今回は、Yumeハブ4期生のソリューション統合SE部 の小川英理さん、営業企画部 事務企画室の塩田崇さん(オンライン参加)と対談し、活動概要や成果とともに、OKIがさらなるイノベーション企業へと成長するために必要な変革について対談しました。

全部門体制で構築したチームで「現場の課題」を議論

藤原「Yumeハブ」にはこれまでに、4年間で延べ139名が参加し、活動を続けてきました。最初の2年間は試行錯誤もありましたが、3年目からは組織ごと(各本部)のイノベーション関連責任者とYumeハブメンバーが連携し、各組織の課題解決に取り組んできました。
4期生は昨年7月から、当時の4つの本部単位でチームを構成し、活動を進めてきました。年度末となった今年3月には、社内イベントの「Yume Proフォーラム」を通じ、各チームの活動成果を発表しました。それらは業務現場の課題へ的確にアプローチする「プロセス・イノベーション」の代表例として非常に価値のあるものだったので、「CINO ism」でも紹介したいと思います。
まずは簡単な自己紹介と、Yumeハブに参加し、活動テーマを決めるまでの経緯を聞かせてください。小川さんのチームは「社内システムの改善」に取り組んでいますね。

小川私は昨年度、SS事本のDX事業推進センターで新規事業領域開拓に携わっていました。Yumeハブには上司の推薦で参加したのですが、「日頃から感じている社内システムへの不満をぶつけよう」という想いを最初から持っていました。初回の全体会議の際、メンバーとディスカッションしたところ、それぞれから職場での“イライラ”が次々に出てきて、その中に「社内システムに対する不満」も複数人の共通意見として含まれていました。

藤原“イライラ”という言い方が興味深いですね(笑)。効率よく仕事ができない現場の様子をずばり表しているなと思います。
塩田さんは統営本のチームで、「営業における新事業創出の仕組みづくり」を活動テーマにしていますね。

塩田私は昨年度まで首都圏営業本部で金融分野のライン営業をしていました。小川さんと同じくYumeハブへの参加は上司の推薦によるものです。営業から参加したメンバー8名で議論した結果、「新領域・新市場への展開・新事業創出を行うための仕組み」を構築しようということになりました。
営業のミッションは受注や売上を最大化することです。それを中長期に継続するには、既存のビジネスだけでは難しいので、新規領域を開拓する必要があります。しかし、新規市場にアプローチしていくのは容易ではありませんし、やり方もよく分からないというのが実状です。そこで、事業部門とも連携しながら効率的に新規領域にアプローチするやり方をプロセス化しようと考えました。

藤原「新しいことをやろうとしても、どう行動すればいいか分からない」という悩みは、「イノベーション・ダイアログ」でも参加者がよく口にする現場課題の1つです。OKIは今年度から全社IMSの規程およびプロセスガイドライン第1版を本格運用していきますが、会社全体の枠組みを各部門がブレークダウンして使いやすいものにしていく必要があります。このことを、営業の現場が“自分事”と捉え、積極的に取り組んでいるのは素晴らしいですね。

社員2000名超のアンケート結果をもとにシステムの課題と改善策を提示

藤原昨年度の活動のポイントを見ていきましょう。
「社内システムの改善」では、何といっても2000名を超える社員からアンケートを集めたことが特筆すべき点です。

小川具体的な活動としては、まずチームで作った仮説を検証するため、予備アセスメントとして25名へのインタビューを実施しました。その結果、社内システムがイライラの要因の1つであることが確認できたので、メンバーを分けて「社内システムチーム」を結成し、大規模アセスメントの準備を進めました。その過程で、他部門のチームでも同様の課題を扱っていることを知り、3チームが合同でそれぞれの社員に共通のアンケート調査を行い、最終的に2089名から回答を得ました。

藤原IMSを活用した新規事業創出でも、まずは「機会の特定」のために、お客様の困り事を聞きに行くことが非常に重要です。この最初のステップはプロセス・イノベーションでも共通で、エンドユーザーである現場の社員の声を聞くことが重要です。その作業をこれほどのボリュームで実施したのはすごいですね。

小川多くの方に協力していただいて仮説検証できたのは本当によかったです。アンケート調査では自由記述も多めに設けたので、価値ある意見を集められたと思っています。その集計・分析で、私たちは「C評価=社内が大丈夫ではない状態」と判断しました。そして、システム改修に関する課題を所管部門の方とも共有・議論して、継続的に改善をしていくための方策を取りまとめました。
Yumeハブの活動を進める中では当然、本来業務が忙しい時期もあって時間のやりくりなどが大変でした。それでも、2089名分の貴重なデータを集めたからには、「本気で取り組もう」と心に決めました。

Yumeハブ4期生 小川の写真
Yumeハブ4期生 小川

IMSを参考に営業現場に当てはまる「初期プロセス」を作成

藤原「営業における新事業創出の仕組みづくり」では、アクションの1つに「仮のコンセプト構築プロセス」というものを作成していました。「Yume Proプロセス」でも、前段の部分を「コンセプト構築プロセス」と呼んでいて、仮説検証を高速かつノンリニアに繰り返します。これと同じようなやり方を営業活動で実践していこうということですね。

塩田そうです。チームで「新事業創出に向けた初期プロセスが定められていないことが問題なのでは」と考え、実際の営業担当者20名ほどにヒヤリングした結果、やはり同じ悩みを抱えていました。そこで、戦略・運用・仕組み・マインドの4項目で具体的なアクションプランを設定し、「自分たちが体を動かして検証する」ことを基本方針に実践していきました。
「仮のコンセプト構築プロセス」は、IMSに詳しい先輩社員にアドバイスをもらい、営業現場の実際の動きに当てはめる形で策定しました。昨年11月にでき上がり、お客様の声を聞くことも含め、実践をもとにブラッシュアップしていく計画で進めました。3月の成果発表時点では、活動期間が短かったこともあって課題抽出に至るほどの経験は積めなかったのですが、今年度も継続して取り組んでいきます。

オンラインで参加のYumeハブ4期生 塩田の写真
オンラインで参加のYumeハブ4期生 塩田

経営層と若手社員に比べてミドルマネジメントクラスの意識・意欲に温度差

藤原Yume Proフォーラムでの発表に対する周りの反応はどうでしたか?

小川「こういう活動をどんどんやってほしい」と後押ししてくれる声や「これをきっかけに変わったら嬉しい」という希望を込めた意見などを多数いただきました。ここからも「社内システムへの不満はやはり結構あるな」と認識をさらに強くしました。

塩田「私も多くの声を…」と言いたいのですが、正直なところ反応はほとんどありませんでした。だからこそ、Yumeハブの存在と自分の活動を周囲に認知してもらう努力も必要だと感じています。

小川確かに、推薦した上司も私自身も「Yumeハブに参加します」と告知はしないので、部内の人たちは「知らない」からスタートします。その後、活動に協力してもらうために声かけをしたり、今回のような発表を通じて知ってもらえたという感じでした。

藤原では、活動を続ける中で、上司やマネジメント層からのサポートなどはどう感じましたか?

塩田私は、ミドルマネジメントクラス(中間層)のイノベーションに対する熱量が、もう少し高まってくるといいな、と思っています。役員や本部長クラス、そして若手社員の意欲は湧き上がってきている感じがしているので、OKI全体での盛り上がりにつなげていくために、中間層の意識改革を引き続き期待したいなと思っています。

小川私の所属は新規事業領域開拓を担当する部門だったので、イノベーションへの取り組みに対して上司の理解があり、強く後押しもしてくれていたので、「恵まれているな」と個人的には思います。ただ、会社全体としてはやはり、若手が前向きであっても中間層の業務負荷度合いや求めているレベル感、方向性のズレから、若手からは中間層が否定的であるようにみえてしまう傾向があるように思います。

藤原それはまさにOKIのイノベーション推進における大きな課題のひとつです。経営者が「イノベーションに取り組む」と声を上げ、役員も旗を振っています。若手社員の前向きな姿勢は「Yume Proチャレンジ」の応募数の伸びとアイデアの質の向上からも明確です。
意欲があって熱量の高い部課長も確かにいます。けれども、「全員参加型イノベーション」を実現するには、中間層のさらなる意識改革、意欲喚起が絶対的に必要だと私も思います。

ボトムアップとトップダウンの融合で「OKIの変革と成長」を実現

藤原Yumeハブメンバーとしての任期はあと1年弱あります。今後の目標、意気込みを聞かせてください。

塩田新年度の大幅な組織変更で本来業務が変わったりもしましたが、Yumeハブのメンバーとは2週間に一度くらいのミーティングを継続しています。私たちが考えた仕組みで本当に新事業創出を実現したいですし、「先々は営業の標準テキストに加えてもらえるようなものにしたい」という想いを皆が持っています。
一方で、小川さんも先ほど話していましたが、本来業務が忙しい時にもチームとしての活動をきちんと続けられるかどうかという懸念はあります。これについては、やはりメンバーそれぞれがモチベーションを維持することが大切です。そのために、部門の中で「私はこういう活動をしています」とアピールすることに加えて、その活動を上司からきちんと評価してもらうことが重要だと考えています。

小川今年度も引き続き、メンバー同士で情報のやり取りや意見交換は行っています。「こういうことがあったから、Yumeハブに活かせるかもしれない」といった話もしています。
残る期間の活動ですが、実は私は「ボトムアップは限界がある」と考えているので、この先はトップダウンでどう進めていくかを、経営層の方々も含めて議論できればと思っています。森社長や藤原CINOから「こうしていこう」という意見をいただきたいですし、私も自分の意見をぶつけたい。OKIはそういう機会を作ってくれる会社だと、ポジティブに捉えています。

藤原新しい組織体制になり、お二人の所属部門も変わりました。本来業務も含めたイノベーションの実践に関する抱負、会社に期待することなどを教えてください。

塩田今年度から「営業企画部 事務企画室」に所属し、業務プロセス改善などに取り組むことになりました。Yumeハブにおける“現場での実践”からは少し離れた職務にも見えますが、プロセス・イノベーションという観点でつながっています。
というのも、先に触れた営業担当者へのヒヤリングで「新規開拓のマインドはあるが事務作業に追われてそれどころではない」という実態があることも分かりました。これは、私の本来業務の中で解決策を考えていかなければならないですし、小川さんの扱うテーマと同様に、システム改善による業務効率化も会社として推進してほしいです。

小川私は、今年度からの組織体制に「OKIを変える」という会社の本気を強く感じていて、「プロセス・イノベーションも進むのでは」と個人的には期待をしています。私の所属部門はソリューション統合SE部となりましたが、業務は以前と変わらず、既存のコアコンピタンスを活用した新規事業領域開拓を担当しています。これまで上司の後押しで各種研修やYumeハブなどイノベーションを実践するためのインプットをさせてもらえたので、今後はアウトプットしていく番だと思っています。本来業務では「2025年度の新規事業化」を目標に掲げているので、何とか成果を出したいと思います。

藤原二人とも「OKIを変えたい、変えよう」という熱い想いがあることを、改めて強く感じました。Yumeハブでも本来業務でも、もっともっと周囲を巻き込んでイノベーションの実践を牽引してください。今年度から全社IMSを本格運用していくにあたって、従来からの「部門責任者」だけでなく、イノベーション活動を実際に広める「部門推進者」という役割を設置しようと考えています。「Yumeハブ」のメンバー・卒業生にはエバンジェリストとしての役割も期待されていますから、こうした新たな仕組みにも協力してほしいと思います。
私もCINOとして、現場でのイノベーション活動がよりやりやすくなるよう力を尽くしていきます。ボトムアップとトップダウンをうまく融合して、OKIの改革と成長を実現していきましょう。

(2023年6月29日、OKI執行役員 CINO兼イノベーション事業開発担当 藤原 雄彦)

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

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