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(旧:CINOのつぶやき)

Jun.10,2019

ほぼ週刊 CINOのつぶやき(チノつぶ) 第32号
イノベーションで社会課題を解決するソーシャルビジネス

ビッグイシュー代表の佐野章二さん(左)
出典:ビッグイシュー ホームページ

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ホームレスの自立を支援するビッグイシュー

OKIの本社は、地下鉄虎ノ門駅から徒歩1~2分のところにあります。虎ノ門交差点を毎日のように通るわけですが、昨年夏頃まで、「ビッグイシュー」という雑誌が路上販売されていました。この雑誌、実は、ホームレスの自立支援を目的として発行されているものなのです。元祖は1991年にロンドンで生まれ、現在、世界30カ国以上で販売されています。

日本では、2003年に、佐野章二さんが「有限会社ビッグイシュー日本」を設立されました。虎ノ門交差点では、福島県出身の渡辺哲也さんが、販売員として街頭に立たれていました。私は、毎号、渡辺さんから雑誌を購入していたのですが、販売ポイントを変えられたせいか、ここ1年ほどお目にかかっていません。ここを通るたびに、「今も元気にされているのか」と気になります。

ビジネスを通じて社会課題解決

ビッグイシューの販売員は、ホームレスの方に限定されています。1冊170円で仕入れて、350円で売るので、180円が収入になります。渡辺さんは、だいたい毎日15冊程度の売上なので、3,000円くらいの収入になっていました。3千円あると簡易宿泊所に泊って、コンビニ弁当を食べることができるので、何とか路上生活から抜け出せます。

雑誌の表紙は、毎回、世界で活躍している方々の写真が飾っており、インタビュー記事も掲載されています。この事業に共感してくれる人々の善意と、ビッグイシューのグローバルなネットワークによって支えられているというわけです。

経済産業省ソーシャルビジネス研究会での出会い

10年前、私が経産省の地域経済産業政策課長をしていた折、ソーシャルビジネス研究会を立ち上げました。その際、佐野さんとは、委員として参画いただいたご縁で知り合いました。病児保育のフローレンス代表の駒崎弘樹さん、コミュニティビジネスサポートセンター代表の永沢映さんなど、ソーシャルビジネスの先駆者に集まっていただいた研究会でした。

(注)2008年2月 ソーシャルビジネス研究会報告書(案)

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/chiiki_keizai/pdf/009_02_02.pdf

佐野さんは、もともと堺市で都市計画関係の仕事をされておられたのですが、全国でホームレスが最も多い大阪を何とかしようという思いで起業されました。当初、周囲から「誰がホームレスから雑誌を買いまっか?すぐに潰れるで。佐野さんやめとき。」と言われたそうですが、今年で16年目になります。

ホームレスになってしまうのは、何かに絶望してしまったことがキッカケという場合も多いようです。佐野さんは、ビックイシュー基金も立ち上げ、スポーツなどの交流を通じた社会復帰支援も行っています。税金を一銭も使わずに、ビジネスを通じてホームレスの自立支援を行っているビックイシュー。佐野さんの熱意と行動力には、いつも感心させられます。

共感がビジネスを支える

ビッグイシューをはじめ、ソーシャルビジネスの経営も決して楽なものではありません。絶えず、様々な新しい打ち手を考えながら取り組まれています。それに加えて、社会課題解決に向けた取り組みへの共感から多くの人々のサポートが、こうしたビジネスを支えているのだと思います。SDGsなどの社会課題解決を掲げる意義は、こうした点にもあると思います。

(2019年6月10日、チーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)横田 俊之)

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

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