• 商品サービス
  • 投資家の皆様へ
  • OKIについて
  • 採用情報
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

Daily Topics

CINO ism

(旧:CINOのつぶやき)

Mar.4,2019

ほぼ週刊 CINOのつぶやき(チノつぶ)第21号
伝えるイノベーション(その3)

酒サムライコーディネーター 平出 淑恵さん
酒サムライコーディネーター
 平出 淑恵さん
出典:
http://sakefan.net/interview/3322/

最新記事

酒サムライコーディネーター平出さん

日本酒は海外でブームとなり、日本酒イベントに人が群がるようになりました。海外での日本酒ブームの火付け役となった方の一人が酒サムライコーディネーターをされている平出 淑恵さんです。日本酒の海外展開に尽力した経済産業省の瀧本 徹さんの紹介で知り合いました。私も、中小企業の国際展開を担当した時など、お力添えをいただきました。

酒サムライの活動

日本酒の海外輸出は、生産量のわずか2%で100億円。フランスワインの8000億円、イギリスのスコッチウイスキーの5000億円の足元にも及びません。そこで、平出さんが参考にしたのが、ワインの海外啓蒙活動です。ワインの海外啓蒙に必須と言われている3項目は、①教育、②コンクール、③プロモーションでした。そこで、平出さんは、日本酒の認知度を上げるため、2003年、ワイン教育の本場WSET(Wine & Sprit Education Trust)ロンドン校に日本酒を紹介しました。このご縁がきっかけとなり、2006年にIWC(International Wine Competition)にSAKE部門が創設されます。
こうした活動が功を奏して、2011年からプロモーション活動に外務省の協力も得られるようになりました。在外公館長の赴任研修で日本酒講習会が開催されるようになり、海外の賓客をもてなす飯倉公館でも日本酒ブースが設置されるようになりました。さらに、政府の國酒プロジェクト、官公庁の酒蔵ツーリズムなど、様々なプロモーション活動が広がっていくようになったのです。

顧客視点での発信

私がジェトロ・ニューヨーク事務所長として仕事をしていた2014~16年の間にも、複数の日本酒イベント開催・支援を行いました。ところが、展示会に出展している酒造メーカーのプレゼンを聞くと、「酒米に山田錦を使っています。」「精米歩合は35%です。」といった作り手サイドの情報ばかりです。日本酒に馴染みの無い海外の消費者には、よく伝わりません。実際、日本酒に関心があって飲んでみたいけれど、何をどの様に飲んだらいいのかわからないという人が多いのです。

ワインの体系を使って日本酒を伝える

どうしたら、日本酒に馴染みの無い海外の消費者に日本酒を「伝える」ことができるのか。酒サムライの皆さんが推奨している手法は、海外の消費者が馴染んでいるワインの体系を使って日本酒を「伝える」という方法です。食前酒、食中酒、食後酒のどのカテゴリーに属しているのか。味、香り、風味をワインの用語や体系を使って表現します。消費者が求めているのは、製造方法ではなく、味わい方の情報なのです。

ドリルではなく穴

顧客に伝えるためには、生産者目線ではなく、顧客の視点で、求められている情報を発信しなければなりません。ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴であるという言葉があります。どうしても作り手としては、どの様な苦労をしてドリルを作ったのかという想いを伝えたくなりがちです。折角、いいモノを作っても、それを顧客に伝えることができなければ、単なる発明で終わってしまいます。社会実装されるためには、「伝えるイノベーション」が必要となるのです。

(2019年3月4日、チーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)横田 俊之)

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

最新記事


Special Contents

      お問い合わせ

      お問い合わせ