ほぼ週刊 CINOのつぶやき(チノつぶ) 第17号
イスラエルとイノベーション

Shebaのナタリー氏(左から2番目)とパートナー協定に署名
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中東最大の病院とパートナーシップ協定締結
1月15日にエルサレムにて、世耕経済産業大臣とイスラエルのコーヘン経済産業大臣立会いの下で、中東最大の病院ShebaのARCイノベーション・センター長のナタリー氏と戦略的パートナーシップ協定に署名を行いました。今回は、2017年に立ち上げられた日本・イスラエルイノベーション・ネットワークの第2回総会におけるイベントとして実施したものです。
https://www.oki.com/jp/press/2019/01/z18081.html
イスラエル デジタルヘルスケア イノベーション最前線セミナー
今回のパートナーシップ協定締結のキッカケは、昨年7月31日に行ったイスラエル・デジタルヘルス・セミナーでした。この時に、イスラエルから4人のキーパーソンをお招きしました。イスラエル保健省のCIO、インキュベーション活動を行うCDI(Center for Digital Innovation)の共同創設者、イスラエル最大のベンチャー・キャピタルaMoon、そしてナタリー氏にプレゼンをお願いし、パネルディスカッション等を実施しました。
https://www.oki.com/jp/yume_pro/events/archives/20180903/index.html
デジタルヘルスケア先進国イスラエル
イスラエルは、人口8百万人のため、国が病院や保険機関を含めてグリップできる体制があります。国、都道府県、市町村と行政機関が3層に分かれている日本と異なり、国の方針の下で、現場でスムーズに物事が進められるところが魅力です。イスラエルでは、過去20~30年間の全国民のクリニカルデータを共有する仕組みを構築し、国民がカード1枚で、どの病院にいっても、これまでの診療記録、検査結果を共有する仕組みが構築されている他、様々な先端的な取組みが行われています。
今回のイスラエル出張の際にも保健省を訪問して意見交換を行いました。イスラエルでも、今後、急速に進展する高齢化に対して、医師を始めとするリソース不足が深刻化することが必至のため、医療の提供方法を変革しようとしています。このため、3つのトランスフォーメーションが進められていますが、まず、パーソナル・トランスフォーメーション。たとえば、癌患者に対して、遺伝子情報を活用して、より効果的な抗癌剤投与等の治療を進めようとしています。第2に、システム・トランスフォーメーション。病院間でのデータ処理や共有を進めています。第3に、データ・トランスフォーメーション。ビック・データを活用して、システマティックなイノベーションを進めようとしています。
アルツハイマー病の未病・予防につながるイノベーションを目指す
こうしたデジタルヘルス先進国イスラエルにおいて、国立病院Shebaに設置されたARCイノベーション・センターは、最も先端的な取組みを行っています。今回の戦略的パートナーシップ協定によって、OKIは、Shebaに蓄積されたデータを活用した実証実験を共同で実施し、アルツハイマー病の未病・予防につながるイノベーションを目指します。
(2019年1月28日、チーフ・イノベーション・オフィサー(CINO)横田 俊之)