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学校法人多摩美術大学様

導入事例の記載内容は取材当時(2016年3月)のものです。


80年の歴史を持ち、「多摩美」の愛称で知られる多摩美術大学の美術学部グラフィックデザイン科では、パッケージデザイン用白版印刷のニーズに応えるためMICROLINE VINCI C941dnを導入。
その表現力の高さから、パッケージデザイン以外にも、さまざまな制作物を出力し、グラフィックデザインを学ぶ学生たちの表現力の可能性を広げている。
「課題:従来のプリンターではパッケージデザインを学ぶにあたり表現の限界があった。インクジェットプリンターではCMYK印刷の再現性が低かった。出力が集中する時期にインクジェットプリンターでは出力を待たされた。」VINCIで解決!!「解決:フィルムや厚紙の白版印刷が可能になり、パッケージデザインの課題が出力できるように!。高品質のCMYK印刷で、オフセット印刷機を想定したデザインが可能に!。高速印刷で出力時間を削減。」
評価のポイント 透明フィルムに白版印刷ができる表現力の高さ。デザインデータ作成、特色印刷の設定、そして出力までの流れを、授業時間の中で学生たちが体験する事が可能。トレーシングペーパーからケント紙まで対応できる、自由度の高い用紙対応。高速出力と高精度印刷の両立。

導入前の課題

パッケージデザインの出力用として白版印刷が必要だった

多摩美術大学の美術学部グラフィックデザイン科では、4学年で720名ほどの学生がグラフィックデザインを学んでいる。1、2年次ではグラフィックデザインの基礎を、3年次からは、広告のデザイン・ディレクションを学ぶ『広告』、印刷やグラフィックデザインの視点と表現、タイポグラフィ、VI等について学ぶ『伝達』、映像や写真、イラストレーションやアニメーションなどを学ぶ『表現』のコースに分かれ、それぞれ専門分野を深めていく。
グラフィックデザイン科研究室の助手 金晃平氏は「いわゆる紙物のグラフィックデザインでは、1年次は手作業で、2年次ではCMYKを使った基礎を、3、4年次ではCMYKに加え特色を使った制作を行います。これまで、学生がデザインした制作物の出力にはインクジェットプリンターを使ってきました。
近年、パッケージデザインをやりたいという学生が増えてきています。パッケージデザインでは、デザインをフィルムなどへの出力するために白版印刷が必要ですが、従来のインクジェットプリンターでは白版出力ができません。そこで学生たちは自作で紙を貼ったり、手で色を塗ったり、インスタントレタリングを使用したりして対応していました。
また、インクジェットプリンターでは多色インクを使っているため、写真の出力はきれいですが、印刷物用のデザイン制作物の出力の観点では、オフセット印刷機のCMYKとは異なるため、再現性の観点で問題があると考えていました。
それに加え、卒業制作や就活用のポートフォリオの出力などで、プリンターが混み合ってしまい、出力の待ち時間が長引いてしまうという問題も発生していました」。

導入の経緯と効果

学生たちのデザイン表現の幅が広がった

そんな折、金氏らはOKIデータから白版印刷ができるプリンター(MICROLINE VINCIC941dn〈以下:VINCI C941dn〉)が発売されたという情報を得た。「私たち助手は、先生(教授)をサポートする役割で、先生の意を汲んで新しい技術などの情報を常に集めています。以前から白版印刷に関してはその必要性を先生方から聞いており、さっそく調査し、先生に報告しました。サンプルの出力もきれいで、学内でも以前からタイポグラフィを教える先生がOKIデータのモノクロLEDプリンターMICROLINEシリーズの高品質な出力を評価されていた事もあり、導入はすんなりと決まりました」。
導入後、金氏は率先してVINCI C941dnを使って制作物を出力したという。「私たち助手には学生たちのリーダー的な役割もあります。したがって、このような新しい技術を使ってどのような表現ができるのかという範を示すのです。実際、学科内ではどの学生よりも私がVINCI C941dnを使っていると思いますよ(笑)。実際に使ってみて分かったのは色の良さです。深みがあり、ベタの発色もよく、パッケージデザインはもちろんのこと、写真の再現性や淡い色の表現もしっかり行える点を高く評価しています。また速度の速さも実感しています。2015年のオープンキャンパス用に作成したA3両面のパンフを2,000部印刷しました。データの完成がギリギリになってしまいましたが、VINCI C941dnによって1日で印刷が終了し、間に合わせることができました。たぶんインクジェットプリンターでは無理だったでしょう。片面は白版印刷を行っていますが、2,000枚出力しても品質は変わらず、クオリティーの高さも実感しています」。

今後の展望

クリアトナーの活用など、新たな表現にチャレンジしたい

すでに導入から1年が経過し、出力が集中する卒業制作の時期も2回経験している。「正直なところ、学生たちはあまり丁寧に扱ってくれないこともあり(笑)、他社製のプリンターではメンテナンスをしっかり行わないと出力のクオリティーが落ちていくのですが、VINCI C941dnは大掛かりなメンテを行わなくても高いクオリティーを維持しているのは驚きでした。また、学生たちはトレーシングペーパーからケント紙まで、あらゆる紙を出力に使うのですが、多様な紙に対応しており紙詰まりが少なく、安定して使えることも助かっています。
一方、学生たちは既成概念にとらわれず、自分の表現したいことにこだわって制作するので、たとえば淡い色の紙に白を載せて、本の装丁に使うといった、本来なら考えられていなかったような使い方に感心させられることもあります。その意味でもVINCI C941dnは学生たちの表現の幅を広げているなと実感させられています。
これらの実績から、このたび1,2年次用にCMYK機であるVINCI C931dnを導入しました。4色できちんと出すことで、CMYKを理解し、体感する手助けになることと、VINCI C941dnで実感した高品質出力を1,2年次の学生たちにも活用してもらいたいと感じたからです」。
「VINCI C941dnを使いこなすにはちょっとしたコツも必要だと感じています。たとえば位置合わせや、白版印刷のためのデータの作り方などです。今後これらについてもしっかり学生たちに伝え、より活用していって欲しいと考えています。また、クリアトナーはまだ使ったことがありませんが、PPコート的な表現やテクスチャーペーパーにクリアを載せてみるなど、表現としての興味、面白さの可能性を感じています。これからぜひチャレンジして、学生たちにも伝えて行きたいと思います」。

Corporate profile 学校法人多摩美術大学様

1935年現在の東京都世田谷区上野毛に多摩帝国美術学校として創設された多摩美術大学。現在では、創学の地上野毛と自然環境豊かな八王子にキャンパスを持ち、2学部(美術学部、造形表現学部)13学科を持ち、アート・デザイン・芸術を志向する4000人を超える学生が学んでいる。

http://www.tamabi.ac.jp/index_j.htm External link

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