過去の事例記事一覧

赤城乳業株式会社様

導入事例の記載内容は取材当時(2015年4月)のものです。


アイスの常識を覆した「コーンポタージュ味」の「ガリガリ君」を発売して世間をあっと言わせ、その後も独創的な商品を次々生み出していく赤城乳業株式会社。同社でパッケージデザインを担当する商品開発部デザインチームでは、白版印刷が可能なMICROLINE VINCI C941dnを導入。同部副主任の髙堀健太氏は、本来業務のデザインワーク時間の確保やデザインの幅の広がり、サンプルの品質向上による商談への好影響などの、多岐にわたる導入効果を実感している。

写真:赤城乳業株式会社
商品開発部 デザインチーム 副主任
髙堀 健太氏

評価のポイント 透明フィルムに白版印刷ができることで、商品サンプルの制作時間を大幅に削減。商品サンプルの完成度向上により、営業担当者からも高評価。高速・高品質出力が、導入前の想定より活用幅を広げ、デザインワークにも好影響。

年間約160種類のパッケージデザイン 商談用サンプル制作の負担が大きかった

「ガリガリ君」デザインサンプルを出力する髙堀氏。VINCI C941dnの導入でサンプル制作時間を大幅に削減することが可能となった。
「コーンポタージュ味」や「シチュー味」、「ナポリタン味」の「ガリガリ君」など、およそアイスとは思えない独創的な味の商品を生み出す赤城乳業。全ては「お客様にアイスを楽しみつくしてもらおう」という思いの下、「あそび心」を大切にした商品開発を行っている。
今や、年間を通して食べられるアイス。同社では、毎年、春・夏・秋・冬のシーズンごとに新商品を発売している。その商品のまわりを包むパッケージのデザインは、数名の社内デザイナーと外部のデザイナーで分担し、約半年の時間をかけて行っている。
同社商品開発部 デザインチーム 副主任の髙堀健太氏は「当社では、各シーズンで40種前後、年間を通して約160種類の新たなデザインを制作しています。種類が多いのは、同じ商品でもコンビニ専用など販路などによって、それぞれを作り分けているためです」と語る。
白版印刷・高速・高品質の出力により、商品サンプルのクオリティーが各段に向上。営業担当者からの評価も高い。
商品の販売が近くなってくると、デザインチームのメンバーに追加の業務が発生する。「営業担当者が受注活動の商談で使用する、パッケージデザインのサンプルづくりを行います。だいたい10か所ぐらいの支社や営業拠点に配布するので、1シーズンごとに数十個のサンプルを手作りしています」(髙堀氏)。
実際の商品パッケージは薄いフィルム(軟包材)に印刷されているが、サンプルではいわゆるOHPシートに印刷したものを組み立てて作っている。
髙堀氏は「私が入社した頃は、白が印刷できる、マイクロドライフルカラープリンター『MICROLINE 7050C(以下7050C)』を活用していました。しかし、7050Cはそれからまもなくサポートが終了、消耗品も製造終了になり使うことができなくなりました。そこで、インクジェットプリンターを使って、白部分を抜いて印刷したものに、修正液などで白部分を塗っていました」。しかしこの白塗り作業、1サンプルあたり30分ほどかかり、大量にサンプルを作る商談時期には、本来業務のデザインワークの時間を削り、残業までしないと間に合わないという状況が課題となっていた。「たとえばガリガリ君は、実は1つの商品でデザインが3種類あり、サンプルも全種類用意したかったですが、制作に時間がかかるので、全てを準備することは非現実的でしたので諦めていました」(髙堀氏)

高速で白を印字できるプリンターが本来業務の時間を取り戻す

あるとき、髙堀氏がサンプル作りの課題を、「ガリガリ君」を担当している外部のデザイナーに話したところ、「OKIデータから白が印刷できるプリンターが発売されているから、それを導入すればいいのでは」と紹介された。実は髙堀氏は白版印刷が可能な、このMICROLINE VINCI C941dn(以下VINCI C941dn)の存在を発売開始時より知っていたのだが、それなりの価格ということもあり、上司に提案すること躊躇していた。
しかし、デザイナーの後押しもあり、導入効果や出力サンプルなどもしっかり準備した上で、上司にプレゼン。時間短縮の効果が期待できるということで導入が決まった。
髙堀氏は「それまでは印刷後に白塗りの30分が必要だった訳ですが、VINCI C941dnなら、データを送ってしまえば、5分後には白が入った状態の印刷されたフィルムがどんどん出力されてきます。1枚でも1/6、複数枚ならそれ以上の時間短縮を図ることができました。これにより、時間的に諦めていたサンプルの種類も増やすことも可能になりました」と導入の効果を語る。「しかも、サンプルのクオリティーアップという効果もありました。白の手塗りは非常に細かい線までは入れることができなかったのですが、VINCI C941dnでは当たり前のように出力されますので、細部にわたって実際の商品パッケージと同等レベルのサンプルを準備できるようになったのです。営業担当者も大変喜んでいて、営業のモチベーションも上がっているようです」。

出力の速さ、そして美しさを見て導入前の想定以上の活用へ

「さらに予想外だったのは、サンプル出力用としてあくまで白が出力できるプリンターとして、インクジェットプリンターの補助と考えていたVINCI C941dnでしたが、出力の速さと美しさで、あっという間に業務における常用プリンターの座をインクジェットプリンターに取って代わったという点でした。出力の速さはインクジェットプリンターと比較して圧倒的に速く、枚数が多い時には特に効果を感じます」(髙堀氏)。
同部で使っているインクジェットプリンターは色の特性上、赤を鮮明に出すことができなかったが、VINCI C941dnは発色がきれいなので、当初は用途として想定していなかったデザインワークの確認用としても常用するようになったという。「上司にプレゼンするために、導入効果を考えていたつもりでしたが、これらは実際に使ってみてわかったことでした。とてもうれしい誤算です」と髙堀氏は語る。また、髙堀氏は5年間無償保証プラスをはじめとするサポートの厚さも評価している。「5年間無償でサポートしてもらえるのは大変な安心感ですね。
また、トラブルやご相談の電話をすると、その日の午後にはご担当者が飛んできて、懇切丁寧に対応してもらえるので、大変助かっています」

デザインワークを大きく変える重要な存在に

実物と遜色ない立体物としてパッケージ確認を可能としたVINCI C941dnは、デザインワークを大きく変える重要な存在となった。
髙堀氏はデザインそのものにも、少しずつ良い影響が出てきていると感じている。
「アイスのパッケージは、中身の良さやおいしさを、デザインを通して伝えるという大切なミッションがあります。そういう点では、中身の品質の高さと同等の品質がパッケージデザインにも求められると考えています。VINCI C941dnの出力の美しさ、速さ、そして多様な用紙に出力できることで、我々デザイナーの新たなチャレンジを後押ししてくれる存在になっています。ちょっと冒険したいとき、画面の中だけでなく、実物と遜色ない形で立体物として手に入れることができ、確認ができるようになりました。これはデザインワークにおいてとても重要なことです」
これまでは軟包材だけに使っていたが、今後はマルチパック品(ファミリー向け箱入り商品)の厚紙のものにも活用したいと考えている。「最近は高級商品も出ており、こういった商品はパッケージもそれに合わせた高級感を求められています。たとえばマット地に一部だけニス塗りしたようなものです。クリアトナーを使えば、サンプル用パッケージでも同様の見栄えが可能になり、商談の場においても説得力が増します。
我々はデザインを通して売り上げ向上に寄与するのがミッションです。VINCI C941dnはそのミッションを遂行するための強力な武器としてますます重要な存在になっていくと確信しています」。VINCI C941dnの力を得て、赤城乳業はますます独創的で「あそび心」あふれる商品を生み出していくだろう。

Corporate profile

1931年(昭和6年)創業、1961年(昭和36年)設立のアイスクリーム・氷菓専業の製造・販売を手がける。規模は小さくても強い会社、「強小カンパニー」をモットーに、若手も積極的に登用し、商品企画力、高い品質保証、そしてプロモーションを「あそび心」を持って仕事に取り組む社風が、「ガリガリ君」「ガツン、と」シリーズを始めユニークな商品を生み出し、ヒットさせている。

http://www.akagi.com/ External link

※外部サイトに移動します。

facebook youtube