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株式会社アートン様

導入事例の記載内容は取材当時(2014年12月)のものです。


VINCI C941dnの白版印刷によってクリエイティブの幅が大きく広がった。

若者トレンドの先端を行く東京・渋谷にショップを持つアートンは、Tシャツを始めとするオリジナルデザインの服や、アート性の高いオリジナルグッズ、絵本などを販売している。
今では香港や台湾などの旅行ガイドブックにも紹介されている同社では、白版印刷が可能なMICROLINE VINCI C941dnを導入し、クリエイターとユーザーのコミュニケーションスペースとなる店舗の価値をより高めることに成功した。

写真:株式会社アートン
アメージング・ディレクター
馬場 敏典氏

評価のポイント 白版印刷により、5割にお客様のニーズがある黒いTシャツ類のオンデマンドプリントに対応。厚紙張り合わせの手作り絵本の厚紙に直接印刷し、小ロット製本が可能に。高画質と高速印刷で、プロダクト用、ギャラリー展示用から、業務用まで幅広く活用。

転写シートによって、小ロットのオリジナルTシャツがスピーディーに

VINCIで出力した転写シートでは、切り抜きやカス取りの手間がないため、出力したシートをそのまま転写できる。
東京・渋谷にあるビルのワンフロアにあるアートンの店内。棚には様々な色と形のTシャツやパーカーなどが並び、窓側のハンガーには、様々にプリントされたTシャツ類が。そして、一番奥の壁にはプリントされたアート作品が一面に飾られている。2010年に設立された同社は、シルクスクリーン印刷の職人として15年あまり活躍してきた、同社代表の海老澤氏のある想いからスタートしている。同社で“アメージング・ディレクター”の肩書を持つ馬場氏はこう語る。「シルクスクリーン印刷でオリジナルデザインのTシャツを作ることは可能です。しかし、シルクスクリーンは型を作る関係上、小ロットの枚数では割高になってしまいます」。
アートン店内の様子。奥にはアーティストが展示できるギャラリースペースが設けられている。
「近年、衣類にダイレクトプリントするインクジェットプリンターが登場し、手軽にオリジナルデザインのTシャツが作れるようになりました。小ロットのニーズにも答えられるようになったその時に、大切なのはデザインのオリジナリティだと考えました」。そこで、シルクスクリーンの同社工房がある三軒茶屋からほど近い渋谷に、店頭で選んだ生地にその場で選んだデザインやお客様自身が持ち込んだデザインを、プリンターで出力し販売する店舗を構えた。
店舗にはアーティストが作品を展示できるギャラリースペースが設けられた。このスペースは2週間単位でアーティストが自由に使うことができ、その作品をTシャツにすることもできる。「私たちはさまざまなアーティストの方とコラボして、たくさんのオリジナリティあふれる作品をTシャツなどにして提供していきたいと考えています」。「デザインができないお客様も、生地とデザインの組み合わせをお選びいただくことで、『自分だけの』Tシャツを作ることができる価値をお客様に提供したいのです」。
オープン以来、ほとんど宣伝・広告活動をしなかったが、「オリジナルTシャツを『店頭』で作ることができるお店」としてブログなどの口コミで広がり、ファンも増えて高いリピート率を誇る。また、台湾や香港の旅行ガイドブックにも紹介され、さまざまなお客様が訪れる店となった。

VINCIとの出会いでプロダクトの幅に広がりが

2014年春。馬場氏は代表の海老澤氏とともに、オリジナルデザインの新たな表現の場として、共に好きだった手作り絵本を店で取り扱うことにした。「ヨーロッパの絵本の製本方法として、ボードブックというものがあります。見開きに印刷した厚紙の裏を張り合わせて製本する方法ですが、国内で製本してくれるところはなく、小部数ということもあって、自分たちで手作りしよういうことになりました」。
絵本を始めとした紙媒体のクリエイティブまで幅を広げるにあたり、プリンターを探し始めたところ、白版印刷ができるページプリンターがあると聞きつけた。それ がMICROLINE VINCI C941dn(以下VINCI C941dn)だった。さっそくVINCIC 941dnをショールームに見に行ったところ、転写シートを使ったTシャツのサンプルが並んでいた。
「実は数年前からページプリンターを使った転写シートの可能性には期待していました」と語る馬場氏。
これまでの転写シート(カッティングシート)は、色の再現性が低いという課題があった。また、デザインをプリントしたものを切り取り線にあわせてカットする必要があり、特に「カス取り」と呼ばれる「抜き」の部分を手作業ではがしていく作業があり、まとまった数の場合、非常に手間がかかる作業となっていた。
しかし、OKIデータのプリンターによる転写シートでは、切り抜きやカス取りの手間がなく、出力したシートをそのまま転写するだけ。作業効率も良く、フルカラーが使えるメリットもあり、まさに「革命的」であった。そして二人がショールームで見たVINCI C941dnの転写シートでプリントしたTシャツのサンプルは、「驚くぐらい高い品質でした」。

5割のニーズがある黒い生地のオンデマンドプリントを白版印刷で実現

「オリジナルTシャツでは、黒地の生地を選ぶお客様が5割ぐらいいらっしゃいます。VINCI C941dnを導入する前は、お客様が黒地の生地をご希望される場合はシルクスクリーン印刷をご案内していました。しかし版を作る都合上、最低でも1枚1万円はかかってしまうので、諦められるお客様も2~3割おられ、心苦しい思いをしていました」。
「VINCI C941dnなら、転写シートに高品質で印刷できる上、黒地のTシャツ用のプリントや絵本の表現を広げる白版印刷も可能。そして厚紙印刷まで。これまで望んでいたものが1台で手に入ると知り、導入を決めました」と語る馬場氏。
VINCI C941dnの導入により、Tシャツ類のデザインの幅が広がった。「私たちはお客様のニーズに最適なものをこの場でご提供することを大切に考えています。シルクスクリーン印刷とVINCI C941dnの出力は、仕上がりにほとんど差がありません。たとえば、高校のクラスTシャツのようにまとまった枚数を作るのであれば、割安にあるシルクスクリーン印刷をおすすめしますし、逆にメンバーが5人ほどのバンドのオリジナルウェアであれば、VINCI C941dnをおすすめするわけです」。
「VINCI C941dnならメンバー一人ひとりの生地がバラバラでもいいのです。あるメンバーは丸首とか、あるメンバーはVネックというのも簡単に対応できます。幅広いニーズに対応できるようになったのは、私たちにとってとても価値あることです」。

VINCIの多彩な出力はアーティストの活躍の場を広げる

VINCIの白版印刷、厚紙印刷はアートン のクリエイティブの幅を大きく拡げている。
冒頭に紹介したギャラリーの展示でも、VINCI C941dnの導入で変化が起きた。
「実はこれ、すべてVINCI C941dnでプリントしたものです」。VINCI C941dn導入前はアーティストが自分で出力した作品を展示していたが、導入後はデータを持ち込んでもらうだけで良くなった。「VINCI C941dnのお陰で、布媒体だけでなく紙媒体もオンデマンドで提供できる価値を持つことができました」。
「また、アーティストたちに白版印刷が知られるようになり、彼らの表現の自由度も格段に高まりました。そういう意味では白版印刷のインパクトは計り知れないものがあります」。
 今では、これまで触れたTシャツや絵本などのプロダクト用、そしてアート作品の展示用のみならず、社内の業務用にまでフル活用。「フルカラー毎分50ページの高速プリントは非常にありがたいですね。データが送り終わればどんどん出力されてくるので、印刷で待たされることが無く、とてもありがたいです」。
今やアートンの屋台骨を支えると言っても過言ではないVINCI C941dn。様々な人が集うこのコミュニケーション空間において、その表現力が、新たな創作物を生み出す原動力となっている。

Corporate profile

オリジナルデザインのTシャツやパーカーなどの衣類やグッズなどを販売。Tシャツ類は店頭で選んだ生地に、さまざまなクリエイターが描いたデザインを店頭で選んだり、自分で持ち込んだデザインを組み合わせて、店内でプリント。世界に1枚しかないウェアを作ることができる。最近ではクリエイターとコラボした絵本・グッズなどの制作・販売も手がけている。

http://arton.jp/index.html External link

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