GHSラベルに適している3つの理由

耐水性・耐候性・耐擦過性に優れたラベルの証、国際的規格「BS5609 セクション3」とは

リンテック株式会社 様


OKIのカラーLEDラベルプリンターPLAVI Pro1050/Pro1040はリンテックの「BS5609」対応ラベル素材を組み合わせて印刷したラベルにおいて国際的な海上輸送ラベル規格「BS5609 セクション3」の認証を取得しております。
粘着素材や特殊紙・剥離フィルムなどのメーカーとして第1線にあり、多くの顧客を抱えるリンテック株式会社様へ「BS5609 セクション3」の認証取得に求めるもの、難しさなど、メーカーならではの視点で評価などをお伺いしました。
リンテック株式会社
本社:東京都板橋区本町23-23
設立:1834年10月15日
代表者:代表取締役社長 服部 真
事業内容:粘着素材、粘着関連機器、特殊紙、剝離紙・剝離フィルムなどの開発・製造・販売

「BS5609 セクション3」とは

そもそもBS5609という規格はどういうものなのでしょうか

「BS5609」はBS(British Standard)の名の通り、英国規格協会が定めたもので、海上で取り扱われる危険物に貼り付けるラベルの耐久性に関する規格です。いわゆるGHSに対応する実質的な国際基準として、欧米ではすでに広く浸透しています。

日本国内ではどれぐらい認知されているのでしょうか

欧米と取引のある化学薬品メーカーにおいては、取引上「BS5609」に対応したラベルを貼りつけることが半ば必須とされているため、化学薬品業界においては概ね認知されていると思いますが、それ以外の業界では認知度が低いのではないかと思われます。

「BS5609」には「セクション2」、「セクション3」があると伺いましたが、それぞれどういうものなのでしょうか

「セクション2」はラベル素材の粘着力に関する認証です。つまり、当社のラベル素材は「セクション2」の認証を受けています。「セクション3」は「セクション2」のラベル素材を使って印刷したラベルの印字の耐摩耗性などに関するもので、今回の「BS5609 セクション3」の認証は、当社ラベル素材にPLAVI Pro1050/1040で印刷したラベルに対する認証となります。

リンテックではいつごろから「BS5609」対応のラベル素材の開発を始められたのですか

当社は欧米でも事業を展開しており、欧米の化学薬品向けラベルの市場では「BS5609」への対応が求められつつあるということから、2015年ごろから開発を開始し、2018年に「BS5609 セクション2」の認証を受けて、ラベル素材の販売を開始しました。

かなり厳しい「BS5609」の取得までの道のり

「BS5609」の認証を受けるにはかなり過酷な試験があるそうですね

「BS5609 セクション3」では化学薬品が入ったドラム缶などに貼られたラベルが、海に落ちて3カ月間漂流しても、ラベルとして機能することが求められています。長期間における海水の浸漬や、砂による擦過などが想定されており、認証におけるテストは約半年かかります。

具体的にはどのような耐久性が求められているのでしょうか

「セクション2」のラベルについては、接着性能、つまり3カ月間海水に浸潤しても剥がれないことが求められています。さらに「セクション3」では、粘着テープを使って印字が剥がれないかを確認する試験を行う耐剥離試験、海水と砂に繰り返しさらす耐擦過試験、繰り返し塩を吹きかけ、太陽光にさらす耐候試験を行い、カラー表示の色判別ができ、標章マークや説明文が読み取れる状態にあることで合格となります。

実際には認証を受けるまでどれぐらいかかったのでしょうか

2回目の試験で認証を取得することができました。1回の試験には半年程かかるので、約1年かかったことになります。

GHSラベル以外にも活用できる「BS5609 セクション3」対応ラベル

「BS5609 セクション3」の認証を受けた、ということはラベルとしてかなり耐久性が高いということがよくわかりました。この特性を活かせばGHSラベル以外にも用途はありそうですね

色々考えられると思います。たとえば厳しい環境にさらされる船舶や、工事現場の機材などのマーキング用としての活用は期待できると思います。

PLAVI Pro1050/Pro1040が「BS5609 セクション3」を取得したことをどう評価されていますか

最初にBS5609の認証取得について相談を受けたのは、まだPLAVI Pro1050/Pro1040の発売前でしたので、並々ならぬ熱意を感じました。また、認証を受けたのは特別なトナーではなく、一般の製品に使われているトナーですので、当社のラベル素材と組み合わせるだけで、「BS5609 セクション3」対応のラベルが出力できることは、「BS5609」対応へのハードルをかなり下げるのではないでしょうか。

以前は当社のラベル素材も印刷会社で(大量印刷用に)使われることが多かったのですが、少量多品種生産が主流となっている現在では、ラベルプリンターのニーズは増えていくと思います。特にGHSではカラー表記が必須ですので、高品質で印刷できるPLAVI Pro1050/Pro1040のようなプリンターはこのようなニーズにまさにうってつけだと思います。

GHSとは

2003年に国連が勧告した「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)の略称。
その名の通り、化学品の危険有害性ごとに分類基準、およびラベルや安全データシートの内容を調和させ、世界的に統一したルールとして提供するものである。
特に危険有害性は特別な知識や言語がわからなくても理解できるように絵文字で表記され、人の健康や環境の保護が強化されると期待されている。
日本をはじめとして欧米各国は、この勧告を受けて、化学品の分類や表示にGHSを導入している。
(環境省 「GHS 化学品の分類および表示に関する世界調和システムについて」より)

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