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IoTに使われるセンサーの種類とビジネスを生み出す活用事例

IoT時代の到来を迎え、重要な役割を果たすのがセンサーです。IoTをビジネスに活用するためには、多くのセンサーの中から最適のセンサーを選択する必要があります。ここではセンサーの種類とその活用事例について紹介します。

一口にセンサーと言ってもその種類は千差万別

読み取る情報によって異なるセンサーの種類

そもそもセンサーとは何でしょうか?

  • 人間の五感に相当する感覚
  • 自然界における物理的現象
  • 化学的性質

こうした情報をデバイスによって読み取り、人間や機械が認識できるように電気的信号に変換する装置のことを、一般的にセンサーと言っています。IoTの世界では信号はすべてデジタルである必要があり、最終的にデジタル信号に変換する機能が必要となります。センサーは読み取るべき情報によって、さまざまな種類があります。

近年、センサーの需要は爆発的に増えており、さまざまな種類のセンサーが市場に出回っています。日本は世界のセンサー市場の4割のシェアを有しており、今後さらなる拡大が期待されています。IoT環境を実現するためにどのようなセンサーがあるのか、どのような活用がされているのかを知ることで、新しいビジネスの創出のヒントになります。

ここからは、IoTに活用できるセンサーの種類と、実際の活用事例をご紹介します。

モノの有無、形状、位置などを読み取るセンサー

物体の存在を検知するセンサーです。これには昔から光電管を使ったセンサーがあり、光を出す灯光部と、光を受ける受光部から構成されていて、その間を通過した人・モノが光を遮ることで物体の存在を検知します。

また「マイクロスイッチ」というセンサーは、モノが物理的に接触することで、ピンが作動してモノの存在を検知します。

他にも静電誘導を利用して検知する静電容量型近接スイッチや、磁気の有無を検知してモノの有無や形状を認識するセンサーなどがあります。モノの位置や回転を検知するために使われることが多く、たとえば冷蔵庫の開閉を検知する時などに使われています。

圧力、重量、ひずみなどを読み取るセンサー

金属の線を変形させると電気抵抗が変化するという特性を活かして、材料のひずみや伸縮を検出する"ひずみセンサー"があります。

最近では光ファイバを使ってモノのひずみなどを検出する、光ファイバセンサーが注目されています。光ファイバセンサーから入射した光は、圧力、振動、ひずみなどを受けて偏光面や波長が微妙に変化します。これを被検知体の中に埋め込むことで、ひずみなどの異常を検知することができます。光ファイバセンサーはガラスでできているため、センサーそのものには電源が必要なく、さまざまな変化を検知することができます。

たとえばビル、橋などの構造物や航空機の機体に埋め込むことで、ひずみを検知することができます。また、河川の土手や崖など崩壊をいち早く察知することで防災に有用です。他にもさまざまな用途が考えられており、これから有用なセンサーと言えるでしょう。

速度、加速度、回転数などを読み取るセンサー

MEMSという半導体の微細加工技術を活かして、xyzの3軸方向の加速度を1つのデバイスで測定できる加速度センサーがあります。超小型のデバイスであることから、ゲームコントローラーや携帯電話、ハードディスクの振動検知などに広く使われています。

音声、超音波、振動などを読み取るセンサー

通常の音であれば、磁石とコイルで拾った振動をオペアンプで増大して電流として出力することで音を検知します。マイクロフォンやエレキギターのピックアップなどに使われています。

人の音声であれば音声認識エンジンと組み合わせて、人の発する言葉を理解するツールが最近広く使われるようになってきました。家庭用の見守りロボットや、携帯電話のアプリなどに使われています。また、圧電素子を使った超音波センサーは、アクティブソナーなどに使われています。

熱、温度、湿度などを読み取るセンサー

温度センサーのイメージ

バイメタルは温度によって膨張係数の異なる2つの金属を接合して、温度の変化を物理的に検知します。最も一般的な温度センサーが「サーミスター」で、温度の変化によって電気抵抗が変化する金属を組み合わせて温度を測定します。空調機器、給湯器、風呂、自動車のエンジン、湯沸かし器など私たちの身の回りに数多く使われています。

また、被検知体と接触することなく、放射熱を検知して温度を測定する光高温度センサーがあります。これを使うと、工場などで数多くの商品の温度を、同時にかつ瞬時に計測することが可能になります。湿度センサーは、表面に高分子感湿剤を塗布した電極の電気抵抗が、湿度によって変化することを利用して湿度を測定することができます。

光(可視光、赤外線、紫外線など)を読み取るセンサー

センサーのイメージ

光センサーは、フォトダイオードを使った受光素子で、光を電荷の量に光電変換し、電気信号を生成します。受光素子を一つの画素として受光平面上に多く並べ、光学レンズで画像を結像させるものに「CCDイメージセンサー」「CMOSイメージセンサー」があります。これらのセンサーは、デジカメにおける従来のフイルムにあたる部分に広く使われています。

赤外線を読み取るセンサーを利用したのがサーモグラフィです。

電磁気(磁界、電流、電圧など)を読み取るセンサー

電界強度や磁場の強さを計測するために必要なセンサーです。磁気によって抵抗値が変化する磁気抵抗効果を利用した「MRセンサー」などがあります。磁界の強さを計測することで、電線の外から電流を計測する「クランプメーター」などがあります。

その他のセンサー(ガス、におい、味覚、顔、指紋など)

ガス、におい、味覚などのセンサーは、それぞれの元となる物質を化学的に検出することで検知します。家庭用のガス漏れ検知器などに使われています。

顔認証はカメラで撮影した画像をソフトウェアで処理・分析し、あらかじめ登録されていた画像と照合することで検知します。ビルの入退出管理、空港の出入国審査などの場面で使われています。最近ではコンサートの入場チェック時にも顔認証が使われるようになりました。

指紋認証はタッチセンサーで読み取った指紋情報を、ソフトウェアで処理・分析してあらかじめ登録されている指紋情報と照合します。

これ以外にもモノの形を認識するセンサーなど、さまざまなセンサーがあります。

ネットワークに繋がるセンサー群

クラウドのイメージ

従来は、これらのセンサーはさまざまな現場で多くの場合、個別の用途で使われてきました。しかしIoTでは、これらのセンサーをネットワークで有機的に結合させ、クラウド上で情報を共有できる時代になります。

センサー情報がクラウド上に共有されることで、ビッグデータ処理やAIによる分析など、今までにないビジネス価値が創造されます。

センサーを有機的に結合したセンサーネットワークを現在の設備に構築する場合、設置のための工事に時間がかからず、費用の面でも無線の方が有線よりもはるかに有利であると言えます。柔軟で信頼性のあるセンサーネットワークを構築する情報は、以下をご覧ください。

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  • 本記事は2016年9月に掲載しました。記事中に記載する数値、固有名詞、市場動向等は掲載日現在のものです。

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