2021年6月1日
検査風景と検査結果画面
OKIは、製造現場のなかでも特に熟練者の技術・経験を必要とする検査工程にAIを取り入れて省力化・自動化を実現する映像AIソリューション「外観異常判定システム」を開発し、本日より販売を開始しました。本システムはカメラで撮影した検査対象の部品・製品の高精細映像をAIで映像解析することにより、リアルタイムで製品の外観異常を自動判定します。OKI本庄工場(埼玉県本庄市)で実施した実証実験では、本システムの導入により、組立工程における作業ミスの見逃し“0”化、さらには製造工程全体の作業時間の15%削減という効果を確認しました。OKIは本システムを、スマート工場を実現するManufacturing DX(注1)のソリューションの一つとして販売し、今後3年間で10億円の売り上げを目指します。
生産労働人口が減少する中、製造現場における省力化・自動化の取り組みが進んでいます。製造の各工程の中でも、組立工程における作業ミスの有無を部品・製品の外観の目視でチェックする「検査工程」は特に熟練者の技術や経験への依存度が高く、そのノウハウや技術のデジタル化による継承が喫緊の課題でした。OKIは、この課題を解決するため、検査対象の部品・製品の映像データに対し熟練者の「目」および「知(ノウハウ)」に値するAI分析を行うことで外観の目視検査を自動化する「外観異常判定システム」を開発しました。
本システムは、カメラで撮影した検査対象の部品・製品の高精細映像をOKIのAIエッジコンピューター「AE2100(注2)」で解析することにより、リアルタイムで製品の外観異常を判定し、即座に作業者に結果を通知します。判定結果を含む検査画像、製品情報などの証跡データは上位に位置する管理サーバーに蓄積し、品質管理や分析に活用することができます。ローカル5G(注3)実験試験局を備えるOKI本庄工場の通信機器製造ラインで実施した本システムの実証実験では、高精細映像をローカル5Gネットワークで伝送し、AE2100で映像解析した結果、作業ミスの見逃し“0”化とともに、製造工程全体の作業時間を15%削減する効果を実証しました。従来熟練を要した目視検査工程を自動化したことで、作業者の負荷軽減効果も期待できます。OKIは引き続き本庄工場をはじめとする自社工場でのManufacturing DX導入実績・ノウハウを活かしてAIエッジ×5Gの各種ソリューションを提供し、製造業の現場力強化およびITとOT(注4)の改革に貢献していきます。
なおOKIはこの実証実験の内容をはじめ、本庄工場におけるローカル5Gを活用した取り組みについて、2021年6月2日から6月4日の間に東京ビックサイト青海展示棟で開催されるワイヤレス・ジャパン2021において公開します(出展:OKI、ブース番号:1-075)。
製造現場を見える化する「現場変革」、現場と経営を高度かつ双方向に連携する「IT・オペレーション変革」、環境変化・法令対応・少量付加価値生産などのさまざまな経営判断を支援する「マネジメント変革」の3つの変革から構成される、スマート工場実現をめざしたOKIのソリューションコンセプト。
ネットワークカメラや各種センサーを収容してエッジ(現場)で高速ディープラーニング推論処理を行う、耐環境性に優れたAIエッジコンピューター。大容量の映像データをクラウドへ送信せずエッジでAI処理することにより、信頼性・リアルタイム性・プライバシー保護を実現。
URL:https://www.oki.com/jp/AIedge/
通信事業者ではない企業や事業者が、プライベート空間に専用の5Gネットワークを構築する自営の無線ネットワーク。
製造現場における工作機械や工場設備などのハードウェアを最適に動かすための制御・運用するための技術。