
OKIは、中期経営計画2025を成長への舵切り1st Stageとして事業ポートフォリオの見直し、イノベーション強化、サステナビリティ経営の推進などを進めてきました。これらの取組みを通じて、創業150年に向けた将来事業の創出を目指しています。
本号では、「社会課題の解決と未来社会を支える、お客様とともに築いた成果」を特集テーマとして、中期経営計画2025の総括をお届けしています。キーメッセージである「社会の大丈夫をつくっていく。」を実現するために、各セグメントで事業力を高めてきた取組みや、お客様と共創して現場課題を解決した具体事例を掲載しました。
営業・技術・生産など社内各部門が一丸となり挑戦した成果は、OKIグループの総合力の証です。これからもお客様とともに、社員一人ひとりが“自分ごと”として社会課題に向き合い、新たな価値を生み出し続けていきます。
加藤 洋一
中山 泰輔・寺村 浩二
本発表は、OKIの中期経営計画2025の総括とグローバル成長戦略についての総合報告である。OKIは社会課題の解決に対して、ゼロエナジー×AIとものづくり・サービスを統合し、お客様と共創した成果で未来社会を支える。
キーワード:中期経営計画2025、成長戦略
上村 和久・島田 友憲・久保 祐樹
ゼロエナジーIoTシリーズの適用分野の拡大に向け、新型エナジーハーベスト電源ユニットを開発している。本稿では、本ユニットの改良点となる「発電・蓄電の大容量化」、「発電効率の改善」、「様々な発電源への対応」について説明する。
キーワード:IoT、エナジーハーベスト、環境発電、遠隔モニタリング、ゼロエナジーゲートウェイ
古川 貴仁・久保 祐樹
2022年からOKIが販売するゼロエナジー高感度カメラについて、現在次世代機の開発を実施している。本稿では、ゼロエナジー高感度カメラの実証実験事例の報告と、次世代機の機能進化の展望について述べる。
キーワード:IoT、センサーネットワーク、カメラ、エナジーハーベスト、状態監視
平本 美智代・内田 真広
ホームドアの課題と運行オペレーションの変革を目指し、鉄道事業社と共に3D LiDARによるホーム安全支援の転落検知システムを技術開発した。本稿では、曲線ホームの隙間転落を検知するLiDARセンシング技術について紹介する。
キーワード:3D LiDAR、駅ホームの転落検知システム、曲線ホーム、点群処理、ホーム安全支援、RTK-GNSS測位
佐野 弘樹・藤田 雅則
河川観測の高度化の一環として、流量観測の無人化や省人化が期待されている。本稿では、ミリ波レーダーを用いて河川に向けて広範囲に電波を照射し、流速などの河川の情報を面的に取得する技術について紹介する。
キーワード:ミリ波レーダー、河川、流速
河村 慎太郎・林 淳
OKIは先進技術と現場力を融合し、世界各地の社会課題に対して現地パートナーと共創しながら解決に挑むとともに、人財育成を通じて持続可能な価値創出を推進している。今後もグローバル戦略を深化させていく。
キーワード:グローバル、共創、グローバルサウス、トルコ、人財
橋爪 洋・丸田 雄介・佐藤 基博
OKIは、世界各地で自然災害が激甚化する中、グローバル展開に対応したインフラモニタリングシステムを開発し、インドネシアとトルコの鉄道事業者と協働して実証実験を行った。本稿では、斜面、河川、シンクホールを対象とした実証実験の内容を紹介する。
キーワード:IoT、インフラモニタリング、地すべり、洪水、シンクホール、高感度カメラ
山田 圭祐・中島 裕司・宮井 敦司・倉林 涼
業種/規模が多様なOKI-Gの工場では、自動搬送に求める機体/仕様は多岐にわたる。マルチベンダー制御により、工場毎の単独での開発投資・時間を削減しOneFactoryを実現した。このRATシステムについて、開発背景/技術概要/導入状況を解説する。
キーワード:自律搬送ロボット(AMR)、マルチベンダーAMR制御
金井 拓也
OKIは2023年度に発表した技術戦略でエッジデバイス強化を重点施策として掲げている。その成果として開発した、共通化・小型化・省電力化を実現するベースアーキテクチャと今後の事業展開について紹介する。
キーワード:共通化、小型化、省電力化
中條 颯太・新保 靖行
高多層・高精細・大型プリント配線板に関する高い開発・生産技術力と実績を保有するOKIサーキットテクノロジーでは、AI半導体に搭載されるHBMなど次世代広帯域メモリー向けウエハー検査装置用として、124層PCB技術の開発に成功した。
キーワード:プリント配線板(PCB)、高多層、高密度
古田 裕典・鈴木 貴人・谷川 兼一・中井 佑亮・松尾 元一郎
CFBソリューションは、異種材料接合/集積により半導体の新たな進化に貢献する。本稿では、パワー半導体(信越化学工業様)、アナログIC(日清紡マイクロデバイス様)、光デバイス(NTTイノベーティブデバイス様)の共創事例を紹介する。
キーワード:半導体、ヘテロジーニアスインテグレーション、パワーデバイス、アナログIC、光デバイス、シリコンフォトニクス
村上 龍也・西田 祐太・工藤 真宏・中村 隆治・森本 さくら
OKI-EMSグループが宇宙機器開発向けに、「熱解析・シミュレーション」から「検証・故障解析」「量産」までワンストップ体制で設計品質を高めるサービスSimuValidの価値と技術融合を紹介する。
キーワード:OKI-EMSによる新結合イノベーション(技術融合)、宇宙機器開発向けワンストップ体制、熱解析・シミュレーション、バリデーション(現物検証)、故障解析(信頼性評価)
池田 祐一・殿岡 直哉
設計資産のない老朽化したシステムを次世代デバイスに効率的に置換える当社独自のソフトウェア設計プロセスを構築した。本設計プロセスにより、現行システムと同等の機能・性能を維持したシステム再構築が可能となった。
キーワード:N-Process、iRES、デバイス置換え開発、リバースエンジニアリング
上田 剛弘・渡邉 和浩・稲生 智久・平岡 冠二・任 哲人
CATVにおける放送のIP化を実現するための規格や技術的条件が制定され、IP放送の導入環境の整備が進んでいる。IP放送システムを実現する製品として新しい規格に対応したIP放送サーバーと、総務省の放送品質に関する省令に対応したIP放送監視システムを紹介する。
キーワード:IP放送、CATV
石原 睦・佐藤 敏治
環境・セキュリティ規制に対応した、省エネ・長寿命・小型・高メンテナンスのA4モノクロプリンター新商品を開発。多くの顧客の声に基づき、様々な面でスペックアップを実施。ターゲットユーザーニーズに合致した商品を作り上げた。
キーワード:モノクロプリンター、省エネ、Space Saving Technology、環境、セキュリティ
三村 典雅・小川 哲也・村田 稔樹
OKIはイノベーション活動のさらなる加速を目的に、高精度で深い会話を実現するグラフ文書技術を適用し、アイデア創造を強力に支援するAIエージェント「ダ・ビンチ グラフ」を開発した。本稿ではその概要と特長について論じる。
キーワード:生成AI、イノベーション、AIエージェント、グラフ文書技術、IMS
福島 浩之・吉原 和英・牛窪 裕一・井上 敦夫
物流、ヘルスケア医療、高度遠隔運用プラットフォームといった注力領域で立ち上げた新規ソリューションは、いよいよ事業化フェーズに入った。日本市場だけに留まらず、Global Innovation Hubを通じてグローバルでの事業展開を目指す。
キーワード:グローバル、イノベーション、物流、ヘルスケア・医療、高度遠隔運用プラットフォーム
ファン チョンフィ
行動認識性能を向上させるための一つの工夫である階層的な識別技術を紹介する。また、有効性を確認するために、製造分野を想定したデスクトップPCを組み立てるデータセットに対する検証結果も述べる。
キーワード:行動認識、画像センシング
上田 誉
少子高齢化で医療現場の負担が増す中、尿監視業務の自動化を目指し光学式尿中血液濃度測定技術を開発。尿中ヘモグロビン濃度に応じて透過式と反射・散乱式を使い分けるハイブリッド方式を考案。医療現場効率化やデータ活用等に貢献する有望性が示唆された。
キーワード:医療、自動化、光学測定、尿、業務効率化
OKIアイディエス 事業統括部 営業SE部 村上 龍也
従来の国家プロジェクトとは一線を画し、民間主導の宇宙開発、いわゆるニュースペース市場が立ち上がり、成長の兆しを見せています。今回は、OKI-EMSグループのOneコネクトセールスプロジェクト「宇宙チーム」のキーパーソンを紹介します。