講演概要

今回の講演では、「OKIの健康経営の取り組み　〜プレゼンティーイズムの改善を実現する、行動変容と睡眠施策〜」と題し、人事総務部健康推進担当の三浦とイノベーション事業開発センターでヘルスケア・医療を担当する佐藤が講演しました。
近年、5人に1人は睡眠に問題があると言われており、睡眠不足による日本の経済損失は18兆円に上ります。もはや「睡眠問題」は、従業員個人の課題から企業が伴走しながら解決すべき課題と言っても過言ではありません。近年では企業の健康経営の取り組みの中でも睡眠改善に取り組む企業が増えてきました。そこで、今回の講演では「睡眠」にフォーカスし、睡眠習慣の改善に取り組んだOKIグループの健康経営に対する取り組み事例とその改善の効果について紹介しました。

① OKI人事・健康保険組合の睡眠課題への取り組み

はじめに、三浦からOKIの健康経営の取り組みや特徴について紹介しました。OKIは健康経営にあたり、「従業員の主体性」を大切にしており、リテラシー向上に留まることなく「健康管理もセルフマネジメントの1つ」であるという意識づけを行いながら従業員の主体性を大切に育てられるように取り組んでいます。
特に、OKIは睡眠改善を「従業員の健康行動を促す旗振り役」として位置付けています。これは、毎年行っているアンケートにて、4年連続で2人に1人が睡眠改善に関心があることが判明していたためです。加えて、睡眠は重要健康課題である肥満やメンタルヘルス不調の予防にもつながることも睡眠を旗振りテーマとした理由のひとつです。
そこで、昨年度スモールスタートとして取り組んだ施策として、OKIが開発した睡眠習慣改善の行動変容アプリ「Wellbit^® Sleep（ウェルビット スリープ）」の導入事例を紹介しました。自社開発アプリを利用することで、従業員が睡眠課題に関心をもつきっかけとなることを狙いました。効果として、従業員の不眠症状の改善や、それに伴う生産性指標向上がみられたことを説明し、今後も継続してOKIはグループ一丸となって「睡眠改善」に重点的に取り組むことをお伝えしました。

② 生産性への影響も。企業が考えるべき従業員の「睡眠」

続いて、佐藤から「睡眠」と「企業経営」の関連性について紹介しました。企業が睡眠改善に取り組むことで、従業員のメンタル不調の予防や生産性向上、病気疾患の予防などの効果が期待できます。また、運動習慣や肥満の生活習慣と比較すると、睡眠休養の生産性損失コストはより高い値であることを説明し、健康経営における「睡眠」の重要性をお伝えしました。

③ 睡眠習慣の改善をかなえる、行動変容サービス

最後に、OKIが開発した睡眠習慣の改善サービス「Wellbit Sleep」のサービス概要を説明しました。Wellbit Sleepは、睡眠習慣を改善するために開発したスマートフォン上で使用できるアプリケーションです。利用者は日々の睡眠日誌や睡眠に関するアンケートを入力することで、パーソナライズされた行動アドバイスのメッセージを受け取ることができます。
Wellbit Sleepは、OKIが保有する10件以上の行動変容技術に関する特許を活用しています。また、京都大学・ヘルステック研究所との臨床実験によって、睡眠改善の効果が証明されていることをご説明しました。

今回の講演は、大変多くの方にご参加いただきました。講演後のアンケートでは、従業員の睡眠改善方法や、施策の参加率を挙げるためのポイントなど、大変多くの質問が寄せられ、従業員の睡眠習慣改善への関心が高まっていることが体感できました。今後もOKIの健康経営の取り組みについて発信しつつ、Wellbit Sleepの社会実装を加速してまいります。

関連リンク：
行動変容プラットフォーム「Wellbit^®」
https://www.oki.com/jp/Wellbit/sleep.html
日本の人事部「HRカンファレンス」（外部サイト）
https://jinjibu.jp/hr-conference/202411/