塾長コラム「Yume塾便り」第69回
ビジネスアイデアコンテスト「Yume Proチャレンジ」が質量ともに充実!
~OKIのイノベーション文化が進化しています~

最新記事
OKIでは、2018年度よりOKIグループ全社員を対象にビジネスアイデアコンテスト「Yume Proチャレンジ」を実施しています。2021年度末には、254件の応募があり、そのうち最終審査に残った10件について経営陣による2次審査を5月18日に実施しました。Yume Proチャレンジのこれまでの変遷と変わりつつあるOKIのイノベーション文化についてご紹介します。
イノベーション研修の成果を活かして個人のアイデアを登録
Yume Proチャレンジでは、イノベーション研修で学んだお客様課題(ジョブ)の発見方法やビジネスモデルキャンバス(BMC)などのフレームワークを用いて、各自が機会を感じる社会課題に対してビジネスアイデアを登録します。このアイデアについて、様々な顧客と議論を繰り返して仮説を磨いた結果を経営陣にて審査します。OKIの今後の成長に貢献すると考えられるアイデアに賞を与え、その先の仮説検証費用の投資や事業化支援が行われます。
これまでに、2018年度に37件、2019年度に45件の応募でしたが、2020年度に147件、2021年度に254件と、応募数が急増しました。これは、OKIグループの社員がイノベーション創造の仕組みを理解し、Yume Proチャレンジに応募することで新たなビジネスを創造することに会社が支援してくれることを信頼し、まずやってみようという人が増えてきた結果と理解しています。
加速支援者と一緒に仮説磨きを繰り返し、ビジネスを育てる
Yume Proチャレンジを開始した当初は、まだ顧客の課題が十分理解できておらず、思い付きや誰にどんな価値を提供し、どのようにビジネス化するのかが曖昧なものが多いのが実態でした。そこで、2020年度から新規事業創出経験のある社員や実践研修の修了生、過去にYume Proチャレンジで仮説検証経験のあるメンバーが加速支援者となり、各アイデアの仮説磨きに伴走する形態をとりました。それにより一人で考えていても、アイデアをどう磨いたらよいかわからない場合でも、加速支援者と一緒に考えることで、仮説の不確実性が下がり、事業の実現性が向上していきました。
ただ、最初から誰に加速支援をお願いしたら良いかわからないケースも多くありました。そのような場合は、まずはイノベーション研修を受けてもらい、研修の中でBMCのフォローアップや個人向け実践研修など個別指導を通して、アイデアの弱点を発見し、適切な加速支援者を紹介するサポートも行ってきました。
この活動で私が気が付いたのは、加速支援を行うとアイデアの提案者だけでなく、一緒に伴走している加速支援者もアイデアを自分ごとで捉え、加速支援能力がメキメキと向上したことでした。自分の考えたアイデアは、どうしても「これは良いアイデアだ」という思い込みが入りがちですが、客観的な視点で、どこが課題か、どうすればお客様により良い価値を提供できるかを考えることで仮説磨きのコツが掴めるようになります。
Yume Proチャレンジでは、大賞や準大賞、特別賞を受賞したアイデアには具体的な資金や組織的な支援を行いますが、それ以外のアイデアについても、筋の良いアイデアや提案者が熱意をもって継続したいと考えるアイデアには加速支援を継続します。すなわち、Yume Proチャレンジに落選はありません。今回は受賞に至らなくても、ビジネスモデルをより強化し、継続して仮説磨きをすることで新たなイノベーションの創出につながるまで粘り強く活動を続けることを期待しています。

「ひたすら実践」に向けて仕組みを構築
2022年度は、実践研修の内容をより強化します。これまでの実践研修に加えて、多くの事業を立ち上げて来られた守屋実氏(※1)にメンターとして支援いただくコースも設けます。
また、加速支援強化のために、「加速支援コミュニティ」という仕組みを新設し、加速支援者同士の連携を高めていきます。「加速支援コミュニティ」については別途紹介いたします。
※1 守屋 実氏:ラクスルなど多くの新規事業を立ち上げて来た新規事業家。2019年よりOKIのシニア・アドバイザーに就任。

OKIのイノベーション推進活動は、イノベーション・マネジメントシステム(IMS)を軸に土台作りの段階から、「実践モード」にシフトしていきます。これからは、実践研修の強化や加速支援コミュニティなど新たな仕組みによって、ひたすら実践していきます。
OKIのイノベーションについて、今後の活動にご注目ください。
(2022年7月5日 OKIイノベーション塾 塾長 千村 保文)