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CINO ism

Feb. 28, 2023

『CINO ism Vol.40』
Yume Proの浸透~実践モードに向けて
―高度遠隔運用(REMOWAY)の事例―

OKI 藤原執行役員 CINO兼CTOの写真
OKI 藤原執行役員 CINO兼CTO

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今年度の「CINO ism」では、OKIのイノベーション・マネジメントシステム(IMS)「Yume Pro」の浸透~実践モードに向けてをテーマに、各部門への展開を担う部長/部門長と藤原の対談を続けています。IMSの実践を通じて見えてきた成果や課題について、現場目線のリアルな声を紹介していきます。
今回は、注力分野のひとつ、「高度遠隔運用」のビジネス推進責任者を務めるイノベーション推進センター(IPC) ビジネス推進部(BID)の伊藤真弥担当部長との対談です。2022年9月に発表した遠隔運用プラットフォーム技術「REMOWAY(リモウェイ)」を軸に、社会実装に向けた取り組みを加速させています。事業化に向けた活動の現状と課題、今後の展開について語り合いました。

Yume Proチャレンジの大賞を起点に、「REMOWAY」へと進化。

藤原「REMOWAY」はもともと、2018年度に開催した第1回の「Yume Proチャレンジ」で大賞に輝いた「AIエッジロボット」が出発点です。翌年度に全社プロジェクトを立ち上げ、コンセプト機を作って「CEATEC」に出展し、市場から大きな注目を集めました。共創パートナーとの施策を重ねる中で、ロボットに限らず多様なエッジデバイスを統合的に管理・制御できる仕組みが求められていること、それを叶えるソリューションが市場にないことが分かりました。そこで、現場のロボットやデバイスをマルチ接続・連携させるプラットフォーム技術の開発に力を注ぎ、「REMOWAY」が生まれました。
伊藤さんはこのプロジェクトの初期から、メンバーとして参画していましたね。

伊藤私は当時、情報通信事業本部 基盤技術センター(現ソリューションシステム事業本部 システムセンター)に在籍しており、当プロジェクトにはロボット開発のアドバイザーとして加わりました。アドバイザーとしての役割を終え、いちど離れましたが、その後も注目はしていました。
2022年5月にIPCのビジネス推進部(BID)に異動し、改めて「REMOWAY」の事業化に向け、ビジネス推進責任者として携わることとなり、現在に至ります。

イノベーション推進センター ビジネス推進部 伊藤真弥担当部長の写真
イノベーション推進センター ビジネス推進部 伊藤真弥担当部長

事業部門経験者をメンバーに加えモノづくりへの体制を強化

藤原2022年度は、事業化に向けてプロジェクト体制の大幅な強化を図りましたね。

伊藤体制に関しては、事業部門でモノづくりを経験してきたIPC ネットワーク技術研究開発部(NTD)の小田担当部長と私が加わったことが1つのポイントといえます。これは、コンセプトの創造・構築を中心とした活動から、お客様のニーズにマッチした“モノづくり”を進めるフェーズにシフトしたことを表しています。
現在は、ビジネス推進とネットワーク開発を融合させ、プロジェクトを進めています。ビジネス側は事業シナリオやマーケティング、プロモーションなどを担当。ネットワーク開発からはロボティクス技術とプラットフォーム技術の2つの部隊が参画しています。もちろん、全社的な取り組みですから事業部門、営業部門とも連携していますし、モノづくりに欠かせない知的財産のメンバーも入っています。最近ではさらに、IMSの観点で加速支援を担う部隊も加わりました。

藤原お客様のニーズというのは、突き詰めると「課金ニーズ」ですね。単にお客様の課題や要望に応えるのでなく、「欲しいからお金を払う」というレベルまでコンセプトを固めて商品を作っていくことが重要です。最近ではお客様側の課題も顕在化していないことが多いので、なおさらこの「課金ニーズ」を明確にしなければなりません。その具体的なやり方がイノベーション・プロセス=Yume Proプロセスの前段である「コンセプト構築プロセス」で、商品企画の前段階でお客様と話をしながら仮説の立案・検証を何度も重ねてコンセプトを作り上げていく作業です。

「実践モード」へのシフトでメンバーの意識・行動に変化

藤原2022度からの「実践モード」では、IMSというプールを泳ぎ切れるスイマーを育て、事業化の取り組みを加速させることを目指しています。泳ぎ切れるようになるには経験を積む、すなわちお客様のところに何度も仮説を持って行くことが重要です。イノベーション活動を率先してきたBIDは常に機動力を持って動く部隊ですが、伊藤さんから見てメンバーの変化はどうですか。

伊藤着任からこれまでで、「ずいぶん変わった」と感じる点が2つあります。まず、単にPoCや実証実験をするという姿勢から、お客様の課題を解決するために「何を作るのか」をしっかり意識し、準備も万全にしてお客様のところに行くようになったことです。また、スケジュールへの意識が変わりました。PJで定めた商品化時期の目標を踏まえ、「この時期までにお客様とここまでの合意をしておかなければならない」といった線表を常に念頭に置いて活動するようになりました。

藤原モノづくりにおける線表意識の重要性は、私もCINO就任時から、徹底して訴えてきましたからね。メンバーの行動の変化は、今後の活動成果として確実に表れてくるでしょう。

お客様のスピード感に合わせ、業種・業務別に3ステップで市場を広げる

藤原私は、高度遠隔運用ビジネスは将来、OKIの柱になるポテンシャルがあると思っています。そのために、事業化への取り組みと並行して、お客様開拓にも注力する必要があります。幸いにも「REMOWAY」には、お客様側から「一緒にやりたい」という声が非常に多く寄せられています。お客様からさまざまな課題、要望を伺っていると思いますが、市場の拡大についてはどのような戦略を立てていますか。

伊藤ターゲットとなる業種や業務を絞りつつ、段階的に市場を広げていこうと考えています。というのは、すでに多くのお客様とPoCや実証実験を進めていますが、業種によってスピード感に違いがあるからです。
警備や施設管理、製造業では、人手不足が喫緊かつ深刻な問題で、屋内・構内を中心とした巡回監視の自動化が急がれています。また、屋内外の工事現場や商業施設、運送/倉庫といった業種も同様の課題を抱えていますが、単に現場の自動化だけでなく遠隔監視・制御の仕組みも含めた導入が求められています。
一方で、介護や医療における見守り業務、自動運転車両の監視・制御といった分野でも複数のお客様と共創に着手していますが、まだまだ、法規制・制度などの課題や中身を詰める余地があり、商用導入までには少し時間がかかると見ています。
そこで、これらの3つにグルーピングした業種を対象に、ステップ1から2、3と順を追って商品提供を考えていきます。2025年度には事業化、一定規模の売上を獲得し、社内で「注力事業」と認められるレベルに到達することを目指しています。

提供価値の数値化で事業立ち上げへの着実な前進を

藤原高度遠隔運用を活用した先の、具体的な事業シナリオを教えてください。

伊藤商品の見せ方としては、「REMOWAY」を中核とした、人と多様なエッジデバイスの柔軟な連携・協働を実現する業務特化型の「リモートDXソリューション」を目指しています。
また、OKIはコンタクトセンターシステム、消防指令台、航空管制卓やATMなどに付随した遠隔運用・監視といったサービスも提供しており、それらのノウハウもソリューションに取り入れていきたいです。さらに、OKIグループが有する全国規模の保守サービス網もOKIの強みです。万が一のトラブル時にすぐ駆けつけるサポートサービスまで含めて事業を展開していければと考えています。
合わせて、「REMOWAY」につながるクラウド、アプリケーションや、エッジデバイスの提供ベンダーとの連携も積極的に進めています。特にOKIの商品としてはカバーできないロボットやIoT端末に関して、商用フェーズの多くのベンダーとタッグを組んで展開していくことが重要だと考えています。

藤原「REMOWAY」はあらゆるデバイスのマルチ接続、マルチ連携が可能な点が強みの1つです。実装できるロボットやIoT端末の選択肢が増えることも、お客様のメリットになりますね。

伊藤たとえば、施設管理業のお客様は、清掃、案内、警備など複数業務の自動化を加速していますが、業務ごとに異なるロボットを個々に運用しており効率的な運用管理が大変とのお話を多く聞きます。こうした課題が「REMOWAY」による統合的な運用管理で解決できます。ロボットはそれぞれが高価ですから、運用面の効率化で全体のコスト抑制にもつながります。

藤原「REMOWAY」の機能やメリットは、すでにお客様も十分理解されているでしょう。しかし、難しいのはやはり「課金ニーズ」にどう結びつけるかです。それには、OKIの提供価値、お客様の導入価値をきちんと数値化して提示する必要がありますが、複数の業務、複数の場所を統合・連携した形で効果を算出するのはかなり大変です。

伊藤確かにそうですね。導入現場では人とロボットが協働することになるので、作業の分担の仕方や連携の仕方によって効果も変わってきます。実際、お客様との実証実験では、「こういう分担にしたらどのくらいの効果を得られるか」といった投資対効果の細かな検証も行っています。
お客様側の導入意欲が急激に高まっているのは間違いないので、提供価値、導入効果をどう示せるかがいまの我々に問われていると肝に銘じていますし、私自身は「ここが腕の見せどころだ」という意気込みも持っています。

藤原人手不足や労働力不足の実情からすれば、OKIには「できるだけ早く」が求められているのかもしれません。しかし、新しいビジネスの立ち上げには時間がかかるのも事実です。お客様とともに、REMOWAYを活用した「リモートDXソリューション」の商品化、事業の立ち上げをきちんと実現していくことが、お客様の課題、ひいては社会課題の解決に貢献することだと思います。熱意と根気、強い想いで最後までやり遂げましょう。

(2023年2月28日、OKI執行役員 CINO兼CTO 藤原 雄彦)

本記事およびOKIの「Yume Pro」については、こちらよりお問い合わせください。

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