研究開発

AI技術研究開発部(ディープラーニング)

AI技術研究開発部(ディープラーニング)メンバー

2018年度12月現在

(スタッフ紹介)

2000年入社。チームリーダー。画像認識技術の研究開発、ATMのSEなどを経て、現在はディープラーニング(DL)技術の動向調査や研究に従事する傍ら、DL技術の社内教育・普及活動にも尽力。
山本
2014年入社。大学時代からインターンとしてOKIの信号処理技術の研究に従事する中で、DL技術の可能性に着目し、研究開発業務の傍らOKI事業のDL化を牽引。
国定
2017年入社。各事業部門のDL開発支援、環境構築支援などを手掛けると同時に、DL技術に関する学会や展示会に積極的に参加し、最先端技術の情報収集に意欲的な期待の若手。

画像認識精度を飛躍的に向上させたディープラーニングに着目

AIという概念が生まれたのは1950年代の後半。昨今、研究対象から社会実装のフェーズへ急激に移行しつつある。そのトリガーとなったのは2012年、大規模画像認識の国際コンテストで、ディープラーニング(DL:深層学習)技術を用いたカナダ・トロント大学のチームが圧勝したことだ。

橘

「この出来事は、画像認識技術に関わってきた私にとっても衝撃的なイノベーションでした。このトレンドに乗り遅れてはいけないと、DLに関する技術情報の収集と研究開発の重要性を感じました」と橘は、当時を振り返る。

その頃、山本はOKIでインターンとしてセンサー信号処理を学んでいた。彼は後に社内におけるDL技術の事業化啓蒙を牽引することになるが、 「学生時代は統計学やデータ解析を専門にしており、入社後、センサーの信号処理にDLを適用する研究に取り組むことになりました」と言う。

DLとは、パターン認識を行う人間の脳のニューラルネットワークを模したアルゴリズムを多層構造化した技術で、近年のAI発展の中心的な役割を担っている。与えるデータや経験値(学習)が増えることで、その精度が向上するという特長を持ち、画像認識をはじめ、音声認識、自然言語処理、異常検知センサーなどへの適応が期待されている。OKIは、従来からこれらの分野の研究開発を推進しており、それらにDLを適応した研究開発も活発に行っている。

国内のAI市場は2030年までに10倍以上の成長が見込まれているなか、AI人材の大幅な不足が指摘されている。OKIとしても組織的かつ体系的な人材育成の機運が高まり、2017年、橘、山本、国定の3人が中心となり、DLの効率的な事業展開を狙うDL開発エコシステムプロジェクトを開始した。

好循環を生み出す『ディープラーニング開発エコシステム』を構築

このプロジェクトに与えられたミッションは、OKIグループ内でのDL人材育成とDL開発支援だった。 「拡大するAI市場においてOKIのプレゼンスを示すためには、開発実績と技術の蓄積が必須で、そのためには人材の育成が急務でした」と語る橘。 橘らのチームを中心としたサポート体制を得た事業部で、具体的なAI案件の実績を積み上げることでスキル・ノウハウを蓄積し、その実績を社内外にアピールすることでさらなる案件獲得と人材育成・技術蓄積のサイクルを回してシステム構築してきた。
「私たちは、プログラマー人材をDL人材へスキルシフトするための教育と、各事業部門が行うDL開発や顧客提案の支援に取り組んでいます。」と山本は言う。

山本

主な活動としては、OKIグループのソフトウェア会社であるOKIソフトウェア(OSK)と共同で実施される『DL基礎講座・応用講座』『技術動向セミナー』『DLワークショップ』といった講習会の開催に加え、事業部門への『DL開発支援』がある。

DL開発エコシステムの概要
DL開発エコシステムの概要

多角的な教育プログラムを通して、開発力向上を図る

「DL基礎講座・応用講座・技術動向セミナーは、2018年度末までに延べ400名超が受講し、OKIグループ内でのDL認知度の向上と技術力の底上げに大きく貢献していると自負しています。」と橘は語る。 特に基礎講座で活躍しているのが、チームに配属されて間もないルーキーの国定だ。

国定

「DLに興味を持っていたものの、配属当初は全くの初心者でした。だからこそ、DLを使うための環境構築など、最初につまずきやすくモチベーションが下がりやすいポイントを熟知しているので、受講者と同じ目線でわかりやすい説明ができているのだと思います」と国定は謙遜する。

応用講座では受講者のモチベーションアップのための趣向が凝らされている。講座の最後にチーム対抗でDLを活用した画像認識精度を競うコンペティションを実施するのだ。 「結果は、認識率何%という数値で出てくるので、大いに盛り上がります。その後、全員でそれぞれのチームの手法を検討・評価するのですが、工夫を凝らしたチームが必ずしも好成績とは限らない。これがDL技術の奥深さでもあり、教える側にとっても大変貴重な学びの機会になっています」(橘)。

一方、DLワークショップは、技術者を中心に営業、SE、間接部門のスタッフなどにも門戸を開き、技術的知識の共有と向上を図るOKIグループ内研究会だ。OKIグループの社内SNSなどで呼び掛け、定期的に開催され、最新のDL技術動向や開発事例・ノウハウの共有が行われている。

座学を中心とした研修以外にも、事業部門への研究開発支援として具体的な顧客案件に基づき、各事業部門のDL開発から顧客への提案まできめ細かなサポートも行っている。 「たとえば、DLによる画像認識技術を活用した複数のPoC(Proof of Concept:概念実証)案件にも着手するなど、着実に実績を積み上げています」と山本は胸を張る。

『ディープラーニングのOKI』というプレゼンスを示したい

プロジェクト開始から2年弱。一連のDL技術教育や事業部支援活動により、OKIグループ全体のDL開発エコシステムは、順調に回り始めようとしている。 「当初は、教育・研修のノウハウも少なく、メンバーも少数であったため、ハードな日々が続きました。現在では、順調に技術者のスキルシフトが進み、順次各事業部門やOSKなどの現場に移管し、私たちの本来業務である研究開発にリソースを集中させることができています」(橘)。

すでに橘らのチームでは、DL技術の普及に向けて『DLのモデル圧縮技術』の研究開発にも取り組んでいる。 「膨大なデータを活用するDL技術では、大規模なネットワークとハイスペックなハードウェアが要求されています。そこで、私たちは演算を効率化してエッジ(端末)の負荷を軽減化する技術を開発し、AI実装の容易化、低コスト化にも貢献したいと思っています」(山本)。 そして、 新人の国定自身も「チームのメンバーとなって、まだ1年も満たないのですが、この間、講座のアシスト役やDL技術情報の収集活動などを通じて、自身の成長を実感しています。DL技術の研究開発や実装にも積極的にコミットし、今後もさらにスキルアップしていくつもりです」と抱負を語る。

「私たちの最終目標は、DL分野の最前線で経験と実績、ノウハウを積み上げ『DLのOKI』という業界内でのプレゼンスを確立することです」と橘は、強い決意を語った。
DL技術に熱意を抱く3人のチャレンジの第二幕は、すでに始まっている。

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