2021年3月16日
ゼロエナジーゲートウェイ
OKIは本日、ソーラー発電駆動により外部電源が不要で、920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop®」(注1)とLTEによる無線通信に対応したIoTゲートウェイ「ゼロエナジーゲートウェイ」の販売を開始します。橋りょうなど老朽化が進むインフラ構造物の健全度、あるいは河川氾濫や土砂災害などの状況を監視するモニタリングシステムに「ゼロエナジーゲートウェイ」を使用することで、システム導入時の電源工事および通信配線工事が不要となります。OKIは、工事費用の削減(当社比1/5)と工期の短縮によりインフラモニタリングの導入を加速する「ゼロエナジーゲートウェイ」をインフラ構造物を管理する事業者や防災・減災に取り組む自治体向けに販売し、3年間で売上20億円を目指します。
高度経済成長期に建設された橋りょうなどのインフラ構造物は老朽化が進み、適切な維持管理が不可欠ですが、人手による点検費用の増大や技術者不足が課題となり、センサーを用いたモニタリングシステムの導入が進んでいます。このインフラモニタリングシステムは、激甚化する自然災害による河川氾濫などを監視する防災・減災の対策としても有効ですが、導入にあたっては計測器やゲートウェイの設置に電源や通信回線などの敷設工事が伴い、機器設置の手間とコストが問題となっていました。
そこでOKIは、電源工事、通信配線工事が不要で設置が容易な「ゼロエナジーゲートウェイ」を開発しました。本製品は、920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」とLTEによる無線通信機能を備えたIoTゲートウェイであり、ソーラー発電駆動に対応することで、屋外の外部電源が無い環境でも容易に導入が可能です。また、「ゼロエナジーゲートウェイ」と、同時に発売する、対象物の加速度・傾き・固有振動数(注2)のデータを収集可能な電池駆動の「無線加速度センサーユニット」(注3)を接続し、「SmartHop」で相互にデータを中継・伝送することにより、広範囲のモニタリングシステムを柔軟に構築することができます。
今回販売を開始する「ゼロエナジーゲートウェイ」は、センサー類と「SmartHop」で接続して橋りょうなどさまざまなインフラ構造物のモニタリングを実現するゲートウェイ単体型、および、河川監視で多数実績のある超音波水位計との一体型、ならびに水圧式水位計との一体型の3種類です。OKIは本製品により、インフラ構造物の老朽化対策や防災・減災に資するモニタリングシステムの導入を加速し、社会インフラの維持管理の高度化、効率化を実現します。
電波到達性の高い920MHz帯無線とマルチホップ中継伝送に対応したOKI製品のシリーズ名称。多様なセンサーや機器を無線ネットワークに手軽に接続することができる、IoT(Internet of Things)に適したソリューションとして、パートナー各社の120機種以上の商品に採用が進んでいます。
対象となる物体が振動するときの、その物体特有の振動数のこと。
3軸加速度センサーを内蔵し、920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」に対応した電池駆動のセンサー装置。監視する対象物にかかる加速度、傾きに加えて、固有振動数を計測する機能を追加した新型を本件と同時に発売します。