ビジネスホン(ビジネスフォンと同義語)やPBX(Private Branch eXchange:構内交換機)のように、呼び名の異なるシステム・機器が、OKIをはじめ複数のメーカーから提供されています。
「電話機を使って、相手と会話でコミュニケーションをはかるという目的は同じなのに、何が違うの?」と思われる方も多いのではないでしょうか?
そこで、ビジネスホン/PBXの基本的な役割から、それぞれに求められる機能をご紹介します。
ビジネスホン/PBXがオフィスでなぜ必要なのか?を、基本的な役割からご説明します。
まずは皆さまのご家庭の電話機を思い浮かべてください。大半のご家庭では、1つの電話番号(例:東京03-xxxx-xxxx)に対して1台の電話機(子機を除く)をつなぎ、ご利用されていると思います。いわゆる電話番号と電話機が1対1の関係です。
もしビジネスホン/PBXが無いと
しかし企業の場合には、多くの社員が働いており、仕事の内容も業務形態(外勤/内勤など)もさまざまです。必然的にたくさんの数の電話番号と電話機が必要になってきます。
このとき社員ごとに電話番号を契約していますと、その数だけ公衆電話網の契約料がかかってしまいます。同じビル内にいる社員に電話をかける際にも通話料がかかりますし、さらにお客様からの電話を他の社員に引き継ぐこともできません。
ここでビジネスホン/PBXが活躍します。まず、基本的な言葉の意味を確認しましょう。
先ほど、ご家庭を例に電話番号と電話機が1対1の関係とご説明しましたが、ビジネスホン/PBXでは、1つの外線番号を複数の社員で共用できます。つまり1対nの関係が成り立ちます。
ビジネスホン/PBXがあると
そのためお客様からの電話が着信した際には、1台もしくは複数の電話機を同時に鳴らしてお知らせし、在席する社員が自分の席に居たまま電話に出ることができます。また、その電話を担当者に「転送」することにより、お客様からの連絡を切らずに・お待たせせずに引き継ぐこともできます。さらにオフィスにいる別の社員が持つ電話機に、内線番号でかけることにより、通話も無料になります。
これがビジネスホン/PBXの最も基本的な役割です。
電話をかける・転送するという最も基本的な役割は同じですが、電話の世界では、ビジネスホンとPBXは区別されて機器が提供されています。ではビジネスホンとPBXの違いを、表を見ながら紐解いていきましょう。
もっとも分かりやすい違いは、主装置に収容できる「電話機の台数」です(表の1行目)。おおまかに中小規模オフィス向け(従業員が数百人程度まで)がビジネスホン、それ以上の大規模オフィス向けがPBXとして位置付けられています。この"数百人程度まで"の上限は、メーカーごとに異なりますのでご留意ください。
次に、使用されるオフィスの形(表の2行目)も異なります。ビジネスホンは、例えばビルの1フロアーもしくは複数フロアーを利用され、拠点をお持ちの場合でも10拠点程度までのお客様が快適に利用できるように作られています。主装置自体も机の上に乗せられる程度の大きさから用意されています。
他方のPBXは、大きなビル1棟を所有されていたり、全国に拠点をお持ちの従業員数が多い企業様向けです。このためフロアー間はもちろん、数多くの拠点と内線接続ができる仕様で作られています。同時にBCP(事業継続計画)の観点からも、主装置の冗長構成(機器内部でのバックアップ構成)を取ることが重要視されるケースも多々あります。このためPBXの方が主装置の構成が複雑になり、主装置自体も大きく、工事費・保守費もビジネスホンに比べて高額になります。
ビジネスホン | PBX | |
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電話機の台数(※) | ~600台 | 300台以上 |
オフィスの形 | 1ヵ所~複数拠点 | 複数~数十拠点 |
重視される 機能の例 |
発信/着信/転送 留守録音(ボイスメール) ドアホンやセンサーなどの外部装置との連携 |
多数の拠点との内線接続 BCP対策(主装置の冗長構成) 外部システムとの連携(コンタクトセンターなど) |
機器の例(OKI製) |
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OKIでは、必要とされる電話機の台数(社員数)に応じて適切な主装置を採用し、費用の最適化を図っていただけるように、ビジネスホン「CrosCore3」はS/M/L/XLの4タイプを取り揃えています。PBX「DISCOVERY neo2」では収容できる電話機が10000台を越えるため、より細かいライセンス区分をご用意しています。詳しくは商品紹介ページをご覧ください。
ビジネスホン/PBXの基本的な役割や、言葉の意味、求められる機能などをご紹介しました。概要はご理解いただけましたでしょうか?
さて、「電話を使ってコミュニケーションを図る」ことが基本のビジネスホン/PBXですが、昨今ではスマートフォンやCTI/CRM、ビデオ会議を使って、働き方改革に活用できることも求められています。
OKIではコミュニケーション提案の取り組みとして「変革と継承」を掲げ、コンセプト「C 3 &S(シーキューブス)」のもとさまざまなパートナー様との機器の連携を図り、お客様のニーズに最適なソリューションをご提供しています。詳しくは「ワークスタイル変革」のサイトをご覧ください。