フィールド(エッジ領域)の課題をAIで解決する時代へ
より早く・より正確に、それが「リアルタイム-インテリジェンス」
金型内部にセンサーを設置し、各種センサーデータ(温度、圧力、勘合変位など)の計測・監視により、樹脂の冷え方、保圧程度、勘合具合などの金型内部の状況を可視化します。
V-Moldでは「金型内センシング」、「高精度・高信頼性の無線技術」、「リアルタイムエッジ処理」、「計測制御システムで見える化」、「リアルタイムAI学習」の5つのソリューションにより、お客さまの課題解決をサポートします。計測はワイヤレスセンシングにて実現し、特長は全センサーが校正済みであらゆるアナログデータを計測器の精度で正確に計測できる点です。また、2.4GHz帯の独自プロトコルにより、安定した通信を可能にしています。ケーブル配線の煩わしさや金型動作時の配線の暴れによる断線の懸念が無く、ワイヤレスによるメリットを十分に活かしたシステムとなっています。
V-Moldでは、リアルタイム性を実現するためにセンシングしたデータをエッジ側で処理する必要があります。このリアルタイム性の実現のため、本システムの中核としてAIエッジコンピューター「AE2100」がソリューションを支えています。AE2100は、IoTで必要不可欠となるさまざまな情報を取得する物理インターフェースに対応し、エッジ領域でのAI解析エンジンを搭載することでデータの即時処理を実現しています。
金型内部をセンシングした全てのデータは成形機と連動し、ショット毎のデータを時系列にリアルタイムで可視化します。解析では複数の計測データから解析モデルを作成し、リアルタイムにAI判断を可能としています。
金型の常時監視で製品異常検知・品質向上を実現
日本の製造業では、IoTの発展の中であらゆる機器や工場がリアルタイムに繋がる「スマートファクトリー」を目指しています。
このような背景において、高品質な製品を生産するため、現在でも熟練技術者の長年の経験による勘と細やかな調整が製造現場で行われている実情があります。製造現場の品質要求は組立工程のみでなく、成形工程まで及んでおり、高度な製品品質に応えるための成形条件出しが課題になっています。
V-Moldシステムの活用シーンとしては成形条件を最適化するツールとして役立ちます。経験不足な作業者が多大な時間を要していた成形条件出しを短縮することができ、生産性向上に貢献できます。また金型内圧力値をリアルタイムで監視し、ショートショットやバリなどの品質不良を閾値判定やAI判断により検出することで、製品の全数検査における作業時間の削減を可能にします。V-Moldの活用で省人化や品質向上などの課題解決に繋げていきます。
本ソリューションの企画にあたっては、10社以上の樹脂成形と関連する企業で共通の課題である品質向上や装置保全の要望をヒヤリングし、ソリューションのシステム提案、製作に至りました。
当社の活動に共感いただいた多数のメーカーにご協力いただき、本ソリューションを活用した製造現場での実証試験も開始しています。また、同時に多くの導入の引き合いもいただいています。