2022年3月17日
ゼロエナジー高感度カメラ
OKIは、ソーラー発電駆動により外部電源が不要で、夜間など暗い低照度環境でも照明を用いず鮮明に撮影ができる「ゼロエナジー高感度カメラ」の販売を本日より開始します。本商品により、橋りょうなど老朽化が進むインフラ構造物、あるいは河川氾濫や土砂災害などの状況を、昼夜を問わず監視することが可能です。また、同時発表するOKIのインフラモニタリングサービス「monifi」などのモニタリングシステムと連携させることで、広範囲でのインフラの巡回点検の自動化、遠隔地からの災害現場の目視確認など、総合的な防災DXが実現できます。OKIは本商品を、インフラ構造物(注1)を保有・管理する鉄道・道路などのインフラ事業者や、防災・減災に取り組む官庁・自治体などに販売します。
近年、橋りょうなどのインフラ構造物の老朽化、集中豪雨などの自然災害の激甚化により、劣化が確認されたインフラ構造物の経過観察や、災害発生時の迅速な現場状況確認の重要性が増しています。その対策のひとつとして、遠隔から現場の状況を目視できるカメラシステムの導入が行われていますが、カメラや照明に必要な電源の敷設、通信回線の配線などの工事が必要で、機器設置の手間と、運用を含めたコストが課題となっています。
「ゼロエナジー高感度カメラ」は、OKI「ゼロエナジーゲートウェイ」シリーズのラインアップの一つです。OKI独自開発の低消費電力の高感度カメラモジュールにより、老朽化したインフラや災害の現場を昼夜問わず撮影可能で、その画像を遠隔地から確認することができます。小型のソーラー発電パネルとバッテリーの採用に加え、920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop®」(注2)と4Gによる無線通信機能にも対応していることから、電源や通信配線の敷設が不要で、監視したいさまざまな場所への低コストでの設置・運用が可能です。連続不日照9日間までの動作を実現しており、災害発生時の現場などでも継続利用できるほか、OKIが得意とするラギダイズ技術(注3)の活用により、屋外環境下でも優れた耐環境性能(注4)を実現しています。
「ゼロエナジーゲートウェイ」シリーズの水位計による河川水位計測、無線加速度センサーユニット(注5)による構造物の加速度・傾き・固有振動数(注6)の計測などと連携することも可能で、インフラ維持管理における巡視業務の効率化に貢献します。さらに、OKIのインフラモニタリングサービス「monifi」と連携させることで、センサーとカメラを組み合わせた広範囲のモニタリングシステムをクラウドサービス上に構築することも可能です。
OKIは、インフラ構造物の計測情報や視覚情報、各情報の分析や関係者との共有により「防災DX」を実現し、「老朽化対策」や「自然災害対策」の一層の高度化、効率化に取り組みます。
ゼロエナジーゲートウェイシリーズ システム構成図
道路、上下水道、鉄道、港湾、通信、エネルギーなどに関する公共的な機能を有する構造物。
電波到達性の高い920MHz帯無線とマルチホップ中継伝送に対応したOKI製品のシリーズ名称。多様なセンサーや機器を無線ネットワークに手軽に接続することができる、IoT(Internet of Things)に適したソリューションとして、パートナー各社の120機種以上の商品に採用が進んでいる。
ラギダイズは「丈夫な、ゴツゴツした」を意味するruggedの動詞形。製品やシステムに、耐熱や耐寒、防水、防塵、耐衝撃といった耐環境性を付与する技術。
屋外などの環境下で使用するための性能のこと。
3軸加速度センサーを内蔵し、920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」に対応した電池駆動のセンサー装置。監視する対象物にかかる加速度、傾きに加えて、固有振動数を計測する機能を有する。
対象となる物体が振動するときの、その物体特有の振動数のこと。