1881年(明治14年)創業、日本最初の通信機器メーカーであるOKI。140年にわたり「進取の精神」で技術力を培い、社会に貢献してきた当社のあゆみをご紹介します。
創業者 沖 牙太郎(1848~1906)
時と時計(1934年)
電話機の国産化からスタートし、通信事業を祖業としてきたOKIがある時期電気時計を作っていたことをご存知でしょうか。
1923年に発生した関東大震災を受け、耐震性に優れ不測の事態でも復旧が容易な自動交換機の生産を推し進めるべく建設された芝浦工場。しかし1927年の金融恐慌、1930年代の世界恐慌などの影響で、電話機や交換機の売上は一気に落ち込みました。
一方で、田中正平博士が発明した精密電気時計、個別呼び出し電話機、指令電話機などの特許権をOKIが譲り受けて生産を開始したのもこの頃でした。電気時計は温度変化の影響を受けにくく、当時としてはきわめて正確だったため、国会議事堂や警察本部、鉄道に採用され話題となりました。在来製品にこだわらず、売れるものは何にでもチャレンジしてみよう、という積極性が功を奏した一例でした。
当時の芝浦工場で電気時計を生産する様子が「国立映画アーカイブ歴史映像ポータル」でご覧いただけます。