OKI イノベーション事業開発センター ソリューション開発部 ソリューション開発チーム
左から川畑 尚也、小杉 篤史、畠 直輝
現在、深刻化する労働力不足解消のためサービスロボットの導入が進められていますが、現状では現場で働く人との連携など、運用面での課題が指摘されています。今回は、現場で円滑に稼働するロボットの社会実装を進めるイノベーターを紹介します。
中学生の頃、初めてPCに触れて以来、ゲームソフトを自作するなど、すっかりソフトウェアに魅了されました。当然、大学・大学院では電子工学を専攻し、クライアントからサーバーまで総合的に扱える開発者を志向していたところ、うまくマッチングしたのがOKIでした。
入社直後から、当時OKIの主力製品のひとつであったコンタクトセンターシステム「CTstage®」の企画・開発に14年間ほど従事。現在は、社内のイノベーション活動の中で提案されたAIエッジロボットを活用した高度遠隔運用プラットフォーム「REMOWAY®」の事業化に向けたプロジェクトに携わっています。
「REMOWAY」は各種のカメラ、センサーや、自律移動するロボットなどのエッジデバイスをリモートで総合監視・制御するプラットフォームです。具体的には、1人のオペレーターが複数拠点の多種多様なエッジデバイスを、現場にいる人やほかのデバイスと協調させながら操作でき(1:N運用)、警備などの遠隔監視業務の効率化が可能。また、OKI独自のエッジモジュール「ROMBOX」を搭載し、異なるメーカーのエッジデバイスでもスムーズに連携させることができる画期的なソリューションです。
もとより高度遠隔運用は、労働集約型業務の労働力不足解消を目的に発案されたソリューションです。市場としては、人が行っていた巡回、入退出管理などをロボットが代替する警備分野をはじめ、工事分野、製造分野などをターゲットとしています。中でも警備業界は採用基準が厳しく、さらに高齢化が著しいため、お客様の期待の大きさを肌で感じています。
どのように私たちが提案するシステムを現場で受け入れてもらえるか試行錯誤を重ねています。たとえば、不審者や子供のいたずらを発見した際、技術者としては直ちに声掛け、通報を想定しますが、実際の現場では臨機応変に対応しています。事業化に向けては、そのような現場の生の声を聞くことが重要です。泥臭く、根気のいる作業である反面、お客様と一緒にソリューションを創り上げている実感が湧き、これまでのOKIの製品開発では味わえなかったやりがいを感じています。
直近の目標は、イノベーション戦略2025(Phase1)で有望市場とする警備設備管理分野から25年度事業化にチャレンジします。今後将来的にさまざまな領域で労働力不足が進むため、複数のオペレーターが複数のエッジデバイスを連携させたM:N運用と異種現場マルチ連携をOKIの強みにして、事業拡大を目指します。