OKIは、2016年度を最終年度とする「中期経営計画2016」を発表しました。「安定収益の確保により成長分野に継続投資し、持続的成長を実現する」を経営方針に掲げ、諸施策を確実に実行し、2016年度売上高5,600億円、営業利益340億円の達成を目指します。
2013年度が最終年度である現中期経営計画では、早期復配と安定配当が継続できる体制の構築に向けて、経営基盤強化プログラムと成長プログラムに取り組んできました。経営基盤強化については、退職給付制度改定、調達コスト削減、人材の適正配置等の諸施策により、2009年度対比で200億円以上のコスト削減を実現する見込みです。また、事業の成長に関しても、メカトロシステムでは中国向けATM販売が計画以上の成果を上げ中核事業に成長したほか、消防・防災需要を確実に獲得した社会システムや、EMS事業などで目標通りの成果を得ることができました。さらに、早期復配についてはコスト削減や期間利益を積み上げてきた結果、今期末に配当3円を実施する予定です。
「中期経営計画2016」では、OKIが目指す姿として「安全で快適な社会の実現に貢献する高付加価値創造企業グループになる」を掲げ、その姿に到達するためのマイルストーンとなるグループ経営計画を策定しました。
経営方針は、「安定収益の確保により継続投資を行うことで、持続的成長を実現する」とし、2016年度の目標は、売上高5,600億円、営業利益340億円、営業利益率6%、自己資本比率30%以上、DEレシオ1倍以下といたしました。売上高については、海外売上を中心に2013年度見込み対比で800億円の増収、営業利益は情報通信システム事業とプリンター事業を中心に同100億円増益を見込んでいます。なお、海外売上高比率は40%を目標としています。
OKIグループを取り巻く事業環境は底堅く、国内の設備投資は回復基調にあり、社会インフラ需要も堅調に推移しております。また、中国をはじめとする新興国の金融機関のシステム投資も積極的で、今後、国家成長戦略の推進や五輪需要の活発化などが新規事業創出の機会につながると期待できます。
このような状況のもと「安定収益の確保」に向けては、国内金融システムや中国ATMの市場拡大の機会を確実に捉えることに加え、社会・通信インフラシステムの更改需要を引き続き獲得していきます。また、2013年度に取り組み中のプリンター事業の構造改革効果や、各事業の効率化を行うことで、安定的に収益を創出していきます。
「持続的成長の実現」については、これまで取り組んできた施策を継続しながら、事業環境の変化を踏まえた新たな切り口を加えて、「グローバル市場での事業拡大」「お客様の『持たない経営』を支援」「次世代社会インフラ分野への参入」を3本柱に今後の諸施策を実行します。
「グローバル市場での事業拡大」に注力し、ロシア、インドネシアに続く新規ATM市場の開拓とブラジル子会社の立ち上げ、加えて現金処理機や保守サービスの展開など商品拡大を目指します。また、コピア・プロフェッショナル市場向け高付加価値プリンターのグローバル展開も進めます。
「お客様の『持たない経営』を支援」では、「クラウドサービス」や「LCMサービス」などを提供する「EXaaS™」の強化と、保守やハイエンドEMSでの医療・新エネルギー分野の開拓を行います。また、「次世代社会インフラ分野への参入」では、センシング・ネットワーク技術などのOKIの強みを活かし、防災・減災、社会インフラ老朽化対策等に取り組みます。
さらに、これらの事業戦略の実行と併せて、生産・設計改革や調達コストの削減、運転資本削減に向けた活動に取り組むほか、研究開発の強化や、成長分野への人材シフト、グローバル人材採用、女性の活躍推進などの人材強化策も実行します。
OKIは、安定収益の確保と継続投資により持続的成長を実現し、安全で快適な社会の実現に貢献する高付加価値創造企業グループを目指していきます。
2013年度見込み | 2016年度計画 | |
---|---|---|
情報通信システム(億円) | 3,020 | 3,550 |
プリンター(億円) | 1,210 | 1,400 |
EMS(億円) | 390 | 460 |
その他(億円) | 180 | 190 |
売上高 計(億円) | 4,800 | 5,600 |
2013年度見込み | 2016年度計画 | |
---|---|---|
情報通信システム(億円) | 220 | 260 |
プリンター(億円) | 40 | 100 |
EMS(億円) | 20 | 25 |
その他(億円) | 25 | 30 |
本社費・消去(億円) | -65 | -75 |
営業利益 計(億円) | 240 | 340 |