COLUMN
24時間自動測定と記録自動化で転記作業の負荷をゼロにする医療DXの最前線 ―「尿量確認」の事例

この記事で分かること
- 医療従事者不足の現状と、高まる医療DXの必要性
- 身体的負荷や転記作業など、医療現場特有の課題
- 尿量確認支援システム「ウロミル™」が実現する24時間自動測定と記録自動化の価値
- スマホ連携や見守りなど、OKIが提供する多角的なヘルスケアソリューション
少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化し、医療現場における業務効率化はもはや、避けて通れない課題となっています。多岐にわたる業務の中でもとくに、バイタル管理の一環である「尿量確認」と、それに伴う転記作業は、今なお多くの手作業が残る領域です。
本記事では、採尿バッグの目視確認や記録といった一連の作業をデジタル化する、尿監視支援システム「ウロミル™」の効果を解説。あわせて、医療DXの実現に向けたOKIのソリューションもご紹介します。
目次
医療現場の現状と医療DXの必然性

日本の医療や福祉の現場は、団塊の世代がすべて75歳以上となる「2025年問題」を経て、その先にある「2040年問題」も注視すべき局面にあります。厚生労働省の推計では、2040年には医療・福祉分野の従事者が約96万人不足するとされており、現状のマンパワーを前提とした運用を維持していくことへの懸念が広がっています。
これまで医療現場の多くは、スタッフの献身的な努力や細やかな気配りによって支えられてきました。しかし、生産年齢人口が減少の一途をたどるなかで、もはや各人の努力だけでは補いきれない状況が増えつつあります。
そこでいま、求められているのは、本来人間が介在しなくてもよい定型的な「作業」をデジタルへ委ね、情報の流れを電子カルテなどの基盤へシームレスに一元化させていく取り組みです。このような医療現場の負担軽減に貢献する医療業務のDXを推進することは、単なる効率化に留まらず、スタッフが本来の専門性を発揮し、心身の余裕を持って患者様と向き合える環境を整えることにつながります。
尿量確認における「作業」の課題と現場の疲弊
看護現場におけるバイタル管理の中でも、尿量の測定と記録は、患者様の腎機能や循環動態を把握するための重要な作業です。しかし、デジタル化が進む病棟内において、この業務はアナログ作業として取り残されてきました。
重症患者などの尿を溜める採尿バッグ(ウロバッグ)は、通常、重力を利用して排尿を促すために、ベッド脇の低い位置に設置されています。そのため、看護スタッフは目盛りを確認するたびに、深く腰を落とす「しゃがみ込み」を、1日に何度も繰り返さなければなりません。この反復動作は、腰や膝へ大きな身体的負荷を与えます。
また、夜間の消灯後などの作業はさらに過酷です。懐中電灯などの限られた光を頼りに、細かなアナログ目盛りを読み取る作業は、環境的・視覚的なストレスをスタッフに強いています。読み間違いが許されないプレッシャーもあり、精神的な消耗が蓄積します。
さらに、情報の管理フローにおける「非効率」も課題です。現場で読み取った数値を紙にメモし、ナースステーションへ戻り改めて「電子カルテへ手入力(転記)」するという分断されたルーティンが常態化。この二度手間ともいえる工程は貴重な看護時間を奪うだけでなく、多忙ゆえの「書き間違い」や「入力漏れ」への不安という、心理的な圧迫をスタッフに与え続けています。
さらに、定時巡回という特定の「点」でしか情報を得られない現状は、次の確認までの空白時間に生じる急激な状態変化を見逃すリスク(タイムラグ)も拭えず、長年、現場の課題となってきました。
ウロミル™が実現する、尿量確認のデジタル化
こうした現場の身体的・心理的な負担を解消し、看護業務の質を維持・向上させるための新たなソリューションが、尿監視支援システム「ウロミル™」です。本技術は、これまで看護師による目視確認に頼っていた尿量測定をデジタル処理へと置き換え、現場のワークフローを刷新します。

その特徴は、24時間のリアルタイムな自動測定です。PRAツールを利用すれば、機器が継続的にデータを取得し、スタッフがその都度「見に行く」「しゃがみ込む」という物理的な作業を最小限にします。これにより、スタッフを悩ませてきた身体的負荷の軽減はもちろん、夜間や多忙時であっても、最小限の労力で正確な尿量を把握し続けることが可能となります。
また、本技術は単なる測定に留まらず、情報の循環をスムーズにする役割も担います。RPAツールと連携することで、測定されたデータは人の手を介することなく電子カルテや重症管理システムへと直接記録(自動転記)されるため、現場での「紙メモ」や「後からの手入力」という煩雑な工程が不要になります。情報の転記ミスや入力忘れといった人為的なエラーのリスクを抑え、常に最新のデータが共有される環境を整えることで、物理的な作業を軽減し、スタッフが抱える心理的な不安の払拭に寄与します。
さらに、医療安全を支える機能として、設定した閾(しきい)値に基づいた「即時アラート通知」を備えています。尿量に異常が生じた際、即座にポップアップやブザーでスタッフへ知らせることで、巡回時間の合間に生じる「情報の空白」を埋め、患者様の急激な状態変化への迅速な対応を支援します。
加えて、高精度なデジタル測定処理で尿量が画面にわかりやすく表示されるため、従来コストのかかっていた精密尿量計付きバッグを使用せずとも、より安価な「汎用ウロバッグ」を代替として活用できます。これは消耗品コストの抑制につながり、病院経営の健全化という側面からも大きなメリットをもたらします。
医療DXの実現に向けて - OKIのヘルスケアソリューション
OKIでは、長年培ってきた通信やセンサー技術などを結集し、病室から介護施設に至るまで、医療・介護現場の多角的な課題解決を支援しています。前述のウロミル™による尿量確認の自動化を含めて、以下のソリューションを組み合わせることで、医療・介護業務全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させます。
スマートフォンナースコール連動:移動の無駄を削ぎ落とす
医療機関において、看護業務の要となるナースコールをスマートフォンと連動させることで、スタッフの機動力を飛躍的に向上させます。呼出時に患者様の氏名やベッド番号を瞬時に表示するだけでなく、IPカメラ映像との連携により、現場へ駆けつける前に状況を視覚的に確認可能。優先順位の判断が、容易になります。ここにウロミル™のアラート情報を統合すれば、ナースステーションに戻ることなく異常を察知でき、無駄な往復を減らした効率的な動線管理が可能となります。
高齢者見守りソリューション「WatchOverSmart」:非接触での安全管理
介護施設において、入居者様の安全とスタッフの見守り負荷軽減を両立させる本システムは、ベッド下に配置した非接触センサーが入居者様の状態を24時間、静かに見守ります。離床や起き上がりの予兆を検知して通知することで転倒事故を未然に防ぐとともに、心拍や呼吸のデータから睡眠リズムを可視化。これにより、夜間の定期訪室の要否をデータに基づいて判断できるようになり、介護スタッフの身体的・精神的な負担軽減に大きく寄与します。
まとめ
医療・介護業務のDXとは、単なるIT機器の導入ではなく、手間のかかる作業をデジタルに置き換え、現場のスタッフが「人にしかできないケア」に専念できる時間を、物理的に創出するための挑戦です。
「ウロミル™」のように、測定作業を自動化する機器をはじめ、スマホ連携や見守りシステムなどOKIの多様なソリューションを組み合わせることで、情報の断絶を解消し、質の高い医療を持続させるための強固な基盤が形作られていきます。看護・介護スタッフの皆様が身体的・精神的なゆとりを持ってベッドサイドに立てる環境。それは、患者様・入居者様にとっても、より安心できる療養環境の実現に繋がるはずです。
OKIはこれからも、現場に寄り添うパートナーとして、医療・介護現場の負担軽減に貢献する医療DXを通じた持続可能な社会の実現に貢献してまいります。導入や提案をご検討中の方は、ぜひお気軽に以下よりお問い合わせください。
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