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コラム2026年7月3日

【2026年最新】多品種少量生産のメリットとデメリットとは?IoT事例もご紹介!

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製造業の現場では、多様化する顧客ニーズに対応するため、一つの製品をさまざまな仕様で製造する「多品種少量生産」が求められています。とくに近年は、人手不足の深刻化やサプライチェーン強靱化への要請を背景に重要性が高まっており、さらにAIの活用によって多品種少量生産の高度化も進んでいます。

本記事では、製造業の生産現場の担当者に向けて、多品種少量生産方式のメリット・デメリットを紐解きながら、IoTを活用した課題対策事例をわかりやすく紹介します。生産効率や品質の向上、現場の省人化に課題を感じている方に役立つ内容です。

この記事で分かること

  • 「マスカスタマイゼーション」時代に、多品種少量生産が注目される理由
  • 在庫リスク軽減や顧客満足度向上といった、多品種少量生産のメリット
  • 生産効率の低下や人的エラーなど、多品種少量生産が抱える課題
  • OKIのソリューションが、製造現場のQCD(品質・コスト・納期)をどう向上させるのか

目次

多品種少量生産とは

多品種少量生産は、顧客のニーズに合わせて類似性(機能・デザイン)の低い製品を少量ずつ製造する生産方法です。

これまでの生産ラインでは単一の製品を大量に生産する大量生産が主流でした。大量生産は、作業者のスキルに影響されずに品質の均一化を図ることができ、さらにコスト(単価)の低減が見込めます。

しかし近年では、年齢や性別、地域、季節などの顧客ニーズの多様化に伴い、多彩な製品が市場に流通し、製品のライフサイクルが早まっていることから、これらのニーズに応える手法として多品種少量生産に取り組む企業が増えています。

また、少子高齢化による人手不足や働き方改革も背景となり、限られた人員で多品種少量生産をいかに効率よく回すかが、製造現場の共通課題となっています。経済産業省の「2025年版ものづくり白書」でも、人材育成や技能継承への対応が製造業の重要テーマとして取り上げられています。

多品種少量生産が注目される背景

多品種少量生産が注目される背景には、「インダストリー4.0」と「マスカスタマイゼーション」という2つのキーワードがあります。

インダストリー4.0とは、ドイツ政府が2011年に発表した産業施策です。日本では「第4次産業革命」とも言われています。産業革命とは、蒸気機関などが発明された第一次産業革命が由来です。その後、第二次産業革命は石油・電気による重工業、第三次産業革命はコンピュータによるイノベーションを指します。日本においては、2017年に経済産業省が「Connected Industries」を提唱して以降、政府主導の取り組みが進められています。

「Connected Industries」の中心は、「工場のスマート化」です。工場のスマート化とは、工場で稼働する機械および作業員などをネットワークに組み込むことで、製造業のプロセスをより高速かつ効率化を目指す取り組みです。

「インダストリー4.0」と「Connected Industries」には、生産現場から得られる多様なデータをインターネット経由で収集することも含まれます。こうしたデータは、作業の遠隔監視を行ったり、業務改善に向けた検討材料にしたりと、さまざまな用途に活用することが可能です。そして、それを実現するためのテクノロジーが、IoT(Internet of Things)です。

そのため、インダストリー4.0に関わる多岐にわたるテクノロジーの中でも、とくにIoTは欠かせないキーリソースとなります。

そして、ドイツのインダストリー4.0と日本の第四次産業革命に共通し、企業が実現を目指す1つの姿として「マスカスタマイゼーション」という考え方があります。

「マスカスタマイゼーション」とは、「マスプロダクション(大量生産)」と「カスタマイゼーション(受注生産)」の、2つの生産方式を掛け合わせた生産概念です。大量生産のように低コストを維持したまま、顧客一人ひとりに対応した製品を作り出すことを目指しています。

たとえばアパレル業界では、顧客が自分の体型と好みの生地を組み合わせたデザインの衣服を注文し、従来の製造ライン上で実現することで、テーラーメイド品が量産品と変わらない価格で顧客に提供できるようになります。

そのためには、多様な顧客要求に対応する製品バリエーションへの対応力を高め、カスタマイズの自由度を維持する必要があります。また、幅広いバリエーションをカバーする製品群の効率的なQCD(品質・コスト・納期)マネジメントも求められます。そして、オーダーごとに異なる仕様を、柔軟かつ効率よく生産するためのフレキシブルな生産体制も欠かせません。

こうしたオーダーごとに異なる仕様の製造指示を正確かつ迅速に受け、その内容を自律的に判断し、柔軟かつ最適に作業を行うためには、IoTによるデジタルデータの活用が不可欠です。

つまり、IoTを活用した「インダストリー4.0」と「Connected Industries」という考え方において、近い将来に実現したい姿である「マスカスタマイゼーション」を実現する第一歩として、「多品種少量生産」の手法に注目が集まっているのです。

さらに近年は、AI・生成AIの進化やサプライチェーン強靱化への要請が、この流れを一段と後押ししています。総務省「令和7年版 情報通信白書」によれば、生成AIを業務に利用する国内企業は5割を超え、製造の現場も広がっています。需要予測や生産計画の最適化、外観検査、熟練者の技のデジタル化など、多品種少量生産の効率や品質を高める用途で活用が広がっています。

また、地政学リスクや自然災害に備えてサプライチェーンの可視化・多元化を進める動きも強まっており、需要変動に応じて必要な分だけ作れる多品種少量生産は、過剰在庫を抑えつつ供給途絶リスクに備える生産方式としても、あらためて評価されています。

多品種少量生産のメリットとデメリットと課題

これまでの大量生産と比較すると、多品種少量生産にはメリットとデメリットが存在します。それらを俯瞰したうえで、多品種少量生産を導入して利益を向上させるために解決すべき現場の課題についても考えてみます。

多品種少量生産のメリット

工場のメリットとして、多種多様なニーズに対応できて顧客の満足度が向上し、在庫を抱えるリスクを低減することができるという点が挙げられます。

  • 多種多様な顧客ニーズに対応
    単一の製品では対応しきれなかった、多様化した細やかな顧客ニーズに対応した製品を、迅速に提供することができます。
  • 在庫を抱えるリスクの軽減
    多品種少量生産は、必要なものを過不足なく作るという性質上、売れ残った在庫を抱えるリスクを減らすことができます。

多品種少量生産のデメリット

一方、デメリットとしては、最終的なコストの増加と、生産効率の低下が挙げられます。

  • 一製品あたりのコストの増加
    一つの製品の仕様を変えて製造するにあたって、同じ原料でも仕入れる資材が増え、コストが増加することが懸念されます。また、品種ごとの管理コストも発生するという点も挙げられます。
  • ライン作業における生産効率の低下
    製品の仕様が変わると、段取りや生産ラインを変更する必要があります。この変更をしている間は作業が止まるので、最終的な生産効率が下がる可能性があります。

多品種少量生産の成功のカギは、人手に頼ることで発生する新たな人的エラー対策

このようにメリットとデメリットから検討すると、多品種少量生産はいかにして生産効率を高めつつ、いかに在庫を持たないかがポイントになります。

一方、顧客事例を見ると、多品種少量生産では人手による新たな生産ラインの確立が不可欠になるため、人的エラー対策も、運用面で課題となっていることが分かってきました。

次の章では、この運用面の課題および、解決した事例を紹介します。

IoTを活用した多品種少量生産の課題対策事例

これまで、多品種少量生産におけるメリット・デメリットとその課題について説明しました。OKIは、人的エラーを回避して生産効率を高めることができる組立ライン連携IoTソリューション「プロジェクションアッセンブリーシステム (以下、PAS)」を提供しています。

PASはプロジェクションマッピング技術と画像センシング技術を活用し、多品種少量生産における「組立作業ミスのゼロ化を支援」するものです。PASは2018年の提供開始以来、国内では100社を超える製造現場や海外の自社工場で導入・運用されています。

その仕組みは、

  • 作業スペースの上にプロジェクターとUSBカメラを設置
  • 作業者の動作をセンシングしながら、次に取り出すべき部品・個数の指示、組立工程の手順書を表示、作業誘導を行う
  • 作業実績データをデジタルデータ化、作業時間のばらつき具合を可視化することで、問題発生箇所の特定も容易にする

というもので、作業ミスおよび、問題発生箇所の特定において大幅な業務効率化と工数の削減を実現します。

プロジェクションアッセンブリーシステムのイメージ

プロジェクションアッセンブリーシステムのイメージ

プロジェクションアッセンブリーシステムのご紹介[3分14秒]

それでは、PASの具体的な運用事例をご紹介しましょう。PASは業種や工程の異なる現場で導入が進んでいます。

代表的なPAS導入事例

企業(事業) 課題 導入内容と効果
SCREENセミコンダクターソリューションズ
(半導体製造装置)
少量多品種のセル生産現場での作業効率・品質向上 2024年1月開設の新工場「S3-5(エス・キューブ ファイブ)」にPASを大規模導入:作業効率と品質を向上
ヤマハ発動機
(マリン事業/次世代操船システム「HARMO」)
設備投資を抑えつつ、ヒューマンエラー防止とトレーサビリティ管理を実現したい HARMO生産拠点の袋井南工場にPASを導入:設備投資を抑えつつエラー防止・トレーサビリティ管理に効果
ジヤトコ
(自動車用オートマチックトランスミッション)
複雑・高度な品質検査工程での品質安定と作業者の習熟 品質検査工程にPASを導入:品質の安定・向上と作業者の早期習熟に高い効果
アズビル
(ビル/産業/ライフのオートメーション事業)
グローバル生産に向けた標準化・共通化 PAS導入で標準化・共通化の基盤を整備し、全社的な展開へ準備
OKI 富岡工場
(ATM・現金処理機・鉄道発券端末など)
作業の早期習熟、品質の安定、継続的な組立改善 PASを活用し、早期習熟と品質安定を実現。継続的な改善を推進

また、国内での導入実績をもとに、PASは海外展開と機能強化も進めています。

PASの海外展開と機能強化(タイ・インドネシア)

OKIは2025年11月、製造DXのグローバル展開の起点として、タイ・インドネシアでPASの販売を開始しました。これにあわせて機能も強化され、英語・タイ語・インドネシア語への多言語対応、作業担当者自身が直感的に設定を行えるツール、複数の現場の作業状況やミス数をリアルタイムに収集・可視化する機能などを搭載。作業者の国籍や経験を問わず、均一な品質の作業を実現します。

まとめ:生産効率の向上とQCD(品質・コスト・納期)を確保するために

多品種少量生産は、多種多様なニーズに対応できることで顧客の満足度の向上や余剰在庫を抱えるリスクを低減するといったメリットをもたらす一方、最終的なコストの増加と、生産効率が低下するといったデメリットがあります。

このデメリットを解消するためには、多品種少量生産で不可欠となる人手による新たな生産ラインにおける、人的エラー対策および、作業工程の効率化がカギとなります。

OKIのプロジェクションアッセンブリーシステムは、作業ミスの大幅な削減を実現すると共に、組立作業教育の負荷低減、さらには作業実績のデータ化による問題発生箇所の可視化も実現します。

少量多品種の製造現場のQCD(品質・コスト・納期)向上にご興味のある方は、ぜひこの機会にお気軽にお問い合わせください。

編集部
OKI STYLE SQUARE VIRTUAL編集部 製造担当
製造業のみならず、企業に求められるモノづくりは大きく変化しており、工場などの「現場」も変革が迫られています。社会の止まらないを技術で支えてきたOKIのメンバーが、この変化に対応していくヒントになる情報をお届けします。
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