COLUMN
誕生から40年、身近なサービスポイントとして進化し続けるATM
デジタル化が加速する現代において、顧客との接点は多様化の一途をたどっています。Webやスマートフォンアプリを通じたサービスが主流となる一方、誰もが使い慣れたATMや券売機などのリアルチャネルの新たな価値創造の可能性が、注目を集めています。
本記事では、OKIが長年培ってきたATMや券売機などのセルフ端末の進化と、今後のサービス拡張を実現するサービス連携プラットフォーム「XlivLinkS ™ (クロスリブリンクス)」について解説します。
顧客接点の拡大およびデジタル化に課題をお持ちの企業・自治体のご担当者、そして新たな収益モデルの構築を目指す事業者様に、ぜひご一読いただきたい記事です。
身近なATMの進化とOKIの歩み
現在、銀行やコンビニなどに設置されているATMは、単なる現金の入出金機ではありません。振込やバーコード決済へのチャージなど、さまざまなサービスを提供し、私たちの生活に欠かせない便利な存在となっています。こうしたATMの進化の背景には、OKIが半世紀以上にわたって取り組んできた、技術開発の歴史があります。
OKIは1960年代にATMの研究開発に着手し、1970年には最初のCD機を開発しました。1982年には世界初の紙幣還流式ATM「AT-100」を開発し、金融機関の窓口業務を劇的に変革しました。
海外のATMの多くが支払い専用機であるのに対し、日本では入金も出金もできるのが当たり前です。この当たり前を実現するために、入金された紙幣を支払いに再利用できる「紙幣還流型ATM」をOKIが世界で初めて開発しました。入出金ができて何が良いの?と思われるかもしれませんが、実は様々なメリットがあります。一番のメリットは入金・出金の両方の取引を実施したい利用者が、1台のATMですべての取引を行うことができるということです。たとえばあるATMで出金を実施した後に、そのお金を持って別のATMに行って入金を行うと言った手間がなくなりました。
また、入出金が両方できることでATMの中に入っている紙幣枚数の極端な増減が発生しなくなるためATMの中の紙幣が足りなくなってお金を補充しなければ使えないという事態の発生を防ぐこともできます。利用者にとっては紙幣切れでATMが停止してしまうことが少なくなり便利になる一方、金融機関にとっても紙幣を運んで補充する回数が減り、事務が楽になったり資金効率が大幅に向上したりと、良いこと尽くしです。
1986年には振込機能などを搭載した多機能ATM「AT-200」を市場に投入し、利用者は金融機関の窓口に行列して並ぶ必要がなくなり、さらに窓口より安い手数料で振込が行えるようになりました。また、画面にタッチして操作するタッチパネルを採用したことで、各種情報の画面や表示や操作ができるようになりました。その後も、常に時代のニーズを先取りした製品を提供し続けています。
2000年代からは、コンビニエンスストアにATMが設置されるようになり、その後、24時間利用できる利便性などから急速に普及し、さまざまなサービスを提供する身近な存在となっています。
こうした長年の取り組みと技術力の蓄積により、OKIは日本国内においてATMの出荷台数でトップクラスのシェアを誇り、市場からの高い信頼を得るに至りました 。
高速な入出金処理を実現したOKIの技術力
OKIが開発したATMの根幹をなすのが、現金処理の自動化技術です。その強みは、真偽を鑑別する精度の高さと、優れたハンドリング能力の2点に集約されます。
世界各国の紙幣各種を1台の認識ユニットで高精度に鑑別し、高速な入出金処理を実現しています。また、紙幣ごとの大きさや厚み、材質の違いを問わず、ヨレや折り目が強くても、詰まらせることなく搬送する独自の仕組みを確立しています。2017年にはATMの国際業界団体が開催したATM誕生50周年記念イベントで、OKIは現金リサイクル技術発展への貢献が評価され、イノベーションアワードを受賞するなど、世界でも高く評価されています。
ちなみに、このOKIが誇るATMの紙幣搬送技術技術は、昨今話題を呼んだテレビ番組「NHK魔改造の夜」の、ゴリラちゃんターザンがロープを掴む部分にも応用されています。
顧客接点のデジタル化に潜む課題と、「リアルチャネル」への期待とは?
Webやスマートフォンアプリを介したオンラインサービスが生活に浸透し、企業の顧客接点は多様化しています。しかし、この急速なデジタルシフトの裏側には、重要な課題も潜んでいます。
それは、デジタルデバイスの操作に不慣れなシニア世代や、リアルな接点での安心感や手軽さを強く求める層が依然として根強く存在するという点です。
たとえば、公共料金や税金の支払いを、デジタル手続きに抵抗を感じる方や現金払いを希望する方は少なくありません。こうした状況において、単にデジタル化を推進するだけでは、「デジタルデバイド」の問題が発生し、顧客体験の分断やサービスの利用機会損失に繋がりかねません。
そのため、企業や自治体にとっては、「誰もが」スムーズに利用できる環境を構築することが喫緊の課題となっています。
「XlivLinkS」とは?~『いつもの場所が、あらゆるサービスへの入り口に』
このような社会的背景の中、OKIが提供しているサービス連携プラットフォーム「XlivLinkS ™ 」は、この課題に対するソリューションです。すなわち、ATM、精算機、券売機、チェックイン端末といった、人々が日常的に利用し、使い慣れた「リアルチャネル(セルフ端末)」を中核に据えながら、これらをスマートフォンやPCなどの「デジタルチャネル」と高度に連携させることで、これまでになかった新たな価値創造を実現します。
その核となるコンセプトは、誰もが直感的に理解できる『いつもの場所が、あらゆるサービスへの入り口に』というビジョンです。このプラットフォームは、単に既存のサービスを連携させるだけでなく、社会のデジタル化が進む中で取り残されがちな層、たとえばデジタルデバイスの操作に不慣れな高齢者など、すべての利用者が安心してサービスを利用できる「ユニバーサルな顧客体験」を提供することを重視しています。
XlivLinkSの基盤となっているのは、これまでOKIが培ってきたATMや駅・空港の券売機、精算機といったセルフ端末の運用・監視で培われた膨大なノウハウと、さまざまな社会インフラネットワーク(NW)の構築実績です。具体的には、以下のようなコア技術が、新たなサービス連携プラットフォームの信頼性を担保しています。
- 高齢者や障がい者、外国人の利用者にもやさしい、優れた操作性
- 正確かつ高速な現金処理
- 24時間無人運用に対応した高い信頼性と耐久性
- 不正アクセスや情報漏洩から顧客情報を保護するセキュリティ技術
- 安定した取引を実現するオンライン通信技術で、安定かつ広範なネットワークに関する知見を有しています。
「XlivLinkS」が拓く各業界のDXと新しいサービス提供
OKIのサービス連携プラットフォーム「XlivLinkS」は、サービス提供事業者各社が直面する顧客接点拡大の課題を解決し、さらには革新的な収益モデルを構築するための強力な推進力となります。
OKIとさまざまなサービス事業者の共創により、既存ATMや券売機などのチャネルに多様なサービスを柔軟に提供し、新たなビジネス機会を創出することが可能になります。
OKIは、これらの多様なサービスに対応する共通ソフトウェアを提供することで、サービス事業者が新サービスを低コストで迅速に導入できるよう支援します。既存のATMや券売機などのチャネルインフラを最大限に活用しつつ、革新的なサービス展開を実現するXlivLinkSは、まさに各業界のDXを加速させ、新たな収益モデルを確立するための鍵となるプラットフォームなのです。
まとめ
いかがでしょうか。デジタル化が進む現代において、ATMや券売機といったリアルチャネルは、多様な顧客ニーズに応える重要な接点であり続けます。
OKIのサービス連携プラットフォーム「XlivLinkS」は、半世紀以上にわたるATM開発で培った確かな技術と国内トップクラスのシェア を背景に、リアルとデジタルをシームレスに融合させます。
顧客接点の拡大、業務効率化、そして新たな収益モデルの構築に課題を感じている方は、ぜひOKIにお問い合わせください。
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